【書評】ホワイトカラー消滅
はじめに
自分の仕事の意味、成果は、果たしてどれくらいあるのか?
私は入社以来10年間、幾度となくこの疑問を胸に抱いている。
それと同時に私のようなエリートでない人間はどう生きるべきか?という疑問もずっと持っている。仕事の難易度は上がっている。勉強はしているが、手に負えなくなりつつある。が、給料は上がらない。他を探そうにも転職も上手くいかない。八方塞がりか・
日々そんな疑問、違和感を抱き続けてきたわけだが、この本を読み、いろいろ腑に落ち、自分の至らなさに目を向け、行動する腹が決まった。
概要
内容は、多岐にわたる上に濃いため、私ではとても要約しかねるが、ストレートに「ホワイトカラー消滅」の意図だけ触れる。
少子高齢化に伴い働き手は間違いなく減っていく。その意味で人手不足は深刻化の一途を辿る。
一方で、殊ホワイトカラーについては状況が異なる。AIによりどんどん仕事が置き換えられ、必要数が減る。つまり、人手不足の時代にも関わらず余る。
では、どこで人手不足が起きるのかというと、コロナ禍で焦点が当たったようなエッセンシャルワーカーである。今も足りておらず、今後より足りなくなる上に、地方はより深刻らしい。
なので、タイトルのごとく人手不足にもかかわらず、ホワイトカラー人材だけ消滅の危機に瀕している。
そこで生き残るには、一握りのトップのホワイトカラーとなるか、生産性の高いエッセンシャルワーカーとなるのかの二択であるとのことだ。
前者は、容易に想像できるが、競争も激しく難易度が高い。後者も当然、ハードだが、人手が不足しているので働き口はあるだろうということ。(体力つけておかないと)
ぜひ、詳細やその論理の背景にある日本の現状など、本書を読んでほしい。
響いた点
一児の父でホワイトカラーの私がこの本を読み、急にエッセンシャルワーカーに転職するのも難しいのが現実。
だが、このまま消滅を待つわけにもいかない。
そんな状況の人間にぴったりな、悩めるホワイトカラーに向けた処方箋があった。
それは、一言で、「実学を学べ」だ。
基本的な言語能力(特に読み書き)、英語、数学、経済学、簿記会計、ITといった福沢諭吉が”学問のすすめ”(私は読んだことありません)で説いたような類の基礎中の基礎の学問を納めよとのことだ。それであればどこでも潰しが効くと。
簿記は経理が、ITは情シスが、数学は理系が、英語は帰国子女が、では許されない。全ビジネスパーソンが持っていて当たり前の時代がいつかは分からないが、そう遠くない時代に来ると理解した。
学べというのは、シンプルで強いメッセージだ。
仕事が手に負えないのは基本ができていないからだった。耳が痛い話だ。大学受験以降、本腰入れて勉強していない。
メンタルもフィジカルもタフではなく、ガッツもなく、特別なスキルもなく、人に好かれるわけでもない私だ。取り柄といえば、学ぶこと、特に読書と、考えるのが好きなとこくらい。
そんな私にぴったりの人生戦略だ。とにかく勉強するしかないと悟った。
終わりに
本を読む前に抱いていた2つの疑問、「自分の事務仕事の意味、生産性はあるのだろうか?」と、「仕事の難易度が増す時代に私のようなエリートでない人間はどう生きていくべきだろう?」という疑問につき、
前者は、意味の有る無しにかかわらず今のままなら恐らくAIに代替される、後者はホワイトカラーで居続けられるかはさておき、実学の勉強が足りないので、どこでも生きれるようとにかく勉強する必要があると解釈した。
AIに代替されないようにするには、活用する側に行くしかない。仕事の難易度が上がり対処できないなら、学んでレベルアップして対処するしかない。
人生は、危機感を持って行動する必要があるな。
戸愚呂(弟)から20年前に教えてもらったはずなんだが。