ラーテルに会いたい
ちょっと前から思ってる事なんすけど、一度でええからラーテルに会ってみたいんすよ。
皆さんはご存知ですか?別名ミツアナグマって言われるイタチの仲間で、日本には東山動物園にしかいなくて、森泉でも飼ってないあのラーテルです。
体は60センチから80センチくらいで、それほどインパクトはありません。正直、何の情報もなく見に行ったら、何の印象にも残らないような動物なんですよ。
ただコイツ。
キャラ設定がエゲツないんよ。
まずコイツ、コブラの毒が効かないんよね。
流石に猛毒やからちょっとくらい動かんくなったりはするらしいんよ。でもすぐに戻って動けるようになるんやって。もうこの時点でチートやん。
ほんでこいつ、哺乳類のくせに蜂の巣を襲ってハチミツとか蜂の子を食うんよ。
鳥やとハチクマって言う鷹の仲間が食ったりするんやけど、ラーテルは哺乳類で蜂の巣を襲うってなかなかレアな奴なんよな。
しかもハチクマですら、針が体に刺さるとヤバイから、特殊な羽を持ってるのに、ラーテルは刺されても平気なんやで?
んで極め付けがさ。
ラーテルは、蜂の巣を見つける能力が無いから、蜂の巣を見つけるのが上手い鳥と、共存している。
生きるクセなんよ。
クセ of the クセ、クセの中のクセなんよ。
しかもコイツ、ライオンにも立ち向かっていくくらい気性が荒いんやで?
毒はきかんし、蜂の巣をぶっ壊して餌にしてしまう。
やのに、蜂の巣は見つけられない。
そう、スーパー脳筋やねん。
なんかその鳥もさ、蜂の巣を見つけたらワーワー騒ぎやるんやって。
それを聞いて暴力装置のラーテルが暴れまわって、鳥はおこぼれをもらうんやってさ。
どうです?
これ聞くと、めちゃめちゃ見てみたくないっすか?
やっぱさ、こう言う変な動物とか見るって、動物園の魅力の一つやと思うんすよ。
他にもスペインイモリとかもええっすよ。
動物園やと爬虫類コーナーって、地味でスキップで通り抜けるレベルの人も多いや無いですか。
しかもイモリよ。
小さいし、色も黒いし、何ならちょっと気持ち悪い。
でもそう言うところに面白さってあってさ、前に行った動物園の説明に、こんなんが書いてあったんすよ。
敵に襲われると...
脇腹の皮膚を突き破って回転させたろっ骨を飛び出させることにより、自分の身を守ります!
逃げ方もキモい。
コレが堪らんやん。
だってさ、今でもコイツが生きてるって事はよ、その生き方がその種で優れていたって事や無いですか。進化論ですよ進化論。
知能で生きれると思って人は頭がデカなったんやん。
カタツムリは他のカタツムリと出会いにくいから、両性を持つようになったわけやん。
長い年月を掛けていろんなパターンの優れたものが生き残って、今の生き物になっていってる訳でしょ?
その中に、肋骨を体から突き出して身を守る奴が現れたんですよ?
コレがこの種の優勢なんですよ?
絶対他にやり方あったはずやん。
火事場の馬鹿力に頼り切った進化とか、面白いに決まってるや無いですか。
ベタな動物やけど、俺さスカンクとか好きなんよ。
オナラがエゲツないで有名なスカンクですけど、コレも進化で考えるとめちゃめちゃそそると思いません?
今の俺たちに例えたら、ヤンキーに絡まれて危機一髪みたいな状況の時に、生き残るすべを持ってる奴が優勢や無いですか。
ラーテルみたいに、何も効かない奴はそりゃ強いでしょう。肋骨飛ばすのもある種めちゃめちゃ強いわな。
そこでスカンクは屁を放り出すんやで?
んで「めちゃくちゃ臭い!」つってヤクザが気分を悪くして生き残るんやで?
それで女にモテて繁栄するんやで?
テイストがコロコロコミックやん。
この感じが、堪らんのですよね。
話は変わって、カブトムシはツノが大きく強いほどメスにモテるそうで、その為にツノが大きく強い個体が進化して行ったと言われています。
なのに今でも、ツノの小さいカブトムシは一定数いるそうです。
そんな「劣性」なカブトムシも、子孫を残せたりするんですって。
劣勢のカブトムシって、強いカブトムシが戦ってる間に待っているメスを奪って、ずる賢く子孫を残したりするんやそうです。
難しい事はわからんけど、それが分岐するのが進化で、出来上がったのが今の生態系なんでしょ?
その面白おかしい多様性が観れるのが、動物園な訳ですよ。
ほら、行きたくなってきたでしょ?
子供に混じって行こうぜ動物園。