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令和でも生き続けている妖怪達
信じるか信じないかは別にして、妖怪ってすごい魅力的やと思うんですよ。以前も記事で書きましたけど、妖怪っているかいないかじゃなくて、どうして生まれたかってのが一番の魅力なんですよ。
正直俺は、妖怪が実在するとは思っていません。好きで調べたり、居たらいいなぁと思う事はあっても、実在するとは思ってないんですね。
ただ、その妖怪が何故生まれたかという背景を考えて、あえて信じてみるってのが楽しみ方やと思うんですよ。現代社会での妖怪の付き合い方って、「あえて信じるロマン」が正解やと思うんですね。
というか、現代にも妖怪って結構いるんですよ。みなさんが当たり前のように接しているものの中にも、妖怪って意外とたくさんいてるんですね。
例えば、やまびこ。
「ヤッホー」と言って、「ヤッホー」と返ってくるアレですけど、コレも妖怪なんですね。
もちろん、山が反射して声が返ってきてるだけやという理屈は知ってますし、俺もそっちを信じてますよ。でも、妖怪のせいにした方がおもしろくないですか?
俺の声と全く同じ声で叫んでる奴が別の山にいる。それが、やまびこっていう妖怪なんや。っていう理由の方が、ロマンがあって楽しいと思うんですよ。
加えてやまびこって、生まれた理由もなんとなく想像がつくやないですか。昔の人で、声が返ってきてビビった人が、「やまびこの仕業や」と理由をつけて安心する為に生まれたんでしょう。
そういう不思議なことの理由づけに、妖怪が使われたってのが面白いと思うんですよね。科学的にとか、物理的にとか、そういう硬っ苦しいものや無くて、お話のような理由をつけるところが、妖怪の面白いところやと思うんですよ。
あと、最近でもいるのが「いそがし」っていう妖怪ですね。
ほら、会社にも居ませんか?
常にテンパって、仕事やってる感出してる人。
そういう人って、能力があるとか無いとかじゃ無いんですよ。
人間がこの妖怪に憑依されると、やたらに落ち着きがなくなるとされる。しかし不快な気分ではなく、忙しく動き回ることで、なぜか安心感に浸ることができ、逆におとなしくしていると、何か悪さをしているような気持ちになってしまうという。
ーいそがし Wikipedia
いそがしに取り憑かれてるんですよね。
というか誰しも取り憑かれた経験があるんやないですか?死ぬほど忙しいけど、なんかやった感が出て元気になる感じ。逆に暇になるとソワソワしちゃう感じ。
こういうのを、能力とか効率とかで、比較したり悪く言ったりするくらいなら、いそがしに取り憑かれたって思う方が、まだ気持ちも楽になると思いませんか?
「なんであの人は...」の理由を、能力に求めると悪口になりやすいですけど、妖怪のせいにできたらちょっと笑えるやないですか。
俺は今こそ、妖怪ってもっと評価をされるべきモノやと思ってるんですよね。
とは言え、やまびこもいそがしも、現代で広く伝わる妖怪とは言いがたく、結局は昔話の延長に過ぎません。
妖怪というカテゴリーのものがあまねくその評価を受けてしまって、何を言っても昔話。現代とはかけ離れた存在として認知されるモノやとは思います。
ただ妖怪は、危険を避けるための注意喚起に使われたり、ストレスを軽減する為の転嫁対象、不思議を説明する為のモノとして、今でも重要な役割を果たしてくれる存在に違いありません。
その証拠に、今では妖怪は妖怪と認知されずに自然と日常に溶け込んでいます。
だって今でも普通に言ってますもんね。
甲子園にはマモノがいるとかって。