ベースボールでキャリア育成論 小学期-結 〜『ことば』が人を育てる〜
小学期は生きる力の土台
小学生の時期は、子どもたちが自身の課題に向き合い、それを克服することで大きな自信と成長を得る重要な時期である。この時期に得られる成果は、以下の3つに集約される。
1. 友との出会いや恩師、両親の言葉が課題克服のきっかけとなる時期
人生を変えるような出会いが訪れるのもこの時期である。例えば、ソフトボール少年団との出会いは「全てのはじまり」だった。
同級生や上級生との交流は、憧れや切磋琢磨、挑戦心を育む場となり、特に「野球小僧兄弟」との出会いは野球人生の転機となった。
両親の反対を説得して少年団に入団した経験も、諦めない姿勢を学ぶきっかけとなった。
2. 『おもしろい!』と感じたことに向き合い、自己成長を楽しむきっかけを得る時期
キャッチャーに指名されたことで、相手選手の癖や試合の流れを読む「記憶力」と「洞察力」を磨く機会を得た。
データブックを読み込み、相手を分析することが喜びとなり、それが後に営業職での成功に繋がった。
「人を知り、記憶する」というスキルを身につけたのは恩師の教えによるものであり、小学生時代の経験が現在の仕事にも活きている。
3. 『できないことができるようになる』成功体験を通じて自信を得る時期
劣等感を抱えていた中で、「足手まとい」と言われ悔しさに涙した経験が、自らの課題と向き合うきっかけとなった。
母と毎晩続けた「夜練」は自分を変える原動力となり、最終的にチームの中心選手へと成長する転機となった。
この成功体験は「継続すれば成し遂げられる」という信念を生み、その後の人生にも大きな影響を与えた。
『ことば』が人を育てる
これらの経験から言えるのは、小学生の時期には「できない自分」と向き合い、それを克服する経験が何より重要であるということだ。
そのため、子どもたちが課題に挑む際には、周囲の大人がどのようにサポートできるかを考える必要がある。恩師や両親がかける『ことば』は、子どもたちのやる気を引き出し、挑戦する勇気を与える大切な要素だ。
こうした「課題克服のプロセス」を通じて得た自信は、子どもたちの人生を力強く支える土台となる。この時期の出会いや経験が、将来の可能性を広げる鍵となる。
『ことば』が人を育てること。
時にことばが人を生かし、人を殺すこともある。
ひとりの教育者として、人を生かすためのことばの重さを養っていこう。