随筆(2020/4/15):当たりの柔らかさは対等さを担保せず、対等さも当たりの柔らかさを担保しない
よく、ある種の論者(男性)が
「対等な対人関係を求める女性がいる。
それはもちろんいいですよ。
が、そういう関係では、何かあると、応答責任と真剣味と切迫感と緊張感のある、どちらかというと「厳しい」当たりになる。
ふつうにさまざまな応答責任が問われることになるし、それはいい加減にやれば当然もっと「厳しく」問われることになるだろう。
つまり、色恋沙汰の時のような、当たりを柔らかく、「甘く」されるような話は全くなくなる。
それでいいなら、それは弁えた上ですればいい。
で、肝心の話だが、逆に、その時に舌打ちされても、それはそもそも低きに流れる、いいとこ取りの、高望みである。
挙げ句、これを
「こちらをナメてるから、安易に威嚇して言うこと聞かせようとしているんだ」
と解釈する人、
「この理屈を使えば、無限に応答責任から逃げることが出来る、と思っている人、たくさんいる」
リスクがゴリゴリにある中で、なおもそういうことを言い出すからには、せめて
「無限に応答責任から逃げきろうとするズルいやつ「ではないこと」」
を、身の潔白を示して下さい。
その後でないと、ふつうに後者「である」という疑いを晴らせません。
そもそも、我々の考える人間関係に鑑みて、そんなやつだと思われたら、そんなもん信頼なんてある訳ない。だから、信頼に基づくいかなる手段も使えないの、当たり前の話ですよ。
それに、これ、「人間関係やそれにまつわるルーチンをやらずに投げつけて責任取らせる」という、盗人猛々しい邪悪生物としか解釈のしようがないパターンでしょう。
しかもそういう人が
「お前は人間関係にまつわるルーチンを他人事だと思っている。そんなの許されると思っているのか?」
「私? 私はいいんだが? お前がやるのはダメだと言ってんだ。分かってねえな」
とキレるの、
「おまえのものはおれのもの、おれのものはおれのもの」
というジャイアニズムの変種なんで、そんなのジャイアン以外まともに捉えるやつあいねえよ。
ジャイアニズムの変種が通用するような関係、何ら公正取引でも、対等な対人関係でもない。
本当に、対等な対人関係、やる気、やる覚悟、あるか…?」
という話を、要するにしてるじゃないですか(要してない。長い)。
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私はあれにちょっと言いたいことがあって。
何かというと、色恋沙汰で「当たりを柔らかくする」のと、対等な対人関係で「ナメない」のとでは、「強度」より、まず、「向き」が違うのですね。
で、上の説明だと「強度」の話としてしか認識されていないように見える。よくない。
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私が「向き」という言葉で言いたいのは、要はこういうことです。
「色恋沙汰か何かで、当たりを柔らかくしようが、根本的にナメている」
ということはあるし、
「ナメないようにまともに接していようが、それは何も色恋ロマンティック特大感情と関係がないので、駆動されない。魅力的でない。当たりを柔らかくする気には特にはならない」
ということもふつうにあるやつでしょう。
で、
「ナメているか、ナメていないか」
ということと、
「色恋ロマンティック特大感情が駆動されて接し方が柔らかくなるか、否か」
というの、片方を強くすればもう片方が達成されるという「強度」の話じゃないんですよ。明らかに。
そんなことしても無駄な性質の、これは「向き」の話だ。
ということを言いたいのです。
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なので、当然、ニーズが
「ナメられたら殺す」
の人に、
「ナメられない対等な対人関係だと、当たりは柔らかくなくなるが、それは嫌なのでは?」
というズレた話をしても、
「私のニーズは、当たりの柔らかさではなく、ナメられてないことだ。少なくとも、自分の認識では、それに尽きる。そうではない、と言われても、困りますな。
人の話聞いてないし邪推するやつ、会話をする気がないなら、すっこんでてもらえますかね」
と返されるの、かなり当たり前なのではないでしょうか。
これを言われている時点で、ものすごくみっともないから、人の話は先入観抜きでちゃんと聞きましょう。
あと、邪推から入るの、やめましょう。本当に良くないですよ。
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私は、人をナメたくないし、色恋ロマンティック特大感情抜きでも、人当たりは柔らかくありたい。そうしてきた。
だが、ふつう、これは、出来ない。
これらの両立は、気合いを入れてやることだ。
そして、少なくとも個人的には、これが報われているようには到底思えない。
むしろ、盗人猛々しくも利用されてきた、という話にしかなっていない。
だから最近は「警告する」とか「キッパリと断る」とかやり始めた訳で(遅い)
ふつう、これらの両立は、やると損をするから、しない。そういう人の方が多い。
むしろ、やるやつ、アホとちゃうんか。(もちろん俺はアホなので仕方ないのだが)
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どちらかしか尊ばない人、まあ、それは、いい。
ただ、他所のシマに敬意を抱けないのに、なおも他所のシマにいっちょかみするの、もしやってるんなら、絶対にやめた方が良いですよ。
それ、人間松明への超高速ハイウェイに繋がっている道だ。本当に良くないですよ。
(ハイウェイの左右に人間松明が並んで高速で過ぎ去っていくヴィジョン)
(そして流れる『シティーハンター』アニメエンディングテーマ"Get Wild")
(ビジュアルとしては的確だがシチュエーションとしてはかなり最悪じゃないですかそれ)