写真_2011-09-18_15_42_38

革命の前夜

左隣には双子の男の子 右隣にはライオンの女の子

目立たずひっそりと その間にある篭城

   (ワンルームのユニットバスです)


蜂の様に集まり 奪うことに陶酔している、


細い線を幾重にも重ねる布団の中

テレビはいつまでたっても音程を取れずに居る

夜は食われて 彼女の腹の中

廻る


革命の夜に見た娘は 確かに左手で星の群れをつかんでいた


終わらない洗濯機 何も入らない冷蔵庫

満たせない浴槽 永遠に食べないスパゲティ

それらが平気な顔をして並ぶ 甲羅の中

進歩もしない威力も無い

「それでも僕らは営んでいるのです」

などと真剣な顔をして言いやがって!


暴発を待ち望んでいる 星の群れたち


革命の夜に見た夢は、少女が星の群を掴むただそれだけの夢だった。長く透き通った髪の少女が空に投げ出され、星の群を小さな左手で一生懸命に掴んでいた。

暴発を待ち望んでいるのは君の方ではないか、と苦言を呈するのは君の母親だ。それでも僕等は営んでいるのです、なんて反抗してきたのは、君の小さな弟だ。

革命の夜は、洗濯機を廻すのがいいと言う。世界中のシャツを放りこんで、一枚ずつハンガーに通してやる。

長く透き通った髪の少女は、もしかしたら妹かもしれない。星の光が乱反射して強烈な夏の雨に変わる頃、生れたのかもしれない。

#詩

もうちょっと頑張れよ、とか しょうがねえ応援してやる、とか どれもこれも励みになります、がんばるぞー。