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活動再開後のMrs. GREEN APPLE爆発的大ヒットのワケ

今年1月に公開した「Mrs. GREEN APPLEはなぜヒットしたか」の反響が非常に大きく、続きを早く出さなきゃと思いつつこんなに遅くなってしまいました。まだ読んでいないという方は前回の記事から読んでみてください。


活動再開とスタートダッシュ

1年9か月の休止期間を終え、フェーズ2が始まりました。僕が大学受験を終えて間もない2022年の3月18日の21:00、ニュー・マイ・ノーマルのMVがプレミア公開されました。
僕の初見の感想は、「なんか派手、チャラい、アイドルか!」でした。

人生で最も待ちに待ったんだけど
悪くはないんでけど
そんなことをいう権利なんてないんだけど

そして、目に見える形で現れたことによって「もう、5人のMrsには戻れないんだ」と感じざるを得ませんでした。相変わらず楽曲はとてもよく、鬼リピしていたので、今でもその曲を聞くとあの春休みと新年度のことを思い出してしまいます。それと同時に渋谷駅に大型看板が登場し、休止前よりも日本という空間における存在感が増したように感じました。

他にはSPY×FAMIRYが渋谷のビジョンを
ジャックしていた時期でした
アーニャ全盛期直前

そして、活動再開からほどなくして大ヒットしたのが皆さんもご存じ「ダンスホール」。朝のニュース番組とタイアップしたこの楽曲のMVでは、タイトルも見た目を裏切うことなく、3人がダンスを踊ります。ここで昔からのミセスファンとしては、どうしても素直に受け入れられなかったのではないでしょうか。何となく「あぁ、そっちの路線に行っちゃうんだ」的な思考が頭をよぎったことかと思います。しかし、後になってみれば杞憂だっったというか、考えが浅すぎました。

今までのMrsの良さであった、楽曲のジャンルの広さが音楽という枠を超えたとでもいうのでしょうか。パフォーマンスのジャンルという新しいベクトルが増えたと捉えるべきな気がしてきました。このようにフェーズ2では新しいジャンルがどんどんと切り開かれていきます。

結果として、さらに幅の広がったジャンルを背景に新しいファン層もじゃんじゃん巻き込み、ダンスホールはMrsの2022年最大のヒット曲になっていきます。

事務所の力

 これを言ったら元も子もなさそうだが、ある。それも、確実にある。

 元々、ボーカルが18歳の時点でメジャーデビューしていることからもかなり初期の段階で事務所から注目されていたと分かる。

 しかし、活動休止決定と同時に事務所からの独立が発表され、新しくProject MGAが発表された。衝撃を受けた。

 ところが、蓋を開けてみたらユニバーサルミュージックの事務所には所属したままでその中で独自のプロジェクト発足といった形に収まっていた。これは様々な推測が出来ると思うが、僕は事務所側が引き止めたのではないかと考える。そしてそれが結果的に良かったとも。その証拠になるかどうかは分からないが、フェーズ2に入ってからタイアップとテレビ出演の回数が格段に増えた。これはミセスの人気上昇とともに事務所が猛プッシュしていることも関係しているのだと思われる。

 ここからは完全に僕個人の憶測であるが(ここまでもかなり主観)、事務所も育ての親としてここまで成長したミセスを手放すのは悲しく、子離れできなかったのだろう。そこでミセス側が求める自由をある程度認めそれらを全力でサポート(実家のような居心地を提供)することと引替えに独立(一人暮らし)を諦めさせたのでは無いだろうか。それゆえ、復帰後のプロジェクトはどれも規模がとんでもなく、渋谷の大型広告に始まり、復活直後のアリーナや全国規模のライブビューイングといった大砲が矢継ぎ早に打ち上げられていった。

 どこぞの試算では2023年度のミセス関連の総売上は54億円にも登ると推計されている。これはこれはママ(事務所)も大喜びでしょう。やはり諦めずに引き止めたことが功を奏したと見て取れる。いや、むしろ逆なのかもしれない。偉大なる母のおかげで再開のロケットスタートを切れた。もしそうでなかったら今のように第一線で居続けられたかどうかは定かではない。

チケットが当たらなくなり始める

これは、ファンにとって死活問題です。人気になると最も大きな問題になるのがこれ。昔は全ツアーにちゃんと参加できたのに。なんていう不満からも、大ヒットをよく思わないファンからの怨嗟が伝わってくる。それでも人気が増したことによって、今までにない景色が見れることも、アーティストを追いかけるファンの醍醐味なのではなかろうか。

とにかくライブの演出が豪華

 近年のミセスは回を重ねる毎にライブの演出が天井なしに豪華になっていきます。全背面ディスプレイに始まり、炎、水、花火、ドローンカメラなど様々な角度から新しいギミックを盛りに盛って、ダンサーや役者を巻き込んだ壮大でミュージカルのような、映像・ダンスと連携した音楽が奏でられます。ステージセットもちゃんとえぐい。

どーやったらこんな演出実現できるん

 これらはやっぱり大きな会場と集客力がなければ実現が難しい。最近はビッグアーティストとの対バンなどもあったりと、スターさながらのLIVEが増えていてとてもバラエティに富んだ楽しさがある。今後はオーケストラ編成などのLIVEなども期待したいところ。そんな景色が見られるのも、やはりファンが増えたおかげなのかもしれないと思うと、どんどんメジャーになるのも悪くはないよねっていう。

もうMV撮影見学に来たんかってぐらい綺麗

 ミセスのLIVEは何より、盛り上がる曲が多く、歌って叫んで飛んで踊って、この世知辛い人生の全ての不安やストレスをどこか別の場所に丸ごとおいてけぼりにしたようなこころっっっから楽しめる時間と空間がそこにはあると豪語できる。

 かと思えば心に刺さるようなバラードがあの綺麗すぎる歌声で最大限の空間に響き渡るもんだから、涙も溢れてきてしまう。

 加えて、ミセスは曲のイントロから多くの曲でアレンジを聞かせてくるもんだから、最初の5秒ぐらいは聞いた事のないけどなんか聞き覚えあるようなイントロドンがあって毎回楽しい。これに関してはまだまだ僕も努力不足でなかなか直ぐにボタン(仮想)を押すことができない。そーやってみんなを煽ってから曲に入るとみんなが面白いように「わ〜」ってなるから好き。
「お前ら今、分かってなかったよな^^!? まさか俺だけじゃないよな、取り残されかけてたの。」

 そんなことはどうでも良くて、ライブならではのアレンジがイントロに限らず凄すぎて、音源では満足出来なくなるのもミセスあるあるなのかもしれない。これはもう、なんというか説明ではなくちょっとYouTubeのライブ映像を見ておくれ。百聞は一見にしかずを使うならここ以上にない。特にアトランティスの方のケセラセラのラストとかマジ最高だから。あれが生なんだってよ。まじ?

 昔は若い女性ファンが多いイメージではあったが、今やちびっ子からおばさん(失礼)までかなり幅広く男女満遍なく入っているように感じる。みんな知ってる曲がたくさんあって家族やカップルでも行きやすいのよね。(僕の周りでも最初の頃は誰も知らなくて家族について来てもらうか、1人で行くしかなかった。)

大活躍の2023年を締めくくる

 活動再開の翌年、これはミセスの長い歴史の中で、今後も伝説の一年として語り継がれるであろう。Spotify・Apple MUSIC・LINE MUSICの主要3サブスクで2023年最も聞かれたアーティストになり、大森元貴はBillboard JAPAN作詞家・作曲家W1位を受賞するなど、名実ともに日本のトップに輝いた一年となった。これらが象徴するのは、ヒットがたくさん生まれ、その楽曲たちが長く愛され続けているということ。1曲の大ヒットだけで、新しい曲だけで、アーティストとして年間一位を取ることはなかなか難しい。詳細は以下の記事に載せているのでぜひ!


レコード大賞の受賞

ケセラセラの受賞が決まった瞬間、僕は心から叫んで喜んだ。こんなに純粋に喜んだのは何年ぶりだっただろうか。あの受賞からのコメントからの金銀の紙吹雪にエンドロール、そして目を潤ませ、噛みしめながら披露されたケセラセラは何度見ても感動してしまう。すごい昔、まだミセスがメジャーデビューして間もないころにこんな記事を見かけたことがある。「チャラチャラしていて、バンドの方向性が分からない。曲の内容もいまいちで、どのターゲットに刺さるのかわからない。売れるのは難しい。」こんな内容だったと思う。もちろん単なる個人の意見であったことは重々承知の上だが、結果どうだろうか。まさかその7年後に日本中にあふれかえる超人気バンドになってしまった。やはりその素質があったはずなのだ、そのころから。ここまで追いかけてきた僕は間違っていなかった。

テレビの前であんなに声出すことないって

念願の紅白歌合戦

ミセスは最近のバンドにしては珍しく(?)活動当初から「紅白出場」を公式に宣言していた。人気絶頂の中での活動休止が決まった際、もうチャンスはないだろうなと思っていたが、それも杞憂であった。満を持して2023年の紅白歌合戦に登場。インディーズ時代から宣言していた大きすぎるように思われた夢もちゃんと実現していくこの壮大なストーリーにまたもミセス愛が大きくなってしまう。

NHKさん、遅すぎます

この記事は前回の記事を書いた時に長くなりすぎて、全編後編の2部構成にしようと思って活動休止前後で分けて書き始めた記事だったのですが、これを公開するまでにさらに人気は過熱していき、ピークだと思うほど華やかだった2023年が遠い昔に感じられるほど今年も大活躍だったので3部構成にすることにしました。今回はもうこの時点で4000字を超えてしまっているのでこの辺りでとどめておきます。最後まで読んでくださった方ありがとうございました。


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