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年のはじめ

もうもうと雪がふっている。建物ちかくまで足をおろした雲の一群が、白い泡をこれでもかとふらせている。もうもうとびゅうびゅうと、コンクリートを黒くそめていく、のを、電車でながめている。一月一日に雪はつもるのか、はるか遠く弱弱しく身を寄せ合っている。

海沿いの田舎町では珍しい光景を赤い電車がこわしていく。もうもうと吹きすさんで、それでも私の車体は白くそまらない。キリンの首も、もうもうと折れない。

この寒い一月一日に雪はつもるのか。手をのばせば届きそうなひくい雲は濃淡もなにもなく、ただ灰色をしきつめて、山並みの鉄塔も灰にしめっている。

海沿いの田舎町、の海はどうだ。もうもうびゅうびゅうと、細かな泡を飛ばしているか。赤い電車はこわしているか。

はかいせよ、とひくい雲は足をおろしてつぶやいている。


#詩

もうちょっと頑張れよ、とか しょうがねえ応援してやる、とか どれもこれも励みになります、がんばるぞー。