#580 「子どもは人質」を防ぐためのチーム担任制
私が大学生の時、教育実習に行くために必要とされる単位の授業の1つが週に2つ開講されていたのですが、その2つ共が同じ教授が担当していました。
その教授の評判はあまり良くなく、私もそれなりにフラストレーションをためながら授業を受けていました。その教授は自分が担当している授業が教育実習のための必修単位になっていることを知らないとまで噂をされていて、実際多くの学生が単位を落とし、教育実習に行くことができないという事態が発生しました。その事案に憤り、事務に文句を言いにいった記憶があります。
今となっては自分がやったことは、相手へのリスペクトにかける行為であり、また不適切な表現を多く用いた点において非常に反省しています。一方、その時に、ある特定の人によって「支配」される状況は決して良くないことなのだなと痛感しました。教員時代にある保護者から「子どもが人質に取られているようなもの」と言われたこともそうですが、どれだけその教員の指導法に違和感があったとしても、子どもがその空間で生活している限り、下手なことは言えないという状況が現実としてある。
特に小学校では基本的に1年間のほぼ全ての学級活動を同じ人間が担当することになっています。それは教員側の大きな負担となるのもそうですが、児童・生徒にとってもどこか息苦しくなるでしょう。
『「担任の先生は4人」1クラス1人の担任制を廃止。教師の働き方改革は「チーム担任制」…「小学校の教員は1人で授業をして、1人で保護者対応。全責任を1人に負わせていた」』という記事を見つけました。
鹿児島県志布志市の伊崎田小学校では。今年度から学級担任制を廃止し、複数のクラスを複数の先生で受け持つ「チーム担任制」を導入したというニュース。子供たちからは「相談しやすい。いろんな先生がほめてくれるので、うれしいし楽しい」という声が上がっているそうです。
この記事では主に、チーム担任制を取ることによって教員がお互いに協力することで、業務負担の軽減に繋がることや、多角的な視点で子どもたちと接することができるといった利点が書かれています。しかしながら、チーム担任制の利点は、子どもたちにとっても大きい。人間には良くも悪くも相性があるし、1つの問題に対する考え方が多様であればあるほど、子どもたちの視点も増えていく。それは彼らの中の選択肢を増やす作業であり、選択肢が増えることで、彼らの可能性も広がっていくのです。
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