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リモートワークの裏側 (1)

リモートワークの裏側についてシリーズで記事を書いてみます。リモートワークの割合を増やしたいと考えている士業の方々、実際に働く事務方の皆さまの参考になれば幸いです。

電話のないリモートワーク環境

特許事務所では、事務担当者が電話を最初に受けるところがほとんどですよね。
わたしはこれまでに5つの特許事務所で働いてきましたが、事務所によって「●コールで出る」「XXコールまで待たせてしまったら「お待たせしました」を最初に言う」などのルールがありました。採用されたての時には噛まずに事務所名を言えるようになるまで、電話が鳴るたびにドキドキしたものです。

IPTechでは所員全員がフルリモートを基本としているため、事務所に電話をいただいても内線でまわすことが不可能です。また、事務所に人が常駐しているわけでもありません。
そこで受電を代行してくれるサービスを利用しています。会社の代表番号にかかってきた電話に人が出て(AIではありません)おおまかな用件を承ってから、Slackの専用チャンネルに投稿してくれます。それをみて担当者が折り返すというやり方をしています。
事務所にかかってくる営業電話に出なくて済み、集中して作業ができるので事務方としては本当に助かっています。

折り返すときはSkypeクレジットで

受電は代行サービスとSlackでの報告なのはわかった。でも折り返し電話は自分のスマホからなの?という疑問が出てくると思います。
会社から専用のスマホを貸与されている場合はともかく、自分の電話から折り返したら、お客様にプライベートで使用している電話番号がみえてしまいます。それは避けたいですよね。

IPTechではSkypeクレジットを利用しています。会社名義でのアカウントをつくり所内で共有し運用しています。個人のPC、スマホどちらからでもSkypeクレジットにログインして電話をかけられます。決裁は会社名義のクレジットカードでプリペイド式です。

デメリットは、先方の着信画面には番号が非表示となるのであやしく見えてしまう点と、折り返し電話にお客様が出られず再度電話をいただいてもふたたび受電代行サービスを介さないとならない点です。これらはお客様にちょっとご迷惑をおかけしているなと感じる点です。

番号非通知については「Skype番号」というSkype独自の電話番号を設定すればそれが先方のスマホに表示されますし、その番号あてに返信をかけてもらうことも可能です。ただ、IPTechではお客様とのコミュニケーションはなるべくメールに寄せてゆく方針があるため設定していません。

FAXはオンラインで確認

外国事務担当をされたことがある方ならおなじみのFAX。
わたしも現地代理人からのFAXに受領確認の判子をポンと押して返信したり、FAX番号が変わったら短縮登録を編集しなおしたりなど、地味に手のかかることをやっていました。昔は期限ギリギリになってのPCT出願などは、時差を利用してスイスにあるWIPOに直接出願書類をFAXするなどの裏技もありました。(かれこれ17年ほど前のお話です…)

今はほとんどの通信がメールに置き換わっているのでFAXを使用する頻度は低いです。しかし顧客によってはFAXを使う報告ルールがあるため、廃止するわけにもゆきません。

IPTechでもFAX番号は持っていますが、オンラインで受信・送信ができるようにしています。広告などは受信ボックスで確認して削除してしまえばいいですし、必要なものだけダウンロードしています。無駄な紙も発生せず、これも事務方からすると手間が省けて便利です。


「電話代行」などで検索すると、いくつもの会社がヒットしてきます。秘書業務、事務の代行もしている会社がやっているサービスもあれば、電話のみに特化した会社もあります。
自分の事務所のサイズ感に合ったサービスをみつけるまでは手間がかかるかもしれませんが、お試し期間やキャンペーンなど活用して試してみるのもいいですよ。申し込みから各種設定まですべてネット上でできるか、管理者権限はあるか、外部アプリとの連携は可能かなど、そんな観点から絞り込んでみるのをお勧めします。

posted by Rika