Cメロは、名曲を神曲へ引き上げる
そういえば、今年はまだ特集ものをやっていなかったのですが、ふとCメロ特集っていうのをやってみようと思い立ちました。
きっかけは、最近、作曲家ツイタチさんの記事『【ツイタチ選】26歳の僕が選ぶCメロが印象的な曲・5選』を読んだから。
ここで、ASKAさんの「風の引力」とCHAGE and ASKAの「めぐり逢い」が選出されていたんです。
「風の引力」は、Cメロに転調・1番グッとくる歌詞・最高音を持ってきているセンスを絶賛されていました。
そして「めぐり逢い」は、「”比喩しかない“ 歌詞と ”Cメロ→転調サビ→転調から戻るサビ” 」の流れが素晴らしい、と。
Cメロって何?
と思われる方もいるかもしれませんが、Cメロは、CHAGEメロディーではありません。
一般的には、2番のサビと大サビの間に挟むメロディーのことです。大抵は、その部分だけの特殊なメロディーになっています。
効果としては、転調のためとか、大サビを際立たせるためとか、歌の中で最も言いたいことを表現するためとかがあります。
現在のJ-POPでは多用されているのですが、その形式をとった最初のヒット曲が1973年に発売となった南沙織さんの「ひとかけらの純情」と言われています。
「ひとかけらの純情」南沙織
1:34頃からのメロディーですね。まさに、現在のCメロ。
作曲家は、日本歴代1位の売り上げを誇る筒美京平さんです。
でも、このCメロの使い方は、まだ流行しなかったそうで、流行し始めるのは、1980年代半ばからだそうです。
CHAGE and ASKAは、特にASKAさんがCメロを効果的に使う楽曲を多く制作しているのでチャゲアスファンには馴染みがあります。
私の印象に残っている最も古いCメロと言えば、1987年に発売となった光GENJIの「STAR LIGHT」です。
「STAR LIGHT」光GENJI
3:01あたりからがCメロです。
それまでは元気な躍動感ある子供らしさが前面に出ていたのですが、このCメロでは子供ながらに恋の苦しみを描いています。
しかし、すぐに前向きな気持ちを取り戻して、弾けるような大サビへと入っていきます。
Cメロを切なく歌い上げる少年赤坂君の澄んだ声が多くの人々の心に響きました。
私は、この曲の空前の大ヒットこそ、J-POPでCメロが多用されるようになったきっかけだと思っています。
この曲は、チャゲ&飛鳥が作曲になっているのですが、Cメロの制作はASKAさんだと言われています。
この楽曲のあと、ASKAさんは、今に至るまで、Cメロを使った楽曲を大量に制作してくことになります。
ということで、私も今日は「Cメロが印象的なASKA曲5選」を発表したいと思います。
まずは、やはり「風の引力」
「風の引力」(ASKA CONCERT TOUR ID)
Cメロは、3:18から。
私の中で、ベストCメロは、この曲。
乾いたシャツと夏の濃い影、それを眺めながらくつろぐ君と僕を、まるでその情景が必然であるかのように、重ね合わせる描写が文学的です。
ツイタチさんの記事で、このCメロの部分が最も高い音を使っていると知って、強く印象に残る理由が納得できました。
「歌になりたい」ASKA
Cメロは、4:26から。
この曲のCメロは、ASKAさんが最も言いたいことを表現する場として使っています。
何と言っても、タイトルの「歌になりたい」をここだけ使っているわけですから。
メロディーも壮大かつ心地良くて、気持ちがスムーズに伝わってきます。
「PRIDE」CHAGE and ASKA
Cメロは、3:50から。
主人公は、レース越しに差し込んで来る淡い太陽光に、聖母マリアの穏やかな愛を感じる画面を描きます。
この曲は、すべてが完璧で、不動の人気1位。Cメロも情景が鮮明に見えるほどの表現となっています。
「草原にソファを置いて」(ASKA CONCERT TOUR ID)
Cメロは、2:57から。
アルバムの中の1曲なので、もはや個人の好みと言われそうですが、このCメロが好きなので外せません。
子供の頃も孤独だったけど、大人になったらそれ以上に孤独だった、という主人公の無常を感じさせるほどの嘆きが沁み渡ります。
「WALK」CHAGE and ASKA
Cメロは、4:21から。
どうしても名曲をさらに際立たせるCメロは印象に残ります。
励まされ、励ましながら愛を育んで、歩み続ける2人の恋愛関係がこのCメロだけで存分に味わえます。
そして、Cメロから大サビにつなげる部分の歌唱は、ASKAにしかできないほどの超絶表現力です。
以上、私が選ぶ「Cメロが印象的なASKA曲5選」でした。
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