2025年学習院大学文学部日本史論述答案
答案例
松方財政は1880年代に松方正義により進められた財政政策で、目的はインフレ抑制による財政難解消である。工場払下げ概則を廃止して官営工場の払い下げを進め、軍事費以外の歳出を抑制する緊縮財政を展開する一方、増税によって歳入増加をはかった。歳入余剰で不換紙幣を償却して正貨蓄積を進め、紙幣発行権を日本銀行に一元化したうえで、銀兌換の日本銀行券を発行し、銀本位制を確立させた。この結果、デフレ不況となり、地租が定額金納であったため、農民の負担は重くなり、農村の階層分化が進展し、地主制が発展する契機となった。(247字)
問われているのは、松方財政である。