【中国語講座】ベラルーシ
ロシアのウクライナへの侵攻、日本の報道を見る限り、世界中がロシアに反対しているような印象を持っている人も多いかもしれませんが、意外とロシアに恩がある(?)国も多く、あまり強く反対しない国も多いようですね。そしてロシアに積極的に協力する国も少数ながらあります。その筆頭とも言えそうなのが、ベラルーシですね。
ベラルーシという国、日本ではそれほど話題になることがないので、あまり詳しく知らない人が多いと思いますが、大統領のルカシェンコ氏はヨーロッパ最後の独裁者と言われるほどの恐怖政治を行っていることで有名です。これを機に少しベラルーシについて勉強してみようかなと思ったり、思わなかったり(笑)。
ところでベラルーシは中国語でどう言うかご存知ですか?
白俄罗斯
Bái’éluósī
そう、直訳すると「白いロシア」です。調べてみると、「ベラ」が「白い」というような意味、「ルーシ」が「ロシア」のようですね。国のロシアのことを指すのか、別の意味があるのか知りませんが。
さて、1年ほど前でしたでしょうか、NHKの中国語ニュースでベラルーシ関連のニュースを報じた時に、NHKのホームページに出ていたニューステキストを見ると、ベラルーシのことをこのように書いていました:
白罗斯
báiluósī
僕はてっきり脱字だと思って、すぐ当日のこのニュースを翻訳した中国人アナウンサーに連絡を取ってみたら、なんと、ベラルーシの言い方が変わったのだと教えてくれたのです。
自分でも調べてみると、ベラルーシの駐中国大使館のホームページに「“白罗斯”が正しいです!」というようなことが中国語で書いてありました。今でも書いてあります。ご興味おありの方は見てみてください。
このページを見ると、どうして“白罗斯”が正しくて“白俄罗斯”ではダメなのかが説明してあるようなのですが、その根拠が現地の言葉(ベラルーシ語?ロシア語?)の文字で書かれた正式な国名で、その発音に即して“白罗斯”が正しいというようなことが書かれているのですね。でも、それを現地語でなんと読むのか分からないから、結局理由はよく分かりません。ただ、ベラルーシという国が、少なくとも中国語では“白罗斯”と言ってほしいと思っていることは、よく分かりました。
なので、NHKとしては“白罗斯”とするべきなのかもしれませんね~。
でも、その後なぜか定着せず、ベラルーシについて言及のあったニュースでも、NHK中国語ニュースでは今まで通り“白俄罗斯”と訳されていました(笑)。
どうしてなのでしょうね? とりあえず僕の予想としては、NHKは中国の外務省(外交部 wàijiāobù)がどう言っているかを参考にしているのかなと思われます。中国の外務省のホームページを見ると、ベラルーシのことを今まで通り“白俄罗斯”と書いているのですね。だからなのかな、と。
しかし、NHKは中華人民共和国の放送局ではないし、当のベラルーシが“白罗斯”と呼んでほしいと言っているのなら、NHKとしては“白罗斯”にしてもいいような気がします。
まぁ何となく“白俄罗斯”に親しんできた伊藤としては、“白罗斯”はちょっと慣れませんけどね~(笑)。