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長谷川等伯の松林図屏風 #39
『特集 博物館に初もうで 謹賀辰年(きんがしんねん)―年の初めの龍づくし―』
東京国立博物館
2024年1月6日(土)
東京国立博物館の年末年始の常設展の特集。なかなかの賑わいである。
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今日の一枚は、長谷川等伯 松林図屏風。年末年始の特集で展示される。
靄がかかっており、とても静かで、とても湿っている。
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安土桃山時代は狩野永徳や俵屋宗達らの豪華絢爛な印象が強いが、その真逆である。そんな時代に、この屏風を描くとは、何ということであろうか。
多くの来場者がこの屏風の前で佇み、じっと見つめている。そうしたくなる屏風である。
日本画には、描かないことで、描かれないものを描いている、そんな作品が多くあると思うが、その最高峰を見ている気になってくる。
山田五郎のオトナの教養講座(YouTube)に、「東洋の竜が飛ぶと聞き、飛ぶからには翼があるはずと、ドラゴンに翼を書き足した西洋」という話があったが、こういった合理主義とも真逆の話である。
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清朝4代皇帝康熙帝の書。勢いがあり力強い。書は全然分からないのだが、皇帝らしい堂々とした書である。
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様々な龍が展示されていたが、この龍の顔は、最も王道な龍ではないか。爪は見栄をはっていて強い存在感を放っている。
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昨年、台北の故宮博物院に行ったのをきっかけに、宋時代は中国文化の一つのピークであると知った。その宋の時代の龍。顔が日本の龍とだいぶ違う。
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2024年1月、本館4室 茶の美術 がリニューアル。その初期展示は、特別展「本阿弥光悦の大宇宙」にちなんでいるとのこと。楽茶碗は独特の美しさがあってよい。この茶碗は背が高く、梯子の文があって、斬新である。
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なんと鶏の活動的なことよ。やはり、二本足ですくっと立つ鶏が最も若冲らしいと思ってしまう。点描の灯籠は、鶏の描写と全然異なり、かなりの異物感があるが、これも若冲ならでは、であろう。
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司馬遼太郎の小説「故郷忘じ難く候」の沈寿官である。十二代ということは、あの小説に出てくる沈寿官のお父さんであろうか。沈寿官には精密な透かし彫りのイメージがあったが、透かし彫りではないながら、精密さは驚くべきものがある。
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印象派のドガが欲しがったという渡辺省亭。渡辺省亭の美術展には行けなかったのだが、しれっと展示されているのがトーハクの凄いところなのではなかろうか。
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「博物館に初もうで」には初めて行ったが、一度は行ってもよいと思う。