大失敗と絶望のあとで…【投資×mental care】
私は普段、投資(自動売買)、について書いていますが、
他の有料記事の購入者の方から、リクエストをいただいたことをきっかけに、本当に大事なこととして、この「メンタルケア」のテーマに触れることとしました。
私には、2人の子どもがおり、
その子どもたちに自らの"マネーマシン"を残すことを目標としています。
が、ときどきふと思います。
自分が子供の頃と比べて、社会は発展はしたものの、
それと同時に、私たちの頭の中も、どんどん忙しくなったと。
文明が進んで、あれもこれも「できるようになった」のか、「しなきゃいけなくなった」のか…。
また、孤独を感じる機会もそこかしこにあります。
私が主に記事にしている投資なんて、まさに個人戦ですし、孤独との戦いでもあります。
それだけではありません。
メールやSNSが広がって、むしろ生活を共にするような身近な人との距離は広がり、日常のちょっとした悩みも、誰かに相談しづらくなってはいないでしょうか。
そうした悩みは、相談できずにいることで、どんどん、自分の内側へ内側へと向かい、自分の心を浸食していくようでもあります。
とりわけ、慢性の悩みではなく、急性のショック、例えば大きなトラブルなど好ましくない出来事に遭遇したときや、何かで大失敗をしてしまったとき、私たちは強く動揺を受けてしまいます。
投資を日常的に行っている人は特にですが、そうでなくても、こうしたショックは、完全には避けがたいものです。いくら対策をしたとしても…です。
・・・
こうした強い動揺を受けるようなショックのとき、私たちはどうすればいいのでしょうか。
私自身も実際に、投資で大失敗をしたことや、職場でダウンしたことがあります。
そのときに手を差し伸べてくれた、専門家の先生やプロの方々からいただいたサポートやそこで得たまなびを集約して、
ここにまとめておきたいと思います。
投資に興味のある方が多いと思いますが、本稿はそれに限らず、多くの読者の皆様に役立つことができればと思い、自分の経験も含め投稿しています。
なお、読者の健康に配慮し、不必要に生々しい描写は避けるようにしています。
Chap.1 大失敗のあとの最初のステップ
大失敗のあとの最初のステップとして
まず目標にするのは、少しでも苦しい状態を和らげることです。
ショックが起き、動揺している状態ときは、まさに災害の最中ですので、出来ることは限られていますし、後回しにすべきこともあります。
人によっては、食欲がない、眠れない、イライラするなどといった様々な反応が現れます。
"体に出てきた"というやつですね。
🔸体が悲鳴を上げているときのポイント
ここで抑えておきたいポイントは、
そういった症状は、"不快であっても「あってはいけないもの」ではない"ということです。
私たち人間は、
何らかのストレスで体が危険にさらされると、無意識に反応して、
自分自身を安全な状態に、引きこもらせようとします。
それは、ウイルスが体に入ったときに、発熱して対抗しようとすることと同じようなもので、防衛機能のひとつです。
私たちの体は、まだまだ原始人のようなつくりで、このように反応するつくりが備わっています。
例えば、現代の都市での生活では、
突然、野生のライオンが襲ってくるようなことは無いにも関わらず、
まだまだ、体の中は、ライオンの襲来に備えた機能が備わっているということです。
したがって、何かショックに接すると人はどうなるか・・・。
茂みからライオンに睨まれているときとまったく同じように、警戒するようになります。
こんな事態のとき、
何か食べてる場合ではない、
寝ている場合ではない、
すぐに逃げられるように、あるいは闘争できるように、常に、怒りと興奮を持続させ、覚醒状態を・・・と、"あえて緊張をキープさせている"わけです。
つまり、ライオンに立ち向かうための、戦闘モードがONになっている状態です。
戦闘モードを意図的にONにして、普段と違う対応ができるように動物として警戒しているので、先述のような反応が体にでることは、「まったく正常」なことなのです。
ここがポイントです。
「正常」なのです。
自分の体の何かが壊れたわけでも、無力になったわけでもなく、正しく、まっとうな反応なのです。
同時にそれは、不快です。消耗します。
何が起きてもとにかく生命を維持するように、エネルギーを集中させているのですから、当然、疲労します。
だから、、、
だからこそ、時間を確保して、休養することが大事なのです。
いったん、流れをとめて、ふっと一息、引きこもり、
どうやらライオンの脅威からは逃れられた、という
事実を体が十分に理解し、戦闘モードをOFFにするまで、
つまり体がわかってくれるまで休むことが必要なのです。
何らか、大きなショックが起きたときの第一ステップはこういうことが大事です。
十分に休養を取り、体の反応が軽くなり、
疲労が回復していくプロセスを進めるために、
ときに心療内科やカウンセリングなどの専門家の助けや、
仲間や近しい人への相談を要することがあります。
ただいずれにしても、
戦闘モードがONのままだと興奮してしまい、
そういう手段が見えなかったり、
仮に適切な手段を選んでも気持ちが沿わないことがあります。
まずは、戦闘モードをOFFにして、体を休ませましょう。
私自身は、
投資で大失敗をし、大きな損失を出してしまったことがあります。
そのときは、茫然自失となり、食欲もなくなり、眠れず、仕事も手につかず、という状況に陥りました。
無力感も罪悪感もありました。
しかし、上記のことが脳裏をよぎり、
そのときの自分の反応を「認めてあげること」ができました。
「ああ、今、私は大きな喪失感に襲われ、体が、戦闘モードに入っているなぁ。」
「別にいいんだ、これは。眠れやしないさ、食べれやしないさ、そういうものさ」と。
そして
「突然、肉親や親友を亡くしたりしたようなものだな。」
と理解するに至り、
しばらくは、喪に服し、証券会社のサイトからは遠ざかることとしました。
私は、これを"投資喪中"と呼んでいます。
🔸投資喪中の過ごし方
この投資喪中のあいだは、ぼーっとしたり、反対に、いろいろなことを考えたりと、両極端に頭が動きはしますが、
その過程やアイディアを、日記に書く程度で、実際の行動には移さないようにしました。
なぜなら、自分の戦闘モードがまだ、熱を帯びていることが分かっていたからです。
少なくとも、"四十九日"が過ぎるまでは、すべて凍結です。
するとどうでしょう。
ちょうど、四十九日を過ぎたあたりから、
ゆっくりゆっくり気持ちが戻ってきました。
それは"元気"とは言えませんが、
"平気"といったような状態に近い、
少し肯定的な感情が自分の中に芽生えてきました。
そして、わずかになってしまった資金を元に、戦略を再策定し、マーケットに戻ってくることになったわけです。
皆さんは、ショックが起きた後の対処として、
「何かしよう、気分を上げよう」として積極的に対処策を打とうとしていないでしょうか。
これでは、自分をより興奮させてしまいます。
対処策を打つ中で、以前より恐怖感や焦りが出てきたり、何かを取り返そうとしたり、攻撃的、好戦的になったり、と、激しくなってしまいがちです。
…多くの場合、それらは悪手です。
そうではなく「何もしない」ことが、根源的な回復につながります。
それこそが、このあとに続く、回復から再び立ち上がるためのプロセスの重要な部分につながります。
Chap.2 繰り返し押し寄せる不安の多重波とコントロール
大失敗など、大きなショックが起きたあと、
不安の波は、津波のように、一度だけではなく、繰り返し襲ってきます。
そして、後の波が第一波を上回ることがあるということについて、触れたいと思います。
🔸第一波と、第二波のちがい
まず、大きなショックや大失敗を経験してしまうと、
心は激しく動揺し、自分を責めたり、自信を喪失したりすることがあります。
これが第一波です。
基本的には、混乱の中で「どうしてこのようなことになってしまったのだろう、どうして防げなかったのだろうと」いった"問い"を反芻している状態です。
これと異なるものを、仮に第二波と呼ぶなら、第二波はどういう状態なのでしょうか。それは、「もうこの先無理かもしれない」という不安です。
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