センス

僕の心から溢れ出た流水が、
誰にでも掬い取れるものではないことは
分かっている。

ただ、この世に溢れている
自由気ままな海は、

触れなくとも
知らず知らずのうちに、
その恩恵を
無意に
僕らに与えている。

それは潜りきれない。
掴むことも、
息をすることさえも
許されない。

それでも僕は
潜らざるを得ない。
そして、そうでないといけない。



君の言葉に、
僕は興味が湧かない。

そこにいくら
君の人生の重みが乗っかっていようと
それはただ海に含まれる塩水でしかない。

それが川へ逆流して流れ出ても
また土に含まれることにしかならない。


だからコンクリートの上で人生を過ごしたって
構わない。

でもそれは、なにより
僕が僕を許せなくなる一つの要因。

それを君に分かってもらわないと
また僕も死に切れない。

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