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名曲は、とりついて離れない ~Hump Back「拝啓、少年よ」レビュー~

飲食店や小売店舗にいるとき、BGMで流れてくる曲につい魅かれてしまうことがある。
気にせず通り過ぎようとしても、頭の中からそのメロディーと歌声が離れない。

そんな曲は、大抵、これから長年聴き続けるであろう名曲だ。

ときに、全く想定もしない場面で、そんな名曲に出くわす場合もある。

私は、先日、AbemaTVで格闘技の試合を観ていた。
当然、格闘技の試合だから、普通は格闘技以外に興味が移るはずがない。

しかし、この日は、違っていた。
ある試合で流れた曲に、私は、とりつかれてしまったのだ。

それは、田舎町の小さなジムから現れた小柄な有望キックボクサーAyaka選手の入場曲だった。

心地良いメロディーとリズム。パンチの効いた安定感ある歌声。

格闘技の試合自体も、キレのある動きと高い技術が交錯する名試合であったが、私の興味は、それ以上にAyaka選手の入場曲に移っていた。

私は、自らの持てる情報収集力を駆使して、その試合後、気になっていたその曲を調べた。

たどり着いたのがHump Backのシングル「拝啓、少年よ」。

どうやら2018年に発売となった曲で、オリコン最高13位のスマッシュヒットを記録していたらしい。

作詞作曲は、ボーカルを務める林萌々子。彼女は、シンガーソングライターとしての才能に満ち溢れている。

連絡がつかなくなった友人を思い出して作った楽曲だそうだ。

描くのは、大きな夢を描いていた青春時代の追憶。
少年が青春時代に描いた夢は、現実に跳ね返されてしまう。そして、少年は、挫折を繰り返し、怖さを覚える。

いつのまにか、大人になってしまった少年。でも、本当はまだ夢を追いかけたい。

そんな少年にこの歌は、問いかける。

少年よ。下を向いてばかりじゃなく、上を向いて行こう。空はあんなに綺麗だよ。

夢は、なかなかつかめなくても、生きる希望として、追い続けるプロセスにきっと幸せがある。自らが終わらせない限り・・・。

「拝啓、少年よ」は、そう、力強く背中を押してくれる名曲である。

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