『CHAGE 大いに唄う in 武道館』Blu-rayレビュー~デビュー19年目の日本初ソロライブが武道館という伝説~
1998年6月22日に日本武道館で開催となったChageソロ日本デビューライブ『CHAGE 大いに唄う in 武道館』。
海外でソロデビューし、日本でのソロデビューは、ライブハウスやホールをすっ飛ばして、いきなり日本武道館。
Chageは、ビートルズ級の伝説を作った。
その伝説のライブがついにBlu-ray作品で発売となった。
私は、ずっとこのときを待ち望んでいたから感慨もひとしおだ。
1998年にVHSビデオテープで発売となったこのライブ映像作品を、私は、当時、まさにテープが擦り切れるほど、視聴していた。
何度も視聴していると、画質も音質もどんどん劣化してしまうビデオテープ。
そのうち、本当に擦り切れて視聴できなくなってしまうんだろうな。
と思っていたら、壊れたのはビデオデッキの方だった。
ええっ、壊れるのそっち?
と思わず突っ込んでしまったあの日。
ビデオデッキを買い替えないうちに、時代は瞬く間にDVD、Blu-rayの時代になっていき、『CHAGE 大いに唄う in 武道館』は私の中でも伝説のライブとなっていった。
そして、今、待望のBlu-rayを視聴しながらVHSビデオバージョンと曲目を交互に見比べ。
VHSビデオの発売日を見ると、1998年11月11日。
Blu-rayの発売日を見たら、2018年11月11日。
何と!ちょうど20年なのだ。
粋なChage。
VHSビデオは12曲。それに対し、Blu-rayは21曲。全曲収録である。
01. NとLの野球帽
02. 勇気の言葉(新)
03. CRIMSON
04. LOVE(新)
05. Mr.Liverpool
06. 東京Doll(新)
07. レノンのミスキャスト
08. Reason(新)
09. 紫陽花と向日葵
10. 夢を見ましょうか(新)
11. SOME DAY
12. ベンチ(新)
13. 赤いベッド(新)
14. 夢
15. CATCH&RELEASE
16. 告白
17. WINDY ROAD
<アンコール>
18. 終章
19. [7](新)
20. ロマンシングヤード(新)
21. 夏の終わり
「(新)」が付いているのがBlu-rayでの新収録。
こうやって眺めてみると、VHSは、罪だ。あの曲も、この曲も、収録できてなかったのだから。
当時は、VHSで充分満足していたのに、あれは、ライブ全体の6割に満たない内容。
技術の進歩は、ありがたい。
二流のアーティストならいい曲だけをセレクトした映像作品の方がいいかもしれないが、Chageさんのような超一流アーティストは、すべてが芸術作品だから、全曲収録し、MCも完全収録しなきゃ、意味がない。
セットリストは、当時のベストセレクションと言ってもいいほど豪華である。ファンに「歌ってほしい曲」人気投票をしてもらい、それを元に構成しているからだろうか。
Blu-rayは、画質、音質ともに、まるで目の前で歌ってくれているような錯覚に陥るほど上質だ。
そして、ライブは、1曲目の「NとLの野球帽」からアクセル全開。6曲目の「東京Doll」までアップテンポの楽曲で一気に盛り上げていく。
ライブ映像を観て感じるのは、Chageさんがライブとファンを愛する強い気持ち。
ファンの前で歌を披露するのが一番好きなんだ。
そんな想いが会場の隅々まで行き渡っている。
私は、常々Chageのライブでの歌声は、CDを大きく超えていると感じている。
観客を前にした気持ちの高ぶりが、日常では出せない1ランク上の歌声を生み出すんだと思う。
会場がヒートアップしたところで、少しアクセルを緩め、7曲目からは美メロの「レノンのミスキャスト」や「Reason」などでしっとりと聴かせていく。
そして、12曲目の「ベンチ」からは、転調するかのように、それまでとは異色の「ベンチ」「赤いベッド」などを入れ込んでいく。
緩急自在とは、まさにこのライブの構成を言うのだろう。
本編ラストの2曲は、人気投票1位の「告白」と、紙飛行機が飛び交うライブ定番曲「WINDY ROAD」。
すべてがあまりにも豪華な選曲である。
バンドメンバーも豪華。今ではChageソロの両翼と言っても過言ではない西川進さんと恵美直也さんがこんな初期からChageソロに参加していたのだ。私は、1998年当時、Chageさんの歌に興味はあっても、ギターやベースの音にはほとんど興味がなかった。
今、改めて聴いてみると、彼らの奏でる旋律とリズムがあるからこそ、Chageさんのライブがここまで上質なものに仕上がっていることに気づく。
才能ある人の周囲には、才能ある人たちが集まってくるものなのだ。
本編が終わっても、アンコールにいきなりASKAさんが登場して「終章」を歌うと、Chageソロの新曲[7]が続く。さらには、CHAGE and ASKAのライブ定番曲「ロマンシングヤード」、最後にはChageさんが哀愁たっぷりにスキャットを聴かせる「夏の終わり」で余韻を残す。
CHAGE and ASKAの楽曲とMULTI MAXの楽曲、そして、Chageソロの新曲を織り交ぜた贅沢すぎるライブだった。
Chageさんは、このライブで日本でのソロデビューライブがいきなり武道館という伝説を残した。そして、肝心のライブの内容もまた、伝説としか言いようのない最高品質であった。
『CHAGE 大いに唄う in 武道館』Blu-ray
https://shop.fannect.jp/chageandaskaproducts/sp/syousai.asp?item=YMEHBD-01
※当初、受注生産でしたが、多数の販売継続要望により増刷となってます。
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