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人が猫から分かることとは?〜『猫に学ぶ』〜【2月猫本チャレンジ19】

今日は、『猫に学ぶ』です。
この本もけっこう長いこと、「猫棚」に収まったままの積読本でした。

『猫に学ぶ』

やっと読んでみて思うのは、古代から近代の哲学者はいかに幸福になるかを求めてきたけど、猫はその人のそばでじゅうぶん幸福に生きていたではないか、ということです。人が人として生まれて生きていく上で人生に意味や物語を示さなければならないのなら、けっして猫より幸福になることはない、そういうことかな、と思いました。

この本の帯も養老先生が書かれていますが、『まるありがとう』を取り上げたときに思ったことと同じことをやはりこの本でも思いました。「人は足るを知らず、猫は足るを知る」のです。

猫は哲学を必要としない。本性(自然)に従い、その本性が自分たちに与えてくれた生活に満足している。一方、人間のほうは、自分の本性に満足しないことが当たり前になっているようだ。人間という動物は、自分ではない何かになろうとすることをやめようとせず、そのせいで、当然ながら悲喜劇的な結末を招く。猫はそんな努力はしない。人間性カツの大半は幸福の追求だが、猫の世界では、幸福とは、彼らの幸福を現実に脅かすものが取り除かれたときに、自動的に戻る状態のことだ。それが、多くの人間が猫を愛する最大の理由かも知れない。人間がなかなか手に入れられない幸福が、猫には生まれつき与えられているのだ。

1 猫と哲学

ちょっと長いのですが、ひと段落分引用してみました。とても腹落ちする話です。人間は幸福になるために生きている、とどこで読んだ話か忘れましたが書いてあったのを覚えています。本書によると幸福になるために人は哲学を必要とするのだけど、猫はそもそも初めから幸せだから、哲学をこねくり回さなくてもよい、ということなのですね。

人のそばに住む猫。でも『ねこほん』で猫の生態を知り、『猫語の教科書』で猫の考えている(かもしれない)ことを言語化してみてみると、猫は人のそばに暮らしているし、人のことを好きだと思ってくれているかもしれないけど、もし必要がなくなったら、さっさと自立して生きていくような淡泊さを持ち合わせた家畜なのだな、ということが分かります。家畜、というとどうも牛や馬のイメージが強くなりますが、ペット、と言いかえるとどうも彼らの孤高の響きが失われてしまいます。ただ、人の「同居人」とぐらいした方がしっくり来る気がします。

猫は自分の本性に従って生きるが、人間はそれを抑圧して生きる。逆説的だが、それが人間の本性である。それは同時に野生がもつ永遠の魅力でもある。

1 猫と哲学

だから、猫がうらやましいという訳ですね。足るを知る境地に生まれながら達している、人にもっとも近い野生動物。それが猫なのでしょう。猫は哲学を必要としないけれど、悟りの境地には達してるのかもしれませんね。特に衣食住の心配のない家猫は。「一日中寝てばかりいる猫になりたい」と嘆く人もいるでしょうけど、そのためには悟りを開かなければならないようです。猫になれるのは人類ではブッダだけ、っていうこと?!

欲と煩悩にまみれた人には哲学が必要なようです。やはり哲学の学びを深めるしかないですね。

今月の猫チャレンジは、コチラ↓↓↓

1月仕事・時間術チャレンジは、コチラ↓↓↓


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