わたし
自分のことをちゃんと愛してあげなさいと、たくさんの人に言われるからきっとそうなんだな、と思う最近。
目の前の人たちに対して慌てふためく私をみる、私は楽しそう、ではない。どうしてこうなったか考えてみようよ、と言う私は決して悲しそう、ではない。
電車の枕木はレールを現実につなぎとめ、東京の形をきれいに作ってしまう。石塀だらけのあわ粒の街へようこそ、の看板は汚くてよく見えない。
金曜日に運ばれる先は正解ですか、二十五年に点数をつけたらどらくらいになりますか、正解率と不正解率を教えてください、私に小説は書けますか。
自己の自立あってこそね、私と私たちは産まれるから、握手をしてきちんとさよなら言いましょうね。
そんな夜はあったけど、あれも東京のあわ粒のひとつ。肩を抜けよと言われる。誰にだろう、あんたにだろうか。
オレンジ色の美味しいみかん、白い大根美味しそう、りんごは蜜がたっぷり、白米はおばあちゃん達の結晶で、それら全てを窓から投げ捨ててやった、それってすっきりするかい。
自分をね、愛してあげようね、東京になんかのまれないで頑張るんだ、だからいっぱい書いてね、残すの。
それが正解だなんて誰も言わない。どれも正解だから何も言えない。お薬増やしておきますね、それもひとつの正解。
東京で知った野良犬の侘しさを、知れない人だけがこの街に残る。あわ粒だらけの街へ放尿して、小さな揺らぎを食い潰して肉片にしてやろう。私に力はないけど、私を通して力がある、と、自分を愛せと言う夜行バスの私。
もうちょっと頑張れよ、とか しょうがねえ応援してやる、とか どれもこれも励みになります、がんばるぞー。