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新国立劇場の個人賛助会員になってみた

2023年秋、新国立劇場の個人賛助会員になりました。

バレエのゲネプロが見学できるのが魅力的で入会したのですが、ふたを開けてみると特典が盛りだくさんでした。事前に特典について調べましたが、公式サイト以外にあまり情報がなかったので、うれしい驚きです。
入会を迷っている方の参考になればと思い、このnoteを記します。

来シーズンは、ロンドン公演があります。バレエ好きの皆さん、ダンサーを応援しましょう!


個人賛助会員とは

詳細は公式サイトを参考にしていただきたいのですが、簡単に言えば、年10万円の寄付でいろいろな特典が受けられます。
入会はWEBからも申し込み可能で、寄付金は銀行の指定口座に振り込みます。
賛助会員カードと、領収証が届き、こんな特典がありますよという資料も同封されています。
寄付とはそういうものではない、と言われるかもしれませんが、特典は多いほうがうれしいですよね。

ちなみに、NBSの寄付会員「バレエ・ロイヤル・シート」も検討しましたが、30万円と高額だったのと、やっぱり日本のダンサーの支援ということで新国立劇場にしました。世界バレエフェスティバルの先行予約は魅力的だったのですが。

個人賛助会員の特典

公式サイトの「個人賛助会員になられると」の順に、説明していきます。

1. 名前掲出

ロビーのパネルとパンフレットの最後に賛助会員として名前を載せることができます。サイトにもPDFで載っています。それによると、個人賛助会員は、顕名会員515名、匿名会員144名(2024年4月1日現在)です。けっこう多いと思うのですが、その割にネットに情報が少ないのは、平均年齢が高いのでしょうか。
新国立劇場の中劇場へと向かう階段の横にパネルがありますが、ご覧のように枠が余っているので、ご検討中の方はぜひ。ちなみに私は匿名会員です。

新国立劇場のロビーにある賛助会員名パネル
新国立劇場賛助会員名パネル

2. 主催公演のご案内

これが資料を受け取って一番驚いたのですが、「ご案内」はただの案内ではなく「ご招待」です。
オペラ1枚+バレエ1枚+演劇1枚、オペラ2枚、など選ぶことができます。私はバレエ3枚を選びました。
申し込める公演は限られていますが、その中から、「ホフマン物語」「バヤデール」「アラジン」を1枚ずつ希望しました。

希望回は公演の約3か月前に出す必要がありますが、その時点で主要キャストは発表されています。
各公演第3希望まで希望回が出すことができます。一般発売開始のころ、どの日が取れたかはチケットが届いて初めてわかります。(アラジンのチケットは一般発売開始後に届きました)
私は第1希望が通り、A席相当のチケットが送られてきました。これは希望回の人気にもよるかもしれません。
きれいな封筒に入れられているので、プレゼントも可能です。

また、サイトに記載はありませんが、招待チケットにシーズンプログラムの割引券がついていました。

複数キャストを観ようと思っている場合、招待チケットと先行優先での購入を、どのキャストのどの回にするか、迷います。
いい席で必ず見たいキャストの日は、招待ではなく先行優先での申し込みが確実です。

3. ゲネプロへのご招待

舞台稽古(ゲネプロ)見学会に招待してもらえます。これが魅力的で、入会しました。
毎シーズン5回予定されていて、オペラ3回、バレエ2回のようです。シーズン前にこの演目で予定しています、というお知らせが届きます。
2名まで参加可能で、希望多数の場合は抽選と書かれていますが、今のところ外れていません。
約2か月前に申し込み、約1か月前に名前入りのチケットが届きます。
席は選べません。一階中央前方は立ち入り禁止です。

ゲネ見学会申し込みのほうが先行申し込みよりも後、またゲネのキャストは当日まで発表されないので、本公演のチケットの購入の際に頭を悩ませることになります。

2024年3月上旬に、来シーズンの「個人賛助会員様向けイベントのお知らせ」が届きました。予定されている舞台稽古見学会のお知らせです。来シーズンもご支援をお願いします、とありましたが、やはり見学会は特典の目玉のようです。

オペラ「シモン・ボッカネグラ」ゲネプロ時の客席。椅子にクラブジアトレ見学席と貼られている。撮影用の大きなカメラもある。
「シモン・ボッカネグラ」ゲネプロ時の1階後方客席

4. オリジナルカレンダー

年末に、オリジナルカレンダーが送られてきました。特典一覧に書いてありますが、すっかり忘れていたので、思わぬプレゼントをもらったようでうれしかったです。

5. 研修所公演のご案内

こちらもご招待です。
中劇場で行われる研修所公演のチケットを1枚もらえますが、希望者が多い場合は抽選になります。
オペラ「2023 冬のリサイタル」、オペラ「カルメル会修道女の対話」、バレエ「エトワールへの道程 2024」の3公演のお誘いをいただき、すべて希望が通りました。

6. チケット割引購入

友の会「クラブ・ジ・アトレ」会員と同じ、優先予約と会員割引があります。アトレ会員より優遇されることはありません。
個人賛助会員になったと報告したとき、アトレ会員の友人に確認されたのがここでした。重要ですよね。個人維持会員(寄付30万円)だと、優先予約で優遇があるようです。
年会費なし(というか寄付金に含む)でアトレ会員になったと考えるといいです。

私はぎりぎりに申し込みをしたので、シーズン開幕には間に合いませんでした。
2024/2025シーズンのバレエは10月の「眠れる森の美女」で開幕ですが、会員抽選受付は6月中旬から始まります。優先予約を使いたい方は早めに申し込みましょう。

7. 月刊誌「ジ・アトレ」

郵送で月刊誌が届きます。これもアトレ会員と同じです。

税制上の優遇措置について

新国立劇場運営財団への寄付では、寄付金控除が受けられます。そのためには、確定申告をする必要があります。
私は2024年3月の確定申告で、4万円の公益社団法人等寄付金特別控除を受けることができました。
(公式サイトの「税額控除を選択した場合」の計算で、ふるさと納税しているため、税額控除で2000円引かれずに全額の40%が控除額になったようです。ただし、寄付全額が所得税額の25%を超えないなど、いろいろと条件があります。e-Taxでぽちぽち入れていくと、控除額が多くなるように自動で計算してくれます。控除額の欄に40,000と表示されたときは、謎に感動しました)
住民税も寄付金控除があるらしいのですが、それは次の住民税の請求が来てみないとよく分かりません。
詳しくは税務署や税理士さんに聞いてください。

以上、特典と税金について述べましたが、これはあくまで2023/24シーズンに私が体験したものになります。
過去にはダンサーが出席する懇親会も開催されていたようです。社会情勢などと照らし合わせ、これからも変更があるでしょう。公式サイトの最新の情報を参考にしてください。

続いて、ご招待いただいて参加したゲネプロと研修所公演について書きます。

ゲネプロご招待の詳細

1. シモン・ボッカネグラ(オペラ)

「シモン・ボッカネグラ」舞台稽古見学会
日時:2023年11月12日(日)14:00~16:25
場所:オペラパレス
座席:1階最後列

初めてのゲネプロ見学会参加。
いつもはプログラムやドリンクの販売のカウンターが並ぶロビーががらんとしていて、新鮮でした。
入り口付近では、劇場スタッフの方とお客さんの、明らかにお偉いさん同士のご挨拶が交わされていました。

バレエの感覚ではゲネプロは初日の前日ですが、オペラはキャストが同じでのどを休める必要があるのか、連日公演することはないようです。そんなところも、この機会がなければ気付かなかったでしょう。
本公演初日は11月15日で、天覧公演だったようです。

席は1階最後列で、本公演では29,700円のS席です。近くの席にいた人たちは、会話の内容から音大の学生さんかなと思いました。

生でオペラを鑑賞するのは初めてでしたが、平和を希求するメッセージ性の強い内容に、力強い歌声が乗って、とても感動しました。登場人物の関係が複雑ですが、人を愛すること、憎むこと、赦すことについて考えさせられるストーリーでした。
歌はイタリア語で、舞台の両脇に日本語と英語の字幕がありました。
舞台美術は、現代アートの巨匠が担当したそうなのですが、火山の火口がひっくり返ったようなものが舞台の上にあり、幕が開いて薄暗い中で赤い部分だけが見えたときは、「鮭の切り身?」と思ってしまいました……。
音響効果もあるのでしょうが、マイクなしでオケに負けない声を客席後方まで届けるオペラ歌手の声量というか発声方法ってどうなっているんでしょう。人間の身体は楽器なのだな、と感心しました。

ゲネプロ時のロビー。本公演のときよりも人や物が少ない。
ゲネプロ時のロビー

カーテンコールにサプライズがあり、主役の歌手のお誕生日をお祝いしました。
公式Xには「客席の皆様と出演者全員の大合唱でお祝い」とありますが、プロのオケと歌手による重厚な「HAPPY BIRTHDAY TO YOU~♪」に交ざる勇気はないので、手拍子で参加しました。

終演後は、芸術監督の大野和士さんから、演目の説明がありました。

2. トリスタンとイゾルデ(オペラ)

「トリスタンとイゾルデ」舞台稽古見学会
日時:2024年3月11日(月)14:00~19:35
場所:オペラパレス
座席:2階最後列

「個人賛助会員特別舞台稽古見学会」となっていましたが、他の見学会との違いはよく分かりません。
2度目のゲネプロ参加。今回は友人を誘っていきました。
お知らせにはプログラムは本公演からの配布と書いてありましたが、ゲネプロ用のプログラムが配られました。お金かけてるな、という印象。
席は2階最後列で、本公演なら26,400円のA席。

舞台稽古見学会用プログラム

ワーグナーのオペラ「トリスタンとイゾルデ」。上演時間は4時間超、2回休憩を挟んで、5時間35分の予定。
休憩時間がそれぞれ45分という初めてみる長さでした。舞台装置の転換に時間がかかるからなのか、全体が長いから休憩も長いのか、演者さんの休憩のためか、理由は分かりません。歌舞伎の幕間弁当的な感じで、ご飯を食べる時間なのでしょうか。
2度目の休憩では、オペラシティまでコーヒーを買いに行きました。(ゲネプロではロビーでの飲食の提供はありません)

舞台装置はすごいの一言。一幕は船の半分が舞台上にあり、動いていました。幕間での舞台装置入れ替えがかなり大変だったと思います。船の下の床が反射するようになっていて、水を表していました。
太陽(黄色くなった時は月?)が印象的に使われていました。
三幕の最後の演出は、イゾルデの衣装も含め、このために用意されていたのね、と納得しました。
ドイツ語なので、日本語と英語の字幕付き。日本語は短くするためか雰囲気を出すためか文語調で、難しい言い回しも多かったです。英語と見比べ、それをこう訳すんだと思った箇所もあったり。

マルケ王役の方が本番初日のための体調調整のためお休みということで、アンダーの方が出演されました。
プログラムには主要な役のアンダー全員の名前が載っています。バレエの場合、もともとダブルやトリプルキャストであったりでアンダーは特に公開されないので、これも新たな発見です。

オペラ自体の一番の感想は、長い。(ごめんなさい)
主要登場人物が、自分の内面を歌い上げる場面が続くため、舞台上に動きがありません。「シモン・ボッカネグラ」や「カルメル会修道女の対話」では、人が入れ代わり立ち代わりしていましたが、「トリスタンとイゾルデ」は、舞台上に2, 3人ということが多かったです。
イゾルデは1幕冒頭から最後まで舞台上にいて、2幕も幕が上がってしばらくすると出てきて最後までいました。ずーっと舞台にいて、長い時間歌っていました。
3幕ではトリスタンが椅子にぐったり座った姿勢でも客席後方まで歌声を届け、歌い続ける体力がすごいなあと感心しました。

休憩中のオーケストラピット
休憩中 オーケストラピット

休憩中、オーケストラピットを覗いてみました。係の方に見に行ってもいいかと確認したところ、物を落とさないようにと注意をもらいました。予想以上に深いので、スマホを落としたら、割れます。もし演奏者が下にいたら危ないです。
2階後方からは、2台あるハープのうち1台の天辺しか見えません。
楽器側に段差がないので、指揮者は人の腰の高さくらいの台に乗って指揮をしているようです。柵がなくて、ちょっと怖いです。
終演後には、指揮者で芸術監督の大野和士さんからトリスタン和音についての解説もありました。

おまけ。
ちょうど、ロビーの展示の入れ替え中でした。
ここは「くるみ割り人形」の衣装が飾られていたところ。

ロビーのマネキン。服の代わりに白い布がかけられている。「ただいま展示入れ替え中」の表示あり
ロビーのマネキン衣装着せ替え中 休憩時
ロビーのマネキン。新しい衣装が着せられている。「ただいま展示入れ替え中」の表示あり
ロビーのマネキン着せ替え中 終演後

3. ラ・バヤデール(バレエ)

「ラ・バヤデール」舞台稽古見学会
日時:2024年4月26日(金)14:00~16:45
場所:オペラパレス
座席:3階最後列

初のバレエのゲネプロです。
キャストは、ニキヤ:柴山紗帆さん、ソロル:速水渉悟さん、ガムザッティ:木村優里さんのみ公表されていましたが、他の役の方については分からずじまい。おそらく柴山&速水ペアの日の方々だと思います。
席は3階最後列で、本公演ならB席9,350円。

タイムスケジュール

小野&福岡ペアを先行予約で購入し、柴山&速水ペアをご招待チケットでいただいていたので、柴山&速水ペアはゲネと本番両方を見ることになりました。主要キャストの踊りは本番のほうが圧倒的に熱量が高くて、素晴らしかったです。コールドは、ゲネも本番も、お見事でした。
踊りについては、語り始めると長く、この記事の趣旨ではないので省きます。

ゲネであれ?と思ったけれど、本番は修正されていたところ。

  1. ガムザッティ登場シーンで、ベールが髪飾りに引っかかって取れなかった。

  2. 2幕のニキヤが毒蛇にかまれる前のシーンで、耳飾りが片方飛んだ。

  3. 影の第3Vaの冒頭の音取りが、ダンサーと指揮者とで上手く合わせられていない気がした。

舞台は生ものだなあと思うことが多々ありますが、特に3の音取りについては本番は合っていたので、改善されてよかったなあと思いました。

ちなみに、本番のパンフレットの影のコールドには、研修所卒業公演で見たお名前がいくつか。列の最後方とはいえ、こんなしんどい役でデビューなのかと、勝手に親戚の子を応援するような気持ちになりました。

上演前には、吉田都さんのご挨拶があり、5年ぶりに上演のバヤデールで、指導にフリオ・ボッカを招いたとおっしゃっていました(多分ご本人をお見かけしました)。そして、来シーズンはロンドン公演を行うので応援をお願いします、と呼びかけていらっしゃいました。

4. アラジン(バレエ)

「アラジン」舞台稽古見学会
日時:2024年6月13日(木)14:00~16:40
場所:オペラパレス
座席:2階上手端

アラジンは、私が新国立劇場バレエのファンになった作品。ということで今シーズン一番楽しみにしていた演目です。
キャストはプリンセス:池田理沙子さん、アラジン:福田圭吾さん、ジーン:木下嘉人さん。小野&福岡ペアを先行予約で購入し、池田&福田ペアをご招待チケットでいただいていたので、またしても本公演とキャストが被りました。
ジーンの木下さんは、初役だからか変則キャストでの登板。理沙子さんのチームと思い込んでいた私は、ジーンの渡邊峻郁さんってもっと大きくなかったっけ? 役作りでそう見えるのかなあ、と最後まで気づきませんでした。だって、青塗りなんだもん。

感想は、とにかく池田理沙子さんが可愛かった。もう、これに尽きます。
それから、山本涼杏さんのダイヤモンドがとてもよかったです。そして、お母さん役の益田裕子さんが、衝撃でした。ちょっと前にバヤデールで可愛らしくお茶目に壺の踊りを披露したとは思えない、お母さんっぷりでした。
一緒に行った友人は、福田圭吾さんのさよなら公演ということで、最後泣きそうになったらしいです。

上演前の吉田都さんのお話では、振付をしたヴィントレーが通し稽古を見て、今は世界中でアラジンが踊られているけれど、やっぱり新国立劇場が一番、というようなことをおっしゃったそうです。
舞台はとんでもチャイナって感じの演出もあるけれど、とにかく楽しくて、バレエの入り口としても、バレエ好きにも、とってもおススメの演目です。

研修所公演ご案内の詳細

1. 2023 冬のリサイタル(オペラ研修所)

日時:2023年12月10日(日)
場所:中劇場
座席:1階中央(3,850円)

オペラ研修所の公演で、1回休憩を挟んで約1時間40分です。
WEBフォームから申し込んだところ、中劇場のかなりいい席のチケットが届きました。
NHKのニューイヤーオペラコンサートをテレビで見たことはありますが、生のリサイタルは初めて。また、中劇場も初めてだったので、とても楽しみに行きました。
ですが、会場につくと、ソプラノ歌手2名とピアノ伴奏者1名が急病で降板という、残念なお知らせが貼りだされていました。ちょうどインフルエンザが流行しているとニュースになっていた時期でした。降板があったため、アンサンブルの曲がソロに変わるなど、演目変更がありました。それでも舞台自体は素敵でした。
歌の技量は門外漢につき分かりませんが、メゾソプラノの大城みなみさんが、一番好みの声でした。
ピアノ伴奏でソロ、アンサンブル、イタリア語、ドイツ語など、曲ごとに特徴が違って、飽きませんでした。最後は全員参加での「アルジェのイタリア女」という演目の大騒ぎの場面で、わちゃわちゃ感が楽しかったです。
席は7割くらいは埋まっていたと思います。バレエよりも男性が多い印象です。

新国立劇場 中劇場客席
中劇場客席

2. カルメル会修道女の対話(オペラ研修所)

日時:2024年3月3日(日)
場所:中劇場
座席:1階最後列中央(4,950円)

オペラ研修所の修了公演。冬のリサイタルがよかったので、楽しみにしていました。3回公演の千秋楽を希望し、希望通りの回のチケットが届きました。
中劇場の後方はしっかりと傾斜があるため、最後列でも見やすいです。1階は満席に見えました。オペラのゲネプロよりは、お客さんが少し若い感じがしました。男性も多かったです。
研修所の公演ですが、舞台演出は凝っていて、円形の回る舞台をうまく使っていたように思います。
フランス革命のときの宗教弾圧で処刑された修道女たちのお話で、救いのないストーリーでした。ギロチン(音と光で表現)が登場します。実話が元になっているそうです。
フランス語なので、舞台両脇に日本語の字幕付き。

中劇場最後列より

修道女マリー役の大城みなみさんと、マダム・ド・クロワシー役の前島眞奈美さんがいいなあと思いました。冬のリサイタルを急病で降板した方も無事復帰されていて、素敵な歌声でした。
修道女のお話なので、女性歌手の見せ場は多かったのですが、男性歌手は出番が少ないように感じました。
オケにちょっと負けていて声が聞き取りづらいところもあったのですが、音響なのか、歌手の技量なのかは分かりません。

千秋楽ということで、カーテンコールが2周ありました。
合唱、ソリスト、ソロが一人ずつ、全員で挨拶、指揮者と演出家が登壇、緞帳が下りる。からのもう一度合唱、ソリスト、ソロが一人ずつと2周。修了公演だからでしょうか。なかなか長かったです。
ただ、それだけ拍手が続いたにもかかわらず、スタオベしている人がいないのは、オペラがそういう文化なのか、研修所公演だからなのか、たまたまなのか、どれでしょうか。

3. エトワールへの道程(バレエ研修所)

日時:2024年3月10日(日)
場所:中劇場
座席:1階中央(3,850円)

オペラ研修所修了公演の翌週だったので、同じようなものをイメージして行ったところ、かなり違いました。
オペラが幕ものを作り上げた公演だったのに対し、バレエはかなりお金のかかった発表会といった感じ。
途中で練習風景、海外研修の様子などの10分の映像も入り、最後は卒業する子たち6人がそれぞれ抱負を述べました。
研修所の受験生が、オペラは大学・大学院を卒業した人たちなのに対して、バレエは17~19歳なので、年齢もあるのでしょう。
来年からはバレエ研修所の体制が変更になるとの周知もあったので、研修所修了公演も変わるかもしれません。

踊りは上手でしたが、何より驚いたのが、みんなスタイルがいい! 顔が小っちゃくて、手足が長くて、舞台映えします。
眠りの三幕で王様も研修生が演じていましたが、頭に対して王冠が大きいので、借り物感が出てしまっていて微笑ましかったです。

演目の終わりには、指揮者とオケの人たちも若いダンサーに温かい拍手を送っていたのが、印象的でした。
お客さんは、女性と子どもが多かったです。出身のスタジオの後輩とかなのかな。9割は入っていたように思います。

中劇場上手後方より。花道にバスドラムが置かれている
中劇場上手後方より

初めて見たのですが、バスドラムとシンバルが上手の花道にいました。オケピにハープも入っていたので、入りきらずに追い出されちゃったのでしょうか。

まとめ

収支報告?

上記のように、様々な特典を受けることができます。
その特典を(無粋なことをするなと言われそうですが)料金に換算してみます。

◆ご招待
・バレエ3公演:A席12,650円×3枚
・研修所公演3公演:3,850円×2枚+4,950円×1枚

◆カレンダー
・1,600円×1部

これだけで、5万円ちょっとになります。
そこに、ゲネプロのご招待がバレエ2公演、オペラ3公演。

10万円の寄付に対して、4万円の寄付金控除ありましたので、実質6万円の負担です。
それに対する見返りとしては、寄付でこういう言い方がいいのか分かりませんが、十分に元をとれていると感じました。

研修所公演を見て、若いダンサーやオペラ歌手を応援しているという自己満足に浸れます。
そして、こんな機会でもなければ一生なかったかもしれないオペラの公演を舞台稽古とはいえ生で見ることができます。

来シーズンは、ロンドン公演が控えています。わずかばかりでもその応援になると思えば、惜しくはありません。来シーズンも寄付を続けようと思います。

※あくまで2023/2024シーズンでの、私の場合の個人的な感想です。最新情報は公式サイトで確認してください。

結論:おススメの人

  • 新国立劇場のバレエを1シーズンに3回以上見に行く人

  • 確定申告で寄付金控除が受けられる人

  • 研修所公演も見たい人

  • 平日お昼のゲネプロ見学会に参加できる人

  • オペラも少し興味がある人

今回、受けられる特典は全て享受しようと決めたため、日程調整がなかなか大変でした。
特に大きな特典であるゲネプロはほぼ平日午後に行われるので、そこが空けられる方には、本当にオススメです。

再度になりますが、2024/2025シーズンのバレエは10月の「眠れる森の美女」で開幕ですが、会員抽選受付は6月中旬から始まります。優先予約を使いたい方は早めに申し込みましょう。

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