弁当屋、弾丸お引越し大作戦
起業2年目から使って来た製造キッチン。8年目の今年、移転を決めました。スペースは今までの倍。つまり家賃も…。広い分、厨房機器も人員も増やす必要があります。つまりこの移転後は今の倍、否倍以上稼がなくてはいけない。なかなかヒリヒリしますね。
移転を決断した詳しい経緯は次回。今回は弁当屋ならではの事情で『超弾丸スタイル』だった引越しの模様をお届け。
普通は店舗の移転をする場合、数ヶ月前から周知をして『移転のため2ヶ月のお休みを頂きます』。みたいな感じだと思うのですが弁当配達業だとこれが意外と難しい。企業等との契約は年単位。毎日何かしらの予約がある。企業ごと案件ごとに区切りのタイミングはバラバラなので全部を同時に止めるのはかなり難しい。もちろん事前に計画を立てれば出来ない事は無いですが『数年後』になります。余力のある大きな会社ならともかく弱小個人事業の我々はタイミング命。状況が切迫している場合、数年間現状維持で生き残れるかは微妙です。
つまり、休めない。
今回、私たちも諸事情により『緊急を要する移転』のため何年か後、という選択肢はありませんでした。そんなわけで…。
2023年8月
Mission『いっぽ弾丸お引越し計画』始動
移設先は現在施設から車で5分。元ラーメン屋さんの居抜き店舗。比較的やりやすい条件な気がしますが…。
話しはそう簡単では無かった。まず休めない弁当屋が業務をストップできるのは、当日昼分の製造配達を終える11時から翌日昼分の仕込みを開始しなくてはいけない24時まで。
我々に与えられた猶予は13時間。
意味不明である。まずこのピンポイントに清掃、厨房機器、電気、ガス、水道の業者さんを揃えるだけで至難の技。しかも、休みに入る配達先企業が多く比較的被害が少ないという理由から時期はお盆直前の8月9日。業者さん的には超迷惑。
案の定、清掃は予定が合わず急遽自力でやる事に。招集される嫁(私)。引越し前の1週間、通常業務後に夜な夜な床を磨く日々。
元の床の色が分からないレベルの油汚れ。『私、何屋だっけ?』という疑問にそっと蓋をして無心で格闘し続けた1週間。何とか許容範囲になったのは引越し前日の夜中。体から漂う油とケミクールの香り…。
※ケミクール=業務用強力洗剤。換気必須。
そして迎えた引越し当日。何とか、昼分の業務を終わらせた夫。大急ぎで片付けて冷蔵庫、冷凍庫の中の食材を一旦退避。どうやって入れたのかという劇狭キッチンから厨房機器を運び出す業者さん。それでも昼過ぎには大物は搬入完了。さすがプロ!
とはいえその後、電気配線やら水道配管の調整やらが完了したのは21時過ぎ。そこから大急ぎで細かな調理器具や資材を運び込む。そして、退避していた食材も冷蔵庫に戻す。最低限、稼働出来る形になったのは24時ギリギリでした。
ミッションクリア!?
一応目的達成とはいえ小さな(?)アクシデントは多発。引越し直前焦った夫が真空包装機を破壊。慌ててネットで調達。足りない電圧、溢れる排水溝、溶ける冷凍食材…。
まぁ、全部何とか解決しましたが。冷や汗が止まらない。
夫曰く『新規オープンの方がずっと楽…。』
確かに新規なら工期が伸びてもオープン日を調整出来ますし、場所に合わせた機器を入れる事も出来る。時間も物資も限定された状況の『移設』の難しさを身をもって知りました。
え?そんな無茶なスタイルはウチだけ?確かに。
その後も仕事の合間を見つけてはコツコツ残りの備品を運び込み、足りない物を揃えにホームセンターに通う日々。お盆休み終盤、ようやく夫から『引越し終了宣言』が。
…しんどい。
しかも、あくまでハード部分が完了したのであってソフト部分はこれから。倍以上の成果を上げるにはどうしたらいいか。勝負はここからですね。
以上、『弁当屋いっぽ弾丸引越し大作戦』の模様をお届け致しました。良い子は真似しないでね!
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