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#359 言葉は最上級魔法であること

 人間は一人ひとりが異なる存在です。私たちが誰かと何かを成し遂げようとするとき、その違いを前としたコミュニケーションが必要になる。それは自分が普段親しくしている人でも同じこと。自分は理解していると思っていても、お互いに意思疎通する努力がなければ、お互いを分かり合うことは難しい。

 人は配偶者や子供、親友のような普段自分を接する機会が多い人とのコミュニケーションを疎かにしてしまうこともある。言わなくても大丈夫、伝わると思っていれば、そこに大きな落とし穴があったりしてしまう。東京オリンピックのバドミントン混合ダブルスで銅メダルを獲得した東野有紗さんの記事を見つけました。

東野さんと、ペアを組む渡邉選手は中学時代からの幼馴染。記事の中ではお互いのことを理解している思っていたものの

「それまでは阿吽の呼吸でやっていた感じで。コミュニケーションをとれていたつもりで、でも実はコミュニケーションをまったくとっていなかったんだと気づきました。初めて『ああ、そう思ってるんだ』と知れた部分がたくさんあったんです。中学時代から知っている相手だからこそ、お互いに通じ合っているという感覚が生まれ、コミュニケーションの曖昧さにつながっていたのかもしれない。」

と語っています。取り組みを重ねて、「お互いに通じあっていると思っていたけれど、違っていた」と実感した。

言葉は最上級魔法。長い間ペアとしてプレーをしていても、いざちゃんと自分の思いを伝えようとすると難しい。私たちもその人のためのことを思って時として内容が厳しくなることを、いかに相手に正確に伝えるかが難しい。

そんな時、東野選手のお母様がいった言葉が刺さる。

「人にいらいらしないように、道端で出会った人全員に『この人が幸せになりますように』って思え」

 この言葉の本質は、相手に敬意を払うこと。相手を存在を尊重すること。そして言葉とは、普段からそう思っている自分から発せられる言葉であるからこそ、そのように生きることが大切であること。私は学校の学びの中で最も大切なことはどのような言葉を発するのかということ。お互いに本当の意味で敬意を払い合えるペアはきっと最強の二人と呼ばれるようになるのだと思います。

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