流浪の月(文庫本)
少女監禁事件をモチーフに、主人公である被害少女・更紗と、加害男性・文(事件を起こした当時は19歳大学生の設定)の事実と真実を問うフィクション作品。
2人が生きていくためにはお互いが共有する関係性(ただし、恋愛関係ではないというのが真実)が必要だった。しかし、世間はその関係を認めず、SNSはじめ世間から好奇の目に晒され、常に忍びながら生きていかねばならない。
大人になった更紗には人間関係が構築されている。恋人、バイト先の仲間など。それらが歪に絡みあい、物語は加速していく。
更紗にとって、文は加害者ではなく、必要不可欠な存在だったことが、丁寧に描かれていく。
中盤からの展開は、シリアスになるしかないのに、どこかコミカルにも思える大胆な行動に驚きながら引き込まれていく。
映画版もあるので、そちらも見てみたい。
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