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相場格言・・・って書いたものの ◇其の弐拾壱「山高ければ谷深し」

相場格言「山高ければ谷深し」

【やまたかければたにふかし】


<意味>

株価が大きく値上がりすればするほど、その後の値下がり幅も大きくなること。


<思うこと>

図1はソフトバンクグループ(銘柄コード:9984)【以下:SBG】の株価の推移と年度末の一株当たりの純資産(BPS)を棒グラフで示した図です。
 
期間は1997年3月期から2024年3月期までになります。

図1 ソフトバンクグループの株価と一株当たりの純資産 (株式分割を考慮した株価)

1994年に当時はソフトバンクという社名で店頭公開して、1998年に東証一部上場しました。当時はネットバブルの時期でしたので、瞬く間に株価が上昇しました。
 
2000年のネットバブル崩壊によって、ソフトバンクはエベレスト山級の「山高ければ谷深し」を経験します。

創業者の孫正義社長が「ソフトバンクの株価は、約100分の1に下がりました。想像できますか。バブル崩壊で、ソフトバンクの時価総額は20兆円から2800億円へ真っ逆さまに降下したのです。」と言っているように、恐ろしい株価の下落です。


ただ、冷静に考えればバブルであることは分かります。なぜなら、図1を見てわかるように、ネットバブル崩壊時の株価とBPSが信じられないほど大きく乖離しているからです。
 
株価が急上昇したときに、バブルか実力かを判断するにはBPSが参考になります。BPSはインターネットで上場会社の株価を調べれば、必ず表示される参考指標です。BPSが着実に上がっていけば、株価の底も上がっていきます。
 
図1からSBGのBPSは着実に上がっているので、2024年時点でネットバブルの最高値近くになりますが、株価が大暴落したとしても、ネットバブル崩壊時のような株価になることはありません。
 
ただし、BPSは株価ほど大きく変化するものではないので、会社の実力で株価を上げるには相当、時間がかかります。


ちなみに、時価総額が数十億円程度の上場会社は一部の投資家が大量の株を売買するだけで、株価が大きく乱高下するので、短期的な「山高ければ谷深し」が起こりやすいです。


株価は人間の心理が大きく含まれていると自分は思っています。なぜなら、バブルのように会社の実力を遥かに超える株価になるからです。
 
このような人間の心理は普段の生活でも実感することができます。
例えば、話題のある人気作品があるとします。
「山高ければ谷深し」であれば「ブーム」、そうでなければ「名作」だと思います。
 
「ブーム」は人気がすごい早さで広まりますが、数年で収束します。
「名作」は人気が緩やかに広まり、収束しても、一定の人気を保ち続けます。
 
「ブーム」は人気が出ているのが実感しやすいのですが、「名作」はどこで人気が出たのか実感しにくいので、後になってから名作だと気付きます。


<相場格言と全然関係ない経験談>

自分が後になって名作だと実感したのが鳥山明の漫画です。漫画を読み始めた小学生低学年のころに「Dr.スランプ」が連載中でした。週刊少年ジャンプを毎週買っていた小学生高学年のころに「ドラゴンボール」の連載が開始されました。
 
その後、ファミコンで「ドラゴンクエスト」が発売されたことを考えると、鳥山明の作品で育ったようなものです。
 
「ドラゴンボール」の連載時は今週の週刊少年ジャンプを読み終えると、すぐに続きが読みたいと思ったくらい熱中しました。家の近くでは月曜日が週刊少年ジャンプの発売日だったので、月曜日の毎朝6時にコンビニに行って、買っていました。
 
ただ、「ドラゴンボール」が人気のある漫画だとわかっていたのですが、人気の度合いまではわかっていませんでした。
 
その当時、流行っていた「おぼっちゃまくん」と同じぐらいだと思っていたくらいです。どのくらいの人が「おぼっちゃまくん」を知っているいるか知りませんが……。
 
たぶん、熱中するほど読むと、自己満足してしまい、周囲の友達もみんな読んでいるので、あまり話題にしなかったからだと思います。
 
ブームだと逆に話題にしてしまう傾向があるような気がします。
 
原作のみの「ドラゴンボール超」はそれほど熱中して読むことはなかったので、「ドラゴンボール」のファンというより、鳥山明が描いた漫画のファンだと大人になってから気づきました。
 
2024年3月1日に鳥山明が亡くなったことを知り、自分をいっぱい楽しませてくれた漫画家がもういないと思うと寂しくなります。


鳥山明の作品の魅力を語ると止まらなくなるので、ここでは書きませんが、何も書かないのもつまらないので、自分が好きな鳥山明キャラクター6人衆を紹介します。


<鳥山明キャラクター6人衆>

【その1】暗悪健太 「ギャル刑事トマト」より

指名手配中の銀行強盗。
ギャル刑事のトマトに発見され、子供を人質にとるが、なぜかトマトは野良猫を人質(?)にとる。
そこから、人質の数で争うことになり、熱中しすぎて、気づかずに逮捕される。


【その2】ブビビンマン 「Dr.スランプ」より

ハエに似た姿の宇宙人、ハエブンブ星人。
地球人の出した排泄物を好んで食べる。


【その3】スッパマン(暗悪健太) 「Dr.スランプ」より

自称「正義の味方」。
決め台詞は「ウメボシたべてスッパマン!」。
オカカウメ星から地球の平和を守るためにペンギン村にやってくる。やる行動はアホそのもので、悪質、陰湿、陰険で根に持つタイプ。
村人からは「アホのスッパマン」といわれている。


【その4】パーザン 「Dr.スランプ」より

自称「ジャングルの王者」。
ペンギン村のジャングルに住んでいる。スッパマンと非常に仲が悪く、
スッパマンに間違われるのがイヤで冬でも我慢して服を着ない。


【その5】栗山和男 「貯金戦士CASHMAN」より

自称「世界一の悪人」。
10億円強盗中に貯金戦士キャッシュマンが発見し、戦闘になるが、目立った登場をした割にはあっけなく敗れる。


【その6】オニオ 「ネコマジンZ」より

自称「宇宙最強の戦士」。
新婚旅行で地球人を滅ぼして別荘を建てるために地球にやって来たサイヤ人。スーパーサイヤ人にもなれる。
地球でネコマジンZに敗れ、それが原因で離婚する。


・・・6人衆と言いながら、みんな同じ顔です。
鳥山明独特なギャグが好きで、これらのキャラクターが登場するとギャグ要素の強い作品になるのでワクワクします。
 
鳥山明のメインキャラクターからだいぶ外れてしまいましたが。。。


-おわり-













「おまけ」です。
鳥山明が原作、桂正和が作画を主に担当した共作「カツラアキラ」を紹介します。
「さちえちゃんグー」と「ジヤ」の短編作品が収録されています。

桂正和の代表作は「ウイングマン」、「電影少女」などがあります。「美少女キャラがカワイイ!!」という印象があります。
 
「カツラアキラ」の作品は桂正和が作画だけあって、桂正和の漫画の方に近いかなと思います。


「Dr.スランプ」の「とめすぎちゃって困るの・・・の巻」で桂正和が出てきます。当時の担当編集であった鳥嶋氏や鳥山明のアシスタントはよく出てきましたが同業者が出てくるのはめずらしく、鳥山明は桂正和と仲が良いのかなと思っていました。
 
この本は鳥山明と桂正和の共作本だけでなく、仲の良さがわかる本でもあると思います。

例えば、鳥山明のコメント
「気だけは若い、オヤジ二人の友達コンビ。仲良く漫画ができるかと思えばどっちも譲らない。でも、それがまたいいのだ。」

また、巻末に10ページ程度で鳥山明と桂正和の対談が掲載されています。読むだけで、二人の仲の良さを感じとれます。
 
 
-本当のおわり-





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