【シンプル】頸椎について-解剖学-
皆さんこんにちは。
関節大好き理学療法士のもりかんです。
今回は、頸椎についてです。
まずは、解剖学からシンプルに分かりやすく
伝えれるよう頑張ってみました!!
では、ご覧ください!!😁
※写真引用:プロメテウス 解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第2版
1.頸椎の構成要素(骨)
頸椎には、
第1頸椎~第7頸椎の計7つ存在しています。
第1頸椎・第2頸椎・第7頸椎はそれぞれ別称で
環椎・軸椎・隆椎と呼ばれています。
また、Cervical Spine(頸椎)の頭文字を取った
C1~C7と医療従事者の中では呼ばれる事が多いですね。
その頸椎ですが、
椎体・椎弓・棘突起・2つの横突起・2つの上関節突起・2つの下関節突起
が構成要素として挙げられます。
椎体という土台から、椎弓という橋みたいなものが架かっていて
先端と左右上下に突起が付いているイメージですね。
真ん中の椎孔と呼ばれる孔には、脊髄が通っています。
しかし、環椎(C1)と軸椎(C2)は他の椎骨とは異なった形態をしています。
環椎では、
丸いリングのような構造をしており
椎体は存在してないです。
後頭骨と接する上関節面は広い支持面を有していて少し窪んでいます。
前弓部というリングの前方内側には、歯突起窩が存在していまして、
C2(軸椎)の歯突起が接っしています。
しかし、接しているだけだと不安定なので
環椎横靭帯・翼状靭帯という靭帯が歯突起を固定しています。
軸椎では、
椎弓・棘突起・2つの横突起・2つの下関節突起は、
他の椎骨と同様に存在していますが、土台となる椎体ではなく、
ぼこっと山みたいに飛び出ている歯突起が存在します。
この環椎と軸椎の異なった形態により、他の頸椎のように上下の関節で固定される事がないので、歯突起を軸とした回転(回旋)の動きが大きく出せます。
なので、可動性は大きいですが、その分不安定になりやすいので靭帯や後頭骨からの膜によって固定されていて、大きすぎる動きを制限しています。
その他の頸椎では、
大まかな構造は上記の構成要素と同じですが、
上下関節突起のみで連結しているわけではなく、椎体の外側(横突起の始まるあたり)に鈎状突起と呼ばれる突起があり、上部椎体と密接に合わさる事で固定性を出しています。
C3(第3頸椎)からは、脊髄神経溝と呼ばれる溝が存在し、椎孔にある脊髄から神経が分かれこの脊髄神経溝を通って体に伸びていきます。
C7(第7頸椎)は、隆椎とも呼ばれると記載しましたが、棘突起が容易に触れる部分であり、ここを目印にして頸椎の動きや位置を把握していきます。
2.頸椎の構成要素(靭帯)
色々複雑ではありますが、シンプルにいきます。
上位頸椎では結構複雑です。
外側環椎後頭靭帯や環椎横靭帯・翼状靭帯と靭帯があるのですが、
外側環椎後頭靭帯は環椎から後頭部へ付着している縦の靭帯
翼状靭帯や環椎横靭帯は歯突起を固定する横の靭帯
これだけ覚えておきましょう!
他の頸椎の靭帯は、椎体靭帯と椎弓靭帯に分けられます。
めっちゃシンプル!!
椎体靭帯
前縦靭帯
後縦靭帯
前縦靭帯は椎体の前、後縦靭帯は椎体の後ろに付きます。
名前の通りですね。2つとも頭蓋底から仙骨まで伸びています。
めちゃ長いですね。
椎体靭帯のおかげで個々の脊椎は一つの脊柱として機能できます。
脊柱は少し彎曲(曲がっている)しているのですが、この靭帯の固定性によって彎曲が保たれているとも言われていますよ。
椎弓靭帯
黄色靭帯
棘間靭帯
棘上靭帯(項靭帯)
横突間靭帯
黄色靭帯は、各椎弓の上下を連結するために結合しています。
でも、靭帯がそんなにくっついていたら脊柱で動かないんじゃね?
そう思うと思います。
その通りです。ですが、黄色靭帯は名前の通り黄色なんですが、
この黄色は、弾性繊維が多いため黄色を呈しています。
つまり、弾性繊維が多いのでゴムのように伸びやすいのです。
ゴムのように他の靭帯と比較して伸びてくれるので、体を曲げたりするときにそれ以上いかないように伸びながら止めてくれています。
人間の体はうまい具合に出来ていますね。
ホント不思議です。
棘上靭帯は、棘突起の先端を走り後頭骨の外後頭隆起に付着しています。
そのまま、後頭骨の外後頭隆起と呼ばれる場所に付着します。(項靭帯は棘上靭帯が広がったものだと言われていますよ。)
3.頸椎の構成要素(椎間円板)
でました!!椎間円板(椎間板)。
椎間板ヘルニアでも御馴染みですね。
ではどんな構造をしているのかシンプルにどうぞ!!
椎間円板は、中心にある髄核と周囲の線維輪と呼ばれるもので構成されます。
髄核は、80%近くが水分でできており、ゼラチン状です。ドロドロです。
線維輪は、コラーゲン線維で構成されていて、強い張力を持っています。
この線維輪は椎体にも交差性線維束として付着しており、椎体と密接にくっついています。
椎体中心部には、硝子軟骨性関節面がありその上に椎間円板が付着している形になります。
椎間円板は立っている時や座っている時の重力や動作での圧力をクッションとして受けてくれています。
その際に、椎間円板内の水分が抜けていき、椎間円板はしぼみます。
圧力がかからない寝ている時に椎間円板へ再び水分が流入していき、厚さが戻った椎間円板が復活します。
このせいで、伸長が一日で2.0cmほど変化します。
170cmの瀬戸際でうろうろしている僕にとっては大問題となっています。
4.頸椎の構成要素(血管・神経)
頸椎内を通過する血管と神経をシンプルに理解していきましょう。
動脈
椎骨内を走行する動脈は、椎骨動脈と呼ばれています。
一応名前はついていますが、基本的に動脈や静脈は心臓から出て全てつながっているので椎骨のどこをを通るんだくらい覚えておけば大丈夫でしょう。
この動脈は、横突起内の横突孔と呼ばれる孔をC6~C1まで走行し、頭部への侵入していきます。
C7の横突孔は通過しません!!
重要なのでもう一度いいます。C7の横突孔は通過していません!!
静脈
椎骨静脈は、頭部から胸部の前方にある腕頭静脈へと入っていきます。
これも、C7の横突孔は通過しないでC6の横突孔を通過した後に腕頭静脈へ流れていきます。
横突孔を通る血管は椎骨動脈・静脈の2つです!!
神経
神経は脊髄神経が横突起上方を通過していきます。
C3からは、脊髄神経溝を通って通過していきます。
注意点としては、神経はC1脊髄神経~C8脊髄神経まで存在しているので頸椎の数より多い事に注意です!!
C1脊髄神経は第1頸椎の横突起上方を通ります。
C8脊髄神経は第1胸椎の横突起上方を通ります。
椎骨とごちゃごちゃになるので注意しましょう!!
血管と神経は横突孔と横突起の上方(脊髄神経溝)を通過していきます。頸椎の可動は椎間関節によって生じるので頸椎の形態異常やマルアライメント(頸椎の位置がバラバラ)が生じると血管や神経への刺激にもなりそうですね。
4.まとめ
①頸椎は7つ存在します。
②第1頸椎(環椎)・第2頸椎(軸椎)・第7頸椎(隆椎)には別称がある。
③構成要素は、椎体・椎弓・棘突起・2つの横突起・4つの関節突起がある。
④環椎と軸椎は他の椎骨とは形態が異なる。
⑤上位頸椎の靭帯は、縦の靭帯(外側環椎後頭靭帯)・横の靭帯(翼状靭帯・環椎横靭帯)の2種類
⑥他の頸椎靭帯は、椎体靭帯と椎弓靭帯の2種類のみ。(環椎横靭帯もあるよ)
⑦黄色靭帯は弾性繊維が豊富で伸び縮みする。(ゴムゴムです)
⑧椎間円板は髄核と線維輪から成る。
⑨構成要素は水分が多く、圧力で水分が抜ける。
⑩横突起を椎骨動脈・椎骨静脈が走行する。
⑪血管は第7頸椎横突孔は走行しない。
⑫脊髄神経は脊髄神経溝・横突起の上方を走行する。
⑬頸椎の脊髄神経はC1~C8まで存在する。
簡単ではありますが、頸椎について知っていただけましたか?
解剖書等を読むと難しい名前や部位名がたくさんありますが、
重要なのはどんな形をしていてどういう風に動くのか、
またその動きはどこの組織や箇所に刺激が入りやすいか。
ここだと思います。
今回は、シンプルな解剖をお伝えしました。
次回は頸椎の動きについてシンプル解説していきます!!
ではでは~。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?