トーキョータワー
東京タワーの、あのオレンジに触れて死にたい。あの骨組みに触れて死にたい。東京タワーの骨組みがいつかわたしを殺すなら、わたしが先に死んでしまいたい。あの骨は内部で東京をくゆらせて、そしてコンクリートの隙間から死を与えてしまう、ことに、サラリーマン達は気付いている。
五日間何も食べず体重が三キロ減ることに、東京タワーは驚かない。どこから見てもオレンジの、骨を見せつけながら動じることはない。金を払い触れる骨に、わたしは子宮を差し出すのか。
都庁の足元なんてぐらぐらで、必死になってあの人たちが支えているのに、あのタワーは。滋養強壮栄養補給、それらすべてを電波で集めて、還元することなく立ち上がる。
わたしなんかわたしなんかわたしなんかわたしなんか、手が震えても足が震えても、這ってやって来いと言われるのに。隙間から溢れる死を、氏を、子を、詩を、東京タワーはぜいたくに食んでいる。殺されるその前に、わたしがお前を笑いながら死ぬ。
もうちょっと頑張れよ、とか しょうがねえ応援してやる、とか どれもこれも励みになります、がんばるぞー。