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激闘! 同調圧力 VS. 個性
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現代社会のコミュニケーションにおいては、二つの大きな力がせめぎ合っています。
ひとつは「同調圧力」。これはいわゆる「空気を読む」「合わせる」「顔色をうかがう」というもので、とにかく周りの人にしたがっておくべし、というプレッシャーです。
ほかの人と違うことをすると「悪目立ち」と叱られ、自分の世界を持ちすぎると「マイペース」「社会性がない」などと言われていまいます。
とくに日本はこの傾向が強く、古いアメリカンジョークでも「難破した船から日本人乗客を海へ飛び込ませるには、『みなさん飛び込むようですよ』と言えばいい」などと言われています。
いっぽう、ここ20年ぐらいに台頭してきた力が「個性」。
「あなたはあなたのままでいい」「自分だけの何かを見つけなさい」「光る個性がないと生き残っていけない」などと、世間もメディアもはやし立てます。「ナンバー1よりオンリー1」ということばも流行りましたね。「個性を伸ばす教育」を掲げる私立校も増えているようです。
「同調圧力」と「個性」、この二つの力は当然ながら、相反する存在です。「みんなと合わせろ」と「みんなとは違うことをしろ」。多くの若者がこのふたつのプレッシャーの間で板挟みになり、もがき苦しんでいるように見えます。
これは大きな歴史の流れで見れば、古き良き日本(「和を以て貴しとなす」「郷に入っては郷に従え」)に、海外の個人主義が流入しつつある過渡期ならではの苦しみとも言えます。
一朝一夕には解決しない問題ですが、少なくとも多くの人が「目立ちたくないけど、目立ちたい」「打たれない程度に、出る杭になりたい」と思っている(=社会から思わされている)ことは間違いありません。
そのことを気に留めておくだけで、ずいぶんと日々の人づきあいがしやすくなるでしょう。