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春のめざめ

「思うんだけど、ママたちって、口にはしないけど、あたしたちをしかって楽しんでるんじゃないかな。ーーあたし、子供ができたら、庭の雑草みたいにのびのび育てるな。構わなくたって、すくすく育つもんねーー支柱によりかかって、毎夏、おそまつな花を咲かせる花壇のバラとは大違いでしょ。」
(酒寄進一訳、F.ヴェデキント著『春のめざめ』28頁)

この本はすごい!
読み始めた頃は登場人物の名前を把握できなくて厳しかったけど、構わず読み進めれば誰がどんな子かなんとなく分かってきた。
今第一幕を終えて二幕の初めの方を読んでいます。


私は田舎育ちだから最近の都会の子達とは違うと思うけど、中学生って感じなの。
死にたいって言ってみたり、ビビりながら手首にカッターの刃を滑らせるのを見ていたり、何歳で結婚して何人の子供を産むのかその性別は何かとか語り合ったり、人気なクラスメイトの裸体を想像して話し合ったり、可愛いクラスメイトの黒い噂で吐きそうになったり、体育のある日は勝手に早退したり、わざとドジしてからかわれたり、保健の授業を興味ないフリしながら受けて「どうしたら子供ができるのか」なんて休み時間のおしゃべりのネタにしたり。
色んな友達がいたなあ、毎日のように会ってた。スマホが無くて、メールとかツイッターとか電話しかしてなくて、でも親は私を優等生にしたくて友達からの悪い影響を過剰に心配しててそういうのをあまり良く思ってなかったから、母が買い物に行って留守番してる間とかにコソコソやってた。今なんかと比べられないくらい不自由だったけど、今の友達よりも親密だった気がする。
ていうか、心から強かった。母親とか担任とか色々怖かったけど、でも、何も怖くなくて、何も知らなくて、私たちが世界一輝いてると思ってたんだと思う。

振り返ると恥ずかしいことだらけ。
ところで、羞恥心って初めから私たちにあるものなのかな、誰かから教え込まれるものなのかな。



純粋で若くて多感な頃があったことを思い出した。そして、外見こそ大人になったけれど、私はあの頃と何も変わってないんだって分かった。だってすごく共感するし、面白いんだもん。

成人した今でも、表面上はあの頃よりうまくやれてても独りの家に帰ると自分の行動の軽率さだったり、恋愛についての無知さだったり、人間関係の下手くそさに不甲斐なさを感じる。
恥ずかしいことに、その悩みはあの頃よりもライトなものになってるものの内容は大差ない。
あの頃よりも人間関係が閉鎖されていなくて取捨選択も自由だから嫌われたって構わないって思えるけど、今でも人と関わることで苦しみを感じることがある。
何か、この本は思春期の自分達を見ているようで恥ずかしい。でも面白い。文章も美しくて想像しやすい。内容は誰もが通る道だからか、もちろん理解できる。

早く読み終えたい。

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