愛される人の特徴
思えば、私の人生は逆境ばかりだったと思います。逆境のときには心が疲れていて、どうしても物事を損得で判断することが多かったように思います。
そんな私が仏教を勉強した際に、先生から「施すこと」の重要性を教わりました。この場合の「施す」とは、金品に限らず親切、笑顔、優しい言葉、知識など無償のものでも構わないのです。そして、それらを見返りを求めずに施すことを指します。
「施す」ことが重要だと言われても、人間ですからやっぱり見返りを求めてしまいます。私も最初はなかなか完全にはできませんでした。そこで、私は考え方を変えたんです。施した相手からの見返りではなく、回りまわって返ってくる、と。それがなぜ見返りを求めてしまうことの改善法になるのかというと、回りまわって返ってくるとなると、どのような形で返ってくるのかの想像ができないからです。つまり、親切にした相手ならなんとなく好かれているとか逆にお返しをくれるとか、親切にしてくれるとかいろいろ想像ができてしまうので、それが実現されなければ直接その相手に不満が募ります。これが悪循環なのです。その点で、どこから返ってくるのか分からなければいちいち不満が具体化しませんから、施したことも忘れていくのです。
では、次に実際にそんなもの回りまわって返ってくるのか、ということなのですが、これが返ってくるのです。これをわかりやすく説明します。スピリチュアルな話は私は得意ではありませんので、論理的にお話しします。
見返りを求めることなく自然に他人に施すことができるようになると、次にそれを習慣にすることができます。その段階になると、損得勘定での行動が影を薄めていますから、顔の表情が変わりますし、対人関係において言葉も態度も柔らかくなります。そうすると、それまで以上に人から話しかけられるようになるのです。そのようなことを繰り返していると、やがて人が集まってくるような愛される人になっていくので、格段にチャンスの幅も数も増えます。一般的に、これを人は「幸運」と呼びます。これが、施した相手から直接返ってこなくても回りまわって返ってくることのからくりです。
愛される人の特徴は、施したことを忘れても、施されたことは忘れない人です。愛されない人の特徴は、施したことはいつまでも覚えていて、施されたことは忘れてしまう人です。
あなたはどちらの人になりたいですか?