CHAGE and ASKA編曲家2大巨頭の1人、十川ともじさん特集
先月、十川ともじさんが還暦を迎えていたことを知りました。
チャゲアスファンには「十川知司」という表記の方がなじみ深いですね。
以前、当ブログでは、澤近泰輔さんの還暦特集をさせていただきました。
『CHAGE&ASKAが見い出した天才編曲家澤近泰輔さん還暦特集』
実は、この記事、今でも多数のアクセスがあります。
澤近さんを特集したからには、十川さんの還暦特集もすべきだろう、ということで、今回は、十川ともじさん特集です。
十川ともじ(知司)さんと言えば、澤近泰輔さんと並ぶCHAGE and ASKAの編曲家2大巨頭。
こう書くと瀬尾一三さんを忘れてる、と怒られるかもしれませんが瀬尾さんは、チャゲ&飛鳥の編曲家1大巨頭ですね。
チャゲ&飛鳥は、既に超一流編曲家だった瀬尾さんの編曲により、演歌フォークという独自路線で世に出て、ヒット曲も出しました。
しかし、そのイメージが世間についてしまったがために、脱皮しようとして、1980年代中盤から苦闘します。
そんな中、現れてチャゲ&飛鳥からCHAGE and ASKAへの脱皮を演出してくれたのが十川知司さんと澤近泰輔さんでした。
十川さんは、1987年から1999年までCHAGE and ASKAのバックバンド『BLACK EYES』のキーボーディストとして活動されています。
この期間こそ、CHAGE and ASKAが世界中で売れまくった時期。『BLACK EYES』は、音楽史上最高のバンドだった説を、私は唱えたいですね。
ファンの間で編曲家2大巨頭と言われる十川さんと澤近さんが同じバンドに存在していた、というのも奇跡ですね。
十川さんがキーボード担当、澤近さんがピアノ担当となっています。
バンドって、キーボード担当がピアノも弾くっていうイメージが強いのですが、当時のチャゲアスバンドは、こういう担当分けがあったんですね。
十川さんが編曲家として表舞台に現れたのが1988年のCHAGE and ASKAのシングル「ラプソディ」から。
その後、十川さんは、編曲家として多数の名曲を生み出します。
1989年のシングル「LOVE SONG」の編曲は、ASKAさんと十川さんの共作です。
チャゲアスのイメージを一変させた名アレンジです。
「LOVE SONG」CHAGE and ASKA
十川さんの名前を一躍、全国に知らしめたのは、ご存知、多くの愛好者がいる「SAY YES」の編曲ですね。
「SAY YES」CHAGE and ASKA
「SAY YES」30周年記念日には、「SAY YES」の編曲をして人生が一変したと明かされていました。
この曲のイントロは、十川さんの最高傑作ですし、間奏、アウトロもすべて異なるメロディーだし、全編を通じて文句のつけようがない名アレンジになってます。
そして、「YAH YAH YAH」も、十川さんの編曲。ダブルミリオンが2曲とも十川さんなんですね。
インパクトの強いイントロで、気分が高揚します。
「YAH YAH YAH」CHAGE and ASKA
私の個人的な見解ですが、楽曲が完璧な状態を10とすると、その内訳は作曲4、歌唱3、作詞2、編曲1くらいの割合だと思います。
人は、まず最初に曲のメロディーとリズムに魅かれ、次に歌声や声量、音程、ピッチといった歌唱に魅かれる。そして、詞の内容や表現力に魅かれていく。
ここまでが完璧でも、最後の編曲1が0.3とか0.6くらいの出来栄えだと、どうしても未完成感が拭えません。
「SAY YES」や「YAH YAH YAH」は、編曲もしっかり完璧な1の出来栄えですから、音楽史上に残る名曲になったのでしょう。
そして、ASKAソロの人気ナンバー1曲「けれど空は青 ~close friend~」も、十川さんの編曲。
男同士の友情をキーボードやストリングスを効果的に使ったアレンジで表現してくれています。
「月が近づけば少しはましだろう」も十川さんの編曲ですね。
内面の苦悩を歌うシリアスな楽曲の編曲も、巧みに表現されています。
現在のところ、CHAGE and ASKAの最新シングルとなっている「Here&There」も十川さんの編曲。
他にも、多数、CHAGE and ASKA、ASKAソロ、CHAGEソロの編曲を手掛けています。
チャゲアスブームは、編曲家十川さんとともにあった、と言っても過言ではないほどですね。
最近では、ASKAさんの「朝をありがとう」が有名ですね。
「朝をありがとう」ASKA
これだけ名曲の編曲を手がけていれば、他のアーティストも放っておかないでしょう。
倖田來未さんの大ヒット曲「愛のうた」も編曲されています。
「愛のうた」倖田來未
岡本真夜さんの大ヒット曲「TOMORROW」も。
「TOMORROW」岡本真夜
岡本真夜さんの楽曲の中で私が最も好きな「そのままの君でいて」も十川さんの編曲。
「そのままの君でいて」岡本真夜
十川さんの編曲には、華やかさがあるので、大ヒット曲と相性がいいのでしょうね。
これからも、「SAY YES」「YAH YAH YAH」を超えるくらいの楽曲を生み出してほしいですね。