《#10秒で書く詩》まとめ2
大晦日なので、Twitterで書いたものをまとめてみました。
12/30
よく眠れよく眠れ、こんこんとどうどうとよく眠れ、音もなにも気にすることなく、しんしんとよく眠れ。ベッドの片隅でへその緒を握ってよくよくよく眠れ。
12/26
父がライターであぶったゆびを
ゴミ箱に捨てる夜
太く皮の厚いわたしよりも
生きている人の
て
の、ゆび
ライターであぶったき
れいな焦げ目のついた父の
て
の、ゆび
12/24
あなたが仕事をしている間に
わたしは口から飯を出す
あなたが徹夜で仕事をするたび
わたしは目から夢を捻る
蛇口のようにあふれれば
二十五歳も叶うだろうと
あなたが仕事をしている間に
わたしはいつも考える
12/23
地下鉄の朝は
東京のたいよう、
なんか見て見ぬふりで走る
地下鉄の朝は
東京のよるが好き、
と口々に言い合いながら
あなたの血脈に
潜り込んで行く
地下鉄の朝、は。
12/22
品川で
心臓の皮を一枚はがす
新幹線に掻き消される
いたがゆさ
むずがゆさ
飛ばされていく
心臓の皮
一枚
12/18
遠くに行きたかった東京のボーイ、明日は六本木でデート。私はお前より早くビールを覚えて、性処理の仕方も知っている。それなのに窓から注ぐ太陽の縞を軽々超える東京のボーイ、私にはない身軽さで電車を駆け抜けるとうきょうのボーイ。
12/16
青い町のなかに
あのお婆様が泳いで
叫んでいる
おいでよ
12/13
自分の股座から
放尿されるのを
きちんと見た事
が、あるのか?
黄色い放物線が
白い器へ注がれ
泡を立てる様を
生きている様を
身体が機能して
惨めをろ過して
下水に流す事を
12/5
電車の電線にカラスがとまり、運ばれる先を知りながらみんな知らないふりでレールの上を踊っている。彼らはきっとトーキョーが好きなんだね、きっと。
12/2
雪を見たいと言った、生姜を刻んで飲み込んだ、電車は進むことしかしらない、こんな言葉の羅列を誰かが詩だと言った
11/30
混沌とした平屋に猫のおしっこが充満して、くしゃみをする石油ストーブに、いつかの私が励まされてるんだろうか。
11/28
道沿いに溢れている
トーキョーのしぼりかす
ビリカン
カルカン
ギョウザ
カレー
どれもこれも
死ねるわけじゃない
もうちょっと頑張れよ、とか しょうがねえ応援してやる、とか どれもこれも励みになります、がんばるぞー。