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シオンinucrab
2015年3月29日 12:03
サトウ君。私の大好きなサトウ君。彼が帰ってきた。十五時のおやつにと、空っぽの母の為にコーヒーを煎れコンビニで買ってきたケーキをリビングで食べている時だった。季節はいよいよ冬を迎えようとしていて、空は薄い雲がかかって太陽の光をやんわりと遮断していた。リビングには不透明な光が時間を遅らせるようにゆっくりと差し込んでいて、脳味噌を気持ちよく蝕んでゆく。何も変わらない日常を浪費し、ぼさぼさの髪の毛の母