一風堂のお米へのこだわりについて
美味しい白ごはんが食べられると、どうしてこんなにも幸せな気分になれるんでしょうか....??
一風堂でラーメンのお供としてご提供している「白ごはん」。
「ラーメン+餃子+白ごはん」のセットでのご注文など、日々多くのお客様にお召し上がり頂いています。
であれば、お米にもこだわらなければいけませんね。
はい。もちろんこだわりのお米、用意しております!一風堂では、美味しさだけではなく「安心・安全」という点にもこだわってお米を選んでおります。今回はそんな一風堂のお米へのこだわりをご紹介します。
一風堂店舗で出しているお米は100%国産米で、東北や関東の店舗では北海道産、関西や中京は青森県産、九州や中四国は佐賀県産と、なるべく店舗に近い場所の産地のお米を使用しています。
実は一風堂note編集部員、北海道と佐賀の産地に赴き一風堂のお米のこだわりを取材してまいりました。良いものをお客様に届けたいという想いをお伝えできれば幸いです。
産地レポート① JAきたそらち@北海道深川市
一風堂の関東や東北の店舗で出している北海道のお米は、旭川市の西隣に位置する「深川市」から来ています。深川市は北海道内有数の稲作地帯で、上の画像の通り壮大に圃場が広がります。
この深川市にあるのが、「深川マイナリ―」と名付けられたお米の乾燥や籾(もみ)摺り、貯蔵などを行う施設。ここに深川市の農家さんによって生産されたお米が大量に運ばれて貯蔵され、やがて一風堂店舗にも届きます。
今回はこの深川マイナリ―の事業を担当する「きたそらち農業協同組合(JAきたそらち)」の販売部米穀課課長の川田さんに、深川市での米の生産、管理などについてお話しを伺いました。
~自然の力を活かし農薬を最小限に抑えて生産~
●一風堂note編集部(以下「一風堂」):JAきたそらちでは、化学肥料や化学合成農薬の使用を最小限にとどめるなどして環境との調和に配慮しながら高品質な作物の生産そして安定生産を進める「クリーン農業(※)」への取り組みを進めているそうですね。米の生産において、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?
(※クリーン農業:北海道が全国に先駆けて提唱した環境保全型農業)
●川田さん(以下「川田」):まず、米に関しては、JAきたそらちで扱うものは約9割が「クリーン農業」で生産されています。米において「クリーン農業」で生産していると言っていいのは、こちらから北海道に申請し認証が下りた種類の農薬成分のみを、決められた量、回数だけ使用してつくられたものになります。それ以外の農薬成分を使用したり規定量以上使うと「クリーン農業」とは言えないんです。ちなみに「クリーン農業」で使える農薬成分数は、そうでない一般の米に比べて半分で、農薬成分数を減らすことで化学肥料の使用も減らすこともできています。米作において主に農薬を使用しなければいけないのは害虫駆除、稲の病気予防、除草になるのですが、それぞれの場面でいくつかの種類の農薬成分を使うことになります。また1つの農薬には農薬成分が数種類配合されているものもあります。農薬成分の管理は結構大変なんですが、農家さんには、「いつ、どれくらい、どの成分が含まれる農薬を使ったか」の管理、報告がしやすいよう配慮しています。
●一風堂:農薬の成分数や化学肥料を減らしながらの生産を継続させるのは難しいことなのではないでしょうか?
●川田:はい、色々工夫してますよ。例えば害虫駆除ですと、稲作にとって天敵のカメムシの本格的な発生期の前に、その年の発生量を予測して本当に必要な量だけの農薬を使用したり、除草薬をお米の上にだけまける、要は必要以上に飛散させないようにできる良い機械を使用するなどですね。農薬成分を減らしながら質と安定性を保つには、効率よく進める方法が必要だし、効率よく進めるには農家同士の協力も必要です。ここでは各農家同士が組織を作り、効率よく情報伝達や意見交換などしてますよ。
●一風堂:少ない農薬成分での生産には、やはり多大な工夫が必要なんですね。北海道ならではの気候も「クリーン農業」に影響しているとお聞きしました。
●川田:はい。北海道はご存じの通り気温が他県に比べて低いです。その分虫の発生が少ないといったメリットがあります。本来農薬成分を少なくして生産を行うのはとても難しいですが、この気候のおかげもあり可能になっているんじゃないかと思います。また、お米の保管には温度管理が必要なのですが、北海道の自然の雪や冷気を利用しエアコンの稼働を抑えたりもしています。
~安全なお米を出荷するための管理体制~
環境への配慮、また食べる方々に安全な食を提供できるよう、農薬や化学肥料の低減に努めて生産されていることがわかりました。さらに安全で美味しいお米を届けるために、生産後の管理もこだわっています。
●一風堂:「深川マイナリ―」はすごく大きな施設ですね。
●川田:こういった米の管理施設では日本最大級ですよ。ここでは、「生産された米(籾の状態)の受け入れ」「米の乾燥」「良質籾(もみ)の選別」「籾の低温貯蔵」「籾摺り(籾から玄米へ)」「異物除去」「出荷」といった工程を、それぞれ巨大な機械で行っています。
ここで玄米に仕上げられた米は、お米の卸業者さんなどに出荷し、精米され消費者の皆様のもとに届きます。
上から:米の乾燥設備、良質な籾の選別設備(ふるいにかけて大きな粒の籾を残す機械)、色彩選別機(異物除去や米の精選)、出荷前の一時保管倉庫(各袋に玄米1tが入っている)
●川田:良質なお米を消費者に届けるには、生産だけでなくこういった管理工程においても、性能が良い機械などを使うことが大切です。色彩選別機を今年に入ってより良い機械に変えたんです。従来の機械よりもより精度が高く、細かく米粒の質や異物混入のチェックをすることが可能になりました。またスピードも上がったので効率も上がっています。
●一風堂:あまり考えたことが無かったですが、確かに、小さな米粒の状態をチェックするとなったらかなりの正確さが求められますよね。おいしいお米を作り上げる大切な要素です。他にもこだわっていることはありますか?
●川田:出荷される米は、それぞれどこの組合のどの農家さんによって生産されたものか、施設内の工程の履歴をたどって把握できるようにしています。もし出荷後に何かトラブルが起こったとして、どこの農家さんから来た米かをすぐ確認し、全体で責任ある対応を取ることができますね。徹底したトレーサビリティシステムを導入し、「どこの誰が作っている米か?」といった不明確な状態にはならないようにしています。
一風堂:生産者がわかる食材は、安心できますね。
- 2019年9月、2020年11月取材 ー
施設内にあった「玄米」の状態の構造。これから胚芽、果皮、種皮、こふん層を取り除き(精米)「胚乳」になった状態が「白米」となります。
産地レポート② JAさが@佐賀県佐賀市
こちらは佐賀県神崎市にある、「佐賀農業協同組合(JAさが)」の「共同乾燥調製施設」。一風堂の九州、中四国店舗で出している佐賀のお米はここから届けられます。
「深川マイナリ―」同様、農家が生産した米を乾燥させ保管する施設で、佐賀県内に多数ある乾燥調製施設のうちの1つです。
佐賀では、「JAさが」で神崎区を担当されている西岡さんにお米の生産、品質管理について話しを伺いました。
~有明海のことも考えた、優しい生産を~
●一風堂:一週間後が収穫予定日とのことで、いよいよですね。田植えから収穫までの生産の点で特に気を付けていることは何ですか?
●西岡さん(以下「西岡」):まずは生産者さんたちに対する、安定して高品質なものを作り続けるための仕組み作りや環境作りといったところでしょうか。JAさがでは「こめづくり暦」という、「いつ何を植えるか」「病害虫の駆除基準」「土壌改良剤の使用基準」などを記録する栽培管理日誌を生産者さんに配布して、記帳を促しています。田植えの時期から刈取りの時期までの相談を私たちJAと農家さんで行って、「こめづくり暦」に記載している基本作業の徹底や生産の目安などを打ち合わせます。農薬・肥料の使用状況なども記載してもらって「良質で均質な商品作り」のための徹底した管理を目指しています。例えば、刈り取る時期が異なると水分量などが変わり質に変化が出ます。なので生育の時期もこの「こめづくり暦」をもとに合わせるよう促します。
●一風堂:確かに、各々の農家さんがそれぞれの作り方をしてしまうと、品質に差が出てしまいますね。
●西岡:そうですね。やはり質の高いものを出荷し多くの方に美味しく食べていただけるように、丁寧な支援を続けたいと考えています。
この他にも、水質・土壌に配慮して生産することも意識しています。佐賀県では多くの田んぼで、お米を収穫した後も、大豆、麦、玉ねぎなどを生産し年中田んぼを利用しています。そしてそれぞれを収穫した後に出る稲わらや麦わらは焼却せず、田んぼの肥料として使うんです。稲わら、麦わらを焼却しないことで煙害の減少に繋がり、また農薬の低減にもなります。最終的に有明海へ流れる田んぼの水は、有明海で生産している有明のりに影響を与えるため水質管理もまた重要な要素なんです。
●一風堂:お米の生産が有明のりの生産に影響を与えてしまうんですね!佐賀県ならではかもしれません。水質への配慮は需要ですね....。
ー 2019年10月取材ー
それぞれの地で、その土地に合うよう工夫が為された方法で生産、管理されたお米たち。高品質を保つための管理体制、減農薬生産、トレーサビリティの徹底など、食べる私たちの安心安全にも配慮し、さらに地元の環境のことも考えています。「美味しさ」にプラスアルファしたこだわりのお米が、一風堂店舗に日々届いています。
~一風堂のお米の美味しい食べ方~
実は一風堂には様々なご飯ものメニューがあります。
一番シンプルなのはやはり「白ごはん」ですが、その他のメニューもご紹介します。
※全て一部店舗での販売となります。また価格が店舗によって異なる場合がございます。予めご了承下さい。
「温玉のせ明太子ごはん」540円
博多ならではの明太子と、温泉玉子、のり、たくあんの組み合わせ。ご飯の最強お供が4つものっている、なんとも贅沢な一杯ですね。なお「温玉無し」(430円)もあります。
「温玉のせハカタノチカラめし」580円
味付けしたチャーシューをご飯の上にのせ、さらに明太子と温泉玉子もトッピング。ジューシーなチャーシューと濃厚トロトロな温泉玉子、明太子のアクセントになる塩辛さ。箸が止まらなくなります。「温玉無し」(470円)もあります。
「温玉のせごはん」280円
温泉玉子とのりの王道シンプルなご飯もの。温泉玉子のまろやかでしっかりとした黄身の味が、豚骨スープによく合います。
「チャーシューまぶしごはん」430円
秘伝の醤油ダレで煮込んだ一風堂のチャーシューを角切りにし、白ごはんにのせました。凝縮された豚肉の旨味を味わうことができます。
最後になりましたが.....
「白ごはん」(160円)です。もう説明不要ですよね。長々と書かせていただきましたが、「美味しさ」、「安心安全」にこだわった国産米です。もちろんそのままで美味しいのですが、一風堂ならでは、とんこつスープを少しかけたり、残りスープにインしたり、卓上の「辛もやし」と一緒に食べたり、様々な食べ方をぜひ楽しんでください。
「1杯じゃ色んな食べ方は試せません!」と思いました??心配いりませんよ。この「白ごはん」というメニューは、なんとおかわり無料なんです※。知らなかった方、ごめんなさい。隠していたわけではございません....。
各産地からの取材レポートをお届けしましたが、一風堂のお米にかける想い、伝わりましたでしょうか?
一風堂では、産地や生産方法にこだわった食材を選び、また食材を作ってくださっている生産者の方々とも良好な関係を築きながら、お客様に安心安全なお食事を提供してまいります。
※一部おかわりサービス対象外の店舗もございます。
「白ごはん」と「一風堂まつりめし」とその他アレンジめし
上:一風堂浅草橋本舗の限定メニュー「一風堂まつりめし(小:440円)」。煮玉子、チャーシュー切り落とし、明太子、紅ショウガ、高菜、ネギ、のりがのった、にぎやかなご飯ものです。 ※「一風堂まつりめし(並:660円)」 もあります。
右:「白丸元味」のとんこつスープと、ラーメンだしを少々、最後にすりごまをかけてみました。するすると食べられます。
左:一風堂名物無料トッピングの「辛もやし」と「辛子高菜」をトッピング。一風堂鉄板のご飯の食べ方です。