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急展開の大爆笑、ファイヤーサンダー
お笑いの賞レースは色々ありますが、一見地味なんすけど意外とすごいのがABCお笑いグランプリなんすよ。
これが夏のど真ん中に開催される大会でしてね、近畿圏の芸人が中心で確か放送も昼間じゃなかったっすかね。芸人も関西芸人が中心でほかの賞レースに比べても、少しローカル色の強い大会なんですよ。
ただこの大会、優勝者が結構売れるんですよ。
M-1常連だったかまいたち、ジャルジャルもそうですし、霜降り明星もこの大会の優勝歴があるコンビです。知名度が高くない大会ではありますが、本当に面白い人が優勝して売れる、結構すごい大会なんですよね。
去年の優勝はコウテイ、その前がエンペラーだったんですけど、その前の年。
2017年に優勝したのが、今回紹介するファイヤーサンダーなんですよね。
ハナコと同じワタナベエンターテインメント出身の芸人でしてね、ハナコが優勝する前にこの賞レースを取ってるので、ワタナベエンターテインメント初の賞レース優勝芸人が、このファイヤーサンダーなんですよ。
元々関西の芸人だったのを、コントがしたいといって上京。
東ブクロが母方の従兄のこてつと、さや香の新山が元相方の崎山の二人組で、コントを中心に芸人として活動してるんですよね。
このコンビの何がすごいって、フリが結構長いのに吹き飛ばすくらい爆笑できるってところなんですよね。
例えばこのダイイングメッセージ、ABC笑いグランプリの一本目のネタで、テレビでも結構やってる、このコンビといえばというコントでございます。
このコントがまぁ面白いんすよ。ハナコとかさや香を押さえて優勝するくらいですから、当たり前なんですけどこのコントもまぁフリが長いんすよね。
フリが長いって、お笑いを見に来てるのに笑えない時間があるってことですよ。言ってしまえば、待ち時間です。
加えてお笑い好きの人なら、フリが長ければ長いほどその後のオチを予測して、想定が出来てしまうわけですよ。
ただファイヤーサンダーのすごいところは、その長いフリを物ともしない会心の一撃みたいなえぐい一発を決めてくるんすよね。
ABCお笑いGP二本目の無人島もそうです。
飛行機が不時着した無人島で一人の男が拳銃を見つける、って言う設定も結構ありきたりなんですよ。
それでいてフリが長いんですから、なかなかの状況やないですか。
そんな中でいい意味で期待を裏切ってくるんすよね。めちゃめちゃ面白いんすよ。
加えてすごいのが、ありきたりな設定で裏切ってくるんですよ。
さっきの無人島もそうですけど、この休憩室だって不良自慢をする面倒な先輩と休憩中も勉強する真面目なバイトなんていう、まぁよくある設定です。
これなんて結婚の挨拶ですからね。
何人の芸人が使ったかわからない設定でございますよ。
もう一つこのコンビの好きなところが、ハードパンチャー的なコントがまた面白いんですよ。
さっきの結婚の挨拶もハードパンチャー的な奴なんですけど、一番はこれ。
この謝罪会見もすげぇ良くて、超ツヨの一発のツッコミでコントを進めていくんですよね。
さらば青春の光の浄瑠璃とかも、ハードパンチャー的な面白さがあるじゃないですか。いうたらそんな感じですよ。めちゃめちゃ強い一発を武器に5分笑えますからね。
最近ちょこちょこネタ番組でも見るようになって、技巧派なんかと言われていますが、いまいち第七世代ともてはやされることもありません。
逆に言うと第七ブームが去った後も、しっかり地盤を固めて生き残ってるのは彼らかもしれませんし、本当に面白いので是非一見。