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10分でわかる知財最新事情

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弁理士で翻訳家である奥田百子氏による知財最新事情のコラム。2024年は「英語で語る日本の特許出願実務」から内容を変更し、特許、商標、著作権など知財にまつわるトピックスをお届けいた…
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2025年2月の記事一覧

AIによる声の無断生成

AIによる声の無断生成

声優や俳優の「覚えのない朗読、歌」が公開され、「声」が販売されています。

声優たちの声をAIに学習させ、声を生成し、公開することが行われています。声優さんたちが立ち上がり、「NO MORE 無断生成AI」という呼びかけが起こっています。

「日本俳優連合」「日本声優事業社協議会」などが賛同団体となっています。声優さんたちにとって「声」は自分の一部です。これを無断で使用されるのは、自分が知らないと

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ドワンゴとFC2の特許侵害訴訟、最高裁判決間近

ドワンゴとFC2の特許侵害訴訟、最高裁判決間近

(株)ドワンゴは、FC2, Inc. 及び(株)ホームページシステムに対して、ドワンゴの「コメント配信システム」の特許権を侵害しているとして、提訴していました。

知財高裁では、「FC2動画」、「FC2ひまわり動画」「FC2 SayMove!」というコメント機能付き動画配信サービスがこの特許権を侵害しているとして、
 
「FC2動画において、ユーザ端末上で動画上にオーバーレイ表示されるコメントが、

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AIを発明者と認めない判決が出る

AIを発明者と認めない判決が出る

AI発明に関して画期的な判決が出されました(令和5年(行ウ)第5001号、東京地裁)。
AIを発明者とすることは認めないという知財高裁の判断です。これは国際出願(PCT/IB2019/057809号)で日本に移行された特許出願(2020-543051号)です。
発明者の欄には、「ダバス、本発明を自律的に発明した人工知能」と記載されていました。特許庁は、この記載は認められないとして、「自然人の氏名を

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