【展示会レポート】
¡Hola! ¿Cómo va todo? インタースペインのスタッフです。
慶應義塾大学で開催中の展示会「スペイン中世写本の楽しみ」に行ってきました。
ドキドキしながら大学のとても立派な門をくぐって…
この門から伸びる階段をのぼったら左手へ…展示会の開催されている図書館(三田メディアセンター)へ向かいます。
センターの中に入ったら左手のカウンターで受付をしてもらって、いざ写本とご対面!
小さな教室くらいのスペースに、19点ほどの写本やインキュナブラが展示してありました。壁には展示作品の解説はもちろん、作品がつくられた時代とはどうだったのか、そして写本とは何か、など展示作品への理解をさらに深めることのできるパネルが掲示されています。美術史や歴史の授業で学んだ知識をフルに思い出しつつ、作品をじっくり観察…
また1/16, 1/23に行われたギャラリートークにも参加しました。どちらの回も大変興味深く、配られたハンドアウトはメモでびっしり!あれほど真剣に聞いてメモを取ったのは大学の授業以来…?!
中世スペインには多様な文化、宗教、ことばが存在し、時に混ざりあっていたことを2回のギャラリートークで知ることができました。写本に書かれた言葉や挿絵を見ることによってその多様な中世の文化を見て感じることができます。
さて、この展示会に並べられた作品のいくつかは弊社インタースペインが手配した貴重な資料も含まれています。今回はその作品との「再会」も楽しみでした。
まずは『わがシードの歌』
オリジナルはスペイン国立図書館の奥深い場所で大事に保管されているそうです。展示会で見られるのは、オリジナルを正確・忠実に複製したファクシミリ版です。
「正確・忠実」に…ということなので、このシミや穴や破れなども正確・忠実に再現されています。この作品がスペインの出版社から納入され、包みを開けてパラパラめくった時とんでもなく汚いものが来た!と思って驚きました(笑)。
続いて『カトリック女王イサベル1世の時祷書』
表紙やテキストの美しさにうっとりしてしまいます。表紙も見られるよう展示されています。1葉1葉が丁寧に作りこまれたファクシミリです。オリジナルは人間の手で制作されたと思うと気の遠くなるような作業ですね…。
そして『聖母マリアの古謡集』
展示室でひときわ目を引く大きな作品。アルフォンソ10世の治世に成立した、聖母マリアについて言及した頌歌集です。個人的に挿絵の色合いが好きな作品です。
そして最後に『チェス、さいころ、盤上ゲームの書』
これまで紹介した3作品は紙に印刷されたファクシミリ版でしたが、この作品だけは羊皮紙に印刷されています。この作品を手掛けたバレンシアにある出版社(Scriptorium社)は中世と同じ手法で羊皮紙を制作しています。
この出版社から1枚の羊皮紙のサンプルを送ってもらった時、思わず羊のにおいがするかな?と思って鼻を近づけたことは内緒に…
Scriptorium社が制作する羊皮紙装飾写本や紙に制作された写本は、弊社インタースペインで取り扱いを行っています。ホームページには取り扱い作品のほか、羊皮紙の制作過程も載せていますので、ご興味がありましたらぜひご覧ください。
展示会は2/8(木)まで開催中です。これらの作品は普段も図書館の奥深くに大切に保管されているので、めったに見ることはできません。ご興味をお持ちの方がいらっしゃたら、ぜひお立ち寄りください。