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私はこうしてポートフォリオを組んだ

はじめに

ポートフォリオとは、簡単に言うと持っている資産のリストである。株式投資においては、投資している(買っている)株のリストと思っていい。今回は、ポートフォリオを組む際に作業としてやることの説明である。

基本的な考え方

ポートフォリオを組む際には一つの銘柄に大きく偏りすぎないなど、いろいろ言われていることはあるが、はっきり言ってどのようなポートフォリオを組むかは目的による。20代のサラリーマンが60歳以降に使う老後資金として毎月積み立て投資をしている時の理想的なポートフォリオと、手っ取り早く資産を倍加させたい時のポートフォリオとは、組み方が異なってしかるべきである。したがって、ある人(ある目的)に最適なポートフォリオは、別の人(別の目的)にとっては最悪のポートフォリオになりかねない。

それでもなお

それでもなお、ポートフォリオに複数の銘柄を含む場合は、その最適バランスというのは必ず存在する。それを考える際に注目するのは、リターンの期待値とバラツキである。もう少し難しい言い方をすると、CAGR(Compound Annual Growth Rate、年平均成長率)とSD(Standard Deviation、標準偏差)である。CAGRが高ければ高いほど期待リターンは高く、SDが大きければ大きいほど期待するCAGRから外れる可能性が大きい、と思っていてよい。なので理想的なポートフォリオとは、よりCAGRが高く、よりSDが小さいものとなるはずである。

CAGRとSDをどうやって知るか

CAGRとSDは、過去の株価の推移を基に、過去のCAGRと過去のSDを算出できる。未来の株価は分からないので、過去の株価推移から出すしかない(ここに限界を感じるが仕方がない)。個別株のCAGRとSDが分かれば、個別株を複数組み合わせたポートフォリオのCAGRとSDも算出できる。
この計算、いちいち自分で計算しなくても米国株なら便利なサイトがある(Portfolio Visualizer)。このサイトのツールを使えば、ポートフォリオのバックテスト(過去の特定の期間のパフォーマンスを検証すること)や、Efficient Frontier(効率的フロンティア)を算出してくれる。英語のサイトだが、そんな難しい英語ではないので単語調べながらでも使えるだろう。
Efficient Frontierを算出してみると分かるが、ある特定のリスク(SD)を許容してポートフォリオを組む際に、CAGRが最大となる組み方は一通りである。それ以外のポートフォリオは、同じSDでより低いCAGRしか期待できない。

注意点

気を付けなければいけないのは、Efficient Frontierもポートフォリオバックテストも、基本的には過去の価格推移を基に算出していることであり、未来のCAGRや未来のSDを保証してくれるわけではない。だからといってこのような予備計算が無意味ということではない。ポートフォリオをデザインする際には十分に役に立つ。

まとめ

株式投資でポートフォリオの組み方を悩んでいる人は、まず投資のゴールを明らかにしよう。次に、そのゴール達成にはどれだけのリターンが必要で、どれくらいのリスク(SD、バラツキ、期待からのハズレ)を許容できるか設定しよう。そして上で紹介したツール(Portfolio Visualizer)を使って、自分の投資ゴールに最適なポートフォリオの組み方を考えよう。これをやるだけで、投資にまつわる不確実性をだいぶ制御できると思われる。

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