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理系的創作論 〜『小説家という職業』〜 【新書チャレンジ2】

夏休み新書チャレンジ2日目は、

小説家森博嗣氏による創作論『小説家という職業』です。2010年に出た本なので今から10年以上前ですが、本質をついているせいか内容が古びた感じはしません。

もともと著者は大学の工学部で研究をしていた人です。それがひょんなことから「これがミステリィというものだ」というのを娘さんに読ませてやるために小説を書き始めた、というのは知っていました。だって、デビュー作『すべてがFになる』からファンですからね。なんせ書店にサイン会まで出かけたのは後にも先にも森さんだけ。『F』からはじまるS&Mシリーズはとくにお気に入りで、今でもときおり読み返したくなるほどです。

今では文庫版が出ていますが、私は発売当初のノベルス版で持ってます。その頃は講談社のノベルス、いい本がいっぱいあったなぁ。鈍器になる厚みの京極堂シリーズとか。

この『小説家という職業』はずいぶん前に買っていたけど、小説家になるつもりはないから実際に読むは遅くなってしまいました。それでもやっぱり、この方の考え方好きやなぁ。

「本を読んで体験することは、 その本を書いた人間の視点に同化されるので、知らないうちに自分の個性を失う」という点、『読書について』で読書家に辛口批評をズバリと言い切ったショーペンハウアー先生のおっしゃることに通じる気がします。「読書は自分で考えることの代わりにしかならない」(『読書について』より)

創作をする人はどんな分野であれ、こういう切り口がある、ということを知っておくとよいと思います。

あと本日のチャレンジはもう一冊行ってます。条件は「1冊以上」ですからね。フフフ。以下、リンク貼っておきます。


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