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最初から飛ばしてるなと思う(日記)

2023年9月9日(土)晴れ

6時起床、散歩に行く。段々体力が戻ってきた気がする、でもすぐに疲れる。朝ご飯、かっぱ巻きを作る。キュウリと言えばノルウェイの森/村上春樹で、主人公が友人の女の子の父を見舞いに行った時のシーンが印象的。女の子の姉がキュウリとキウイを聞き間違えてキュウリを買ってきてしまい、主人公がそのキュウリに海苔を巻いて醤油をつけて食べるシーン。入院中の父が珍しく物を食べたがったところを、よく覚えている。あの本は私が読書にのめり込むきっかけになった本。掃除をしてフォークナー。


お昼ご飯、オムライスを作る。娘が「ママのオムライス大好き、美味しかった」と言ってくれた。大して立派な母ではないと思うけど、そういう瞬間が嬉しい。食後、フォークナーの続き、そのまま読了。550頁くらいのところで、フォークナー凄すぎるなと思い、読みながら興奮してしまった。いやこれは凄い、読んでいて鳥肌が立ったのは久し振り。本を読んでいる時、じんわりとした感慨深さみたいなものを感じることは多々あるが、ここまでの"ぶわわ"は本当に久し振りだった。
各々が逃れることの出来ない血脈や運命に翻弄されて、それらが作る環から抜け出せない。そうやって生きていくうちに心の中に抱えた孤独や痛み、悲しみとかそういったものが、ジリジリと照りつける八月の光みたいに灼いてくるなと思った。でも、リーナだけはそういうのとは無縁のところにいて、そこだけは灼熱じゃなくて眩しい八月の光って感じだった。何で私、これ早く読まなかったのかなって思った。
次に何を読むか迷い、昨日はマッカーシーかなと言っていたが、ウエルベックを手に取った。小休止の併読用に、ちくま文庫から出ているキリスト教史も手に取る。マッカーシーはもう少し秋が深まってからにしよう、何となく。


夜ご飯、アーリオオーリオ風ペンネ、アボカドとトマトのサラダ、マッシュルームのスープ。後片付けをしてウエルベック、最初から飛ばしてるなと思う。寝る前に入院生活でカサカサになってしまった指先の保湿を入念にする。ウエルベックとキリスト教史を読む。療養もあと二日。月曜は病院と寄り道だから、実質一日か。やはり本の話をすると、日記が長くなってしまう。

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