髙橋優

【声優批評/アニメ批評】【次回更新予定:2024/11/25】毎月第4月曜の19:00に声優/アニメに関する評論をアップします。執筆依頼はiovis.takahasius@gmail.comまでメールでご連絡ください。『ユリイカ』湯浅政明特集号に寄稿(2022年6月)。

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  • 蛮族のためのアニメ月評

    毎月第4月曜の19:00にアップしている声優/アニメに関する評論集です。

  • 名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る

    四半期ごと(3, 6, 9, 12月)+αにアップしている名作/迷作アニメを回収するエッセイ企画です。

  • 『鬼滅の刃』特別企画

    大ヒットが続く『鬼滅の刃』に関して、アニメ・漫画文化にも造詣の深い人文系研究者の方々を招いてオンライン鼎談を実施しました。

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    ユリイカ 2022年7月臨時増刊号 総特集◎湯浅政明 ―『マインド・ゲーム』『四畳半神話大系』から『映像研には手を出すな! 』、そして『犬王』へ―

    湯浅政明
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 このページは、髙橋 優がnoteに公開したアニメ/声優に関する評論記事の一覧です(随時更新)。各記事を楽しんでいただけましたら、スキ・シェアいただけたら大変嬉しいです。皆様のコメントが執筆の励みになります。  商業誌/同人誌へ寄稿した記事の一覧はこちらをご覧ください。  執筆依頼等のご連絡はiovis.takahasius@gmail.comまでメールいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 蛮族のためのアニメ月評 毎月第4月曜の19:00にアップしている声優/ア

    • 吸い込まれるような漆黒、または絶対的な虚無:『ふれる。』を穿つ永瀬廉の声

      はじめに その前ではすべてが瞬く間に静止する――永瀬廉の声は絶対的な響きをもって聞こえた。ここでは「聞き惚れる」などという表現は適切ではない。私は彼の声の前に、ただ呆然と立ち尽くすほかなかった。  2024年10月4日に劇場公開されたアニメ映画『ふれる。』は、端的に言って、アイドルグループ・King & Princeのメンバーである永瀬廉のために用意された演舞場のような作品だった。本作のオフィシャルな宣伝においては、長井龍雪が監督、岡田麿里が脚本、田中将賀がキャラクターデ

      • 名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第12回:『機動警察パトレイバー 劇場版』

        はじめに 押井守の監督作『機動警察パトレイバー 劇場版』(1989年、以下『パト1』と略記)が、劇場公開35周年を記念して全国でリバイバル上映されている。私はもともと「パトレイバーファン」だったわけでも「押井ファン」だったわけでもなく、今般の35周年を「節目」と評する立場にはないけれど、『パト1』に関する所感を書くのにちょうどいい機会ではあるため、ここで取り上げることにする。  総じて、『パト1』はごった煮の快作である。『パト1』はOVA『機動警察パトレイバー』(1988

        • 名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第11回:『オシャレ魔女♥ラブandベリー しあわせのまほう』

          はじめに 2024年8月14日(水)、TOKYO MXでアニメ映画『オシャレ魔女♥ラブandベリー しあわせのまほう』(2007年3月21日劇場公開;以下、『しあわせのまほう』と略記)が地上波初放送の機会を得た。本作はセガのキッズカードゲーム「オシャレ魔女♥ラブandベリー」(以下、「ラブベリ」と略記)を原作としたオリジナルストーリーであり、「ラブベリ」に登場する二人のオシャレ魔女、ラブ(CV: 今野宏美)とベリー(CV: 柳井久代)がオシャレ魔法学園に入学するまでの経緯を

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          映画『化け猫あんずちゃん』の創意工夫と人間愛について:「何も起こらない物語」から「喜劇」への飛躍

           2024年7月19日に劇場公開されたアニメ映画『化け猫あんずちゃん』は大袈裟なドラマを排したいわば「何も起こらない物語」を「喜劇」として彫琢することに成功した傑作である(愉快で滑稽だという意味でも傑作と言うにふさわしい)。この映画は『コミックボンボン』の末期(2006年8月号~2007年11月号)に連載されていたいましろたかしの漫画を原作とした日仏合作のアニメ映画であり、南伊豆の池照町という架空の町を舞台として、人間の言葉を話す着ぐるみのような化け猫・あんずちゃんと東京から

          映画『化け猫あんずちゃん』の創意工夫と人間愛について:「何も起こらない物語」から「喜劇」への飛躍

          『Ultraman: Rising』が拓いたウルトラマンの新地平:自己啓発を基盤として描かれたヒーローの使命の二重性

           ウルトラマンの楽しみとは、擬古的なオマージュの森林に分け入ることでもなければ、膨大かつ複雑怪奇な設定の山岳を踏破することでもない。しかしながら、長期化したシリーズにはよくあることながら、ウルトラマンの歴史は制作会社やテレビ局を含む多種多様な利害関係者間の力学によって偶発的に生み出された後付けの設定の山積とならざるをえなかった。そのため、ウルトラマンの新作を生み出す際には、先行作品の伝統ないし遺産をどの程度継承するのか、そしてそもそもどの範囲までを参照すべき先行作品とみなすの

          『Ultraman: Rising』が拓いたウルトラマンの新地平:自己啓発を基盤として描かれたヒーローの使命の二重性

          noteでの告知が遅れ、申し訳ありません。新型コロナウイルスへの感染と療養に伴うスケジュール調整のため、6月分更新は一週間後ろ倒しとなり、7/1(月)にアップとなります。今月はNetflix映画『Ultraman: Rising』を取り上げます。引き続きよろしくお願いします。

          noteでの告知が遅れ、申し訳ありません。新型コロナウイルスへの感染と療養に伴うスケジュール調整のため、6月分更新は一週間後ろ倒しとなり、7/1(月)にアップとなります。今月はNetflix映画『Ultraman: Rising』を取り上げます。引き続きよろしくお願いします。

          映画『トラペジウム』におけるエゴイズムの再評価:客観的指標の不在と横溢する自意識の肯定

          ※本記事は映画『トラペジウム』のネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。 はじめに 究極的に、アイドルはエゴイストでなければならない。エゴイスト同士がぶつかり合い、しのぎを削るアリーナ、それこそがアイドルの世界である。この異種格闘技戦によって育まれるのが、多様性と呼ばれる水平的な散らばりである。その意味で、アイドルの世界は外界への準用の可能性を秘めている。  2024年5月10日に劇場公開されたアニメ映画『トラペジウム』は、高校生のアイドル活動の蹉跌を題材にとり、

          映画『トラペジウム』におけるエゴイズムの再評価:客観的指標の不在と横溢する自意識の肯定

          映画『リンダはチキンがたべたい!』に息づく喜劇の伝統:可笑しさの正体について考える

          はじめに 月並な所感から書き出すことをご容赦いただきたい。2024年4月12日に日本で劇場公開されたフランス・イタリア合作のアニメーション映画『リンダはチキンがたべたい!』(原題はLinda veut du poulet!)にはとにかく圧倒された。本作は映画作家のキアラ・マルタ(Chiara Malta)とアニメーション作家のセバスティアン・ローデンバック(Sébastien Laudenbach)が共同で監督を務めたコメディ・アニメーションであり、2023年のアヌシー国際

          映画『リンダはチキンがたべたい!』に息づく喜劇の伝統:可笑しさの正体について考える

          “BUNRAKU 1st SESSION”観劇リポート:文楽とアニメーションのコラボレーションの功罪について

           2024年3月23日(土)から29日(金)にかけて、有楽町よみうりホールにて国立劇場令和6年文楽入門公演“BUNRAKU 1st SESSION”が上演された。この公演は「文楽×アニメーション 日本が誇る文楽を世界へ!PROJECT」の一環として、クラウドファンディングで集めた支援金によってアニメーションを用いた背景美術映像を制作することを目玉としたものである。私も支援者の一人として、2024年3月27日(水)に舞台を見てきたので、簡単ながら観劇記録をつけておくことにする。

          “BUNRAKU 1st SESSION”観劇リポート:文楽とアニメーションのコラボレーションの功罪について

          『ハズビン・ホテル』が世界中に響かせる希望と連帯の歌:天国と地獄という二項対立図式の脱臼の意義と限界について

          はじめに 2019年10月29日にYouTubeでパイロット版が公開されてから約4年の時を経て、総再生回数1億回超えのインディー・アニメーションが満を持してPrime Videoという商業媒体に降臨した。  2024年1月18日から2月1日にかけて、Amazonオリジナルシリーズ『ハズビン・ホテル』(Hazbin Hotel)のシーズン1(全8話)がPrime Videoで順次公開された。本作はヴィヴィアン・メドラーノ(Vivienne Medrano)というアメリカ人ア

          『ハズビン・ホテル』が世界中に響かせる希望と連帯の歌:天国と地獄という二項対立図式の脱臼の意義と限界について

          圓應寺(円応寺)による当ブログ記事の剽窃について

           平素より、当ブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。  今般、福岡県に所在する浄土宗の寺院・圓應寺(福岡市中央区大手門3-1-7)による当ブログ記事の剽窃が発覚しましたので、ご報告いたします。  圓應寺は「鬼の節分会」と題した記事(2024年2月1日最終更新)のなかで、「世のなかに、鬼の族(うから)は多けれど 、人にましてぞ、鬼なるはなき」という見出しを使用していますが(Web魚拓はこちら)、この一節は当ブログ記事に掲載したソポクレース『アンティゴネー』の訳文と完全

          圓應寺(円応寺)による当ブログ記事の剽窃について

          名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第10回:『ファンタスティック・プラネット』

          はじめに 去る2023年12月30日、TOKYO MXでルネ・ラルー(René Laloux)の監督作品『ファンタスティック・プラネット』(1973年;原題は « La Planète Sauvage »、日本語に訳すと「野生の惑星」)が放送された。本作はステファン・ウル(Stefan Wul)の小説 « Oms en série » を原作としたフランス・チェコスロヴァキア合作の切り絵アニメーション映画であり、第26回カンヌ国際映画祭(1973年)では特別賞(Prix S

          名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第10回:『ファンタスティック・プラネット』

          都合により、1/29(月)に予定していた更新を2/5(月)に延期します。今年最初の更新では、フランス・チェコスロバキア合作のアニメ映画『ファンタスティック・プラネット』(1973年)を取り上げます。今年は海外アニメの見聞も広げる一年にしていきたいと思います。よろしくお願いします。

          都合により、1/29(月)に予定していた更新を2/5(月)に延期します。今年最初の更新では、フランス・チェコスロバキア合作のアニメ映画『ファンタスティック・プラネット』(1973年)を取り上げます。今年は海外アニメの見聞も広げる一年にしていきたいと思います。よろしくお願いします。

          『映画 窓ぎわのトットちゃん』短評:「新しい戦前」に響く大野りりあなの声

          はじめに 2023年12月8日、テレビ朝日開局65周年記念作品として『映画 窓ぎわのトットちゃん』が封切られた。本作は女優・司会者・エッセイストの黒柳徹子が自身の小学校時代を回顧して著したエッセイ『窓ぎわのトットちゃん』(1981年)を原作としたアニメ映画である。黒柳の手になる原作は日本国内だけでシリーズ累計800万部を売り上げ、世界35か国で翻訳されている日本の戦後最大のベストセラー書籍であるが、黒柳はこの著作の映像化や舞台化のオファーを長らく断ってきたことで知られている

          『映画 窓ぎわのトットちゃん』短評:「新しい戦前」に響く大野りりあなの声

          『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』における虚構と擬制の交錯:資本の自己増殖のキャラクター化から「お仕事アニメ」の欺瞞を考える

          (2023年12月6日追記:エピグラフを追加しました。) ※本記事は『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』のネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。  人間にとって働くことが良いことか、それとも悪いことかという話題は、繰り返し再燃しては鎮火する、消えない火種である。この話題は、ときに世代間ギャップの指摘や老害/若者相互の指弾に派生し、ときに資本主義批判とそれに対する反共思想のバックラッシュとして顕現し、ひいては雇われ人の悲哀を強調しつつ、そこから脱出する

          『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』における虚構と擬制の交錯:資本の自己増殖のキャラクター化から「お仕事アニメ」の欺瞞を考える