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治験コーディネーターのイメージって、どうですかね

こんばんは、治験のいぬです。
僕は治験コーディネーターとして働き始めて長くなってきたため、
世間様のイメージが分からなくなりつつあります。

弊社の新卒社員さんに聞いたところ、「大学生が春休みにやる治験バイト」と言っていました。
この子は、治験について企業研究のレベルから勉強しなおしたほうがいいので、何かの折に一緒に振り返りをしておきます。

さて、治験コーディネーターについて。
治験コーディネーターは、医療機関と製薬会社の間を取り持ち、治験が円滑に進むようサポートする重要な役割を担っています。医師や被験者さん、医療機関内のスタッフなど、様々な関係者と密接にコミュニケーションを取りながら業務を進めます。業務で実際にかかわる方からのイメージと、まったく治験を知らない方からのイメージとでは、当然ながら回答が異なるであろうと予想しています。何はともあれ、周囲から様々な印象を持たれていることは確実でしょう。

ブラックペアンというドラマが2018年に放送されました。もう6年前になるんですね。
僕は流行りのものには疎いので、詳細は分からないのですが、
このドラマでは、フリーランスとして働く治験コーディネーターが、
治験に参加する患者さんに対して多額の「お礼金」の小切手を渡したシーンがあったそうです。
また、製薬会社側の人間を接待する場面もあり、日本臨床薬理学会という学会の逆鱗に触れ、学会から見解が表明されました。
「僕らはそんなことしてないよ!研究推進に必要な仕事だから、イメージ悪くするのはやめてね!」という内容でした。
当時、僕らと患者さん達の間で、ちょっと話題になったんですね。

実際のところは、治験コーディネーターは言ってしまえば「医師の小間使い※」なので、
製薬会社から融通金やワイロを受け取ることもありませんし、
我々の給与はSMOならばどこも手取りで20~24万程度です。とってもクリーンでしょ。(もっと貰っても良いと思うけど)

※小間使いというと怒る方がいるかもしれませんが、ここでは”製薬会社を大きな力でとりもつようなことは一切ない”という意味で用いています。

治験コーディネーターの特性について

現在の世間様のイメージはわからないですが、
業務の性質はヒントになるかもしれませんね。

責任感と倫理観の高さ
治験にはダークなイメージがあるかもしれないですが、
そもそも治験というものは、新薬の安全性や有効性を検証するために実施される重要な「研究」です。治験コーディネーターは、被験者の安全を守るために、倫理的な配慮に基づいて業務を行う必要があります。そのため、責任感と倫理観が高い必要があるのではないかと思います。
作業の特性上、「ほどほど」のさじ加減が難しく、また看護師などの元々「患者に寄り添う心」を持つ人も多く、熱心な人も多いです。

コミュニケーション能力の高さ

治験コーディネーターは、医師や被験者さんなど、様々な人と協働する必要があります。
そのため、それぞれの立場やニーズを理解し、円滑なコミュニケーションを取ることが求められます。周囲からは、調整は治験コーディネーターの仕事といって、お任せいただくことも多いですね。「調整」って便利な言葉だな。

専門知識の豊富さ

治験コーディネーターは、医療や薬学に関する専門知識を持ち、治験に関する様々な手続きや規制に精通している必要があります。…と書きましたが、実際のところは臨床研究の知識が豊富なことが大事です。
あくまでも薬剤師、看護師、検査技師…というバックグラウンドを持った上で、
関連法規や臨床研究法の改訂を追っていく必要がありますね。
現場レベルでは「これは依頼者に請求できる?」と聞かれて、それに回答できれば良いんですけど。

### まとめ###

治験コーディネーターは、責任感と倫理観、コミュニケーション能力、専門知識を兼ね備えた、医療現場に欠かせない存在である…と言えると思います。
特性から考えると、あまりコミュニケーションが苦手な人がおらず、
おしゃべりは嫌いじゃない人が多いんじゃないかと思いました。

なにはともあれ、周囲からの信頼を得て、患者さんや医療従事者、製薬会社など、様々な関係者と協力しながら、新薬開発に貢献していると思います。

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