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10分でわかる知財最新事情

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弁理士で翻訳家である奥田百子氏による知財最新事情のコラム。2024年は「英語で語る日本の特許出願実務」から内容を変更し、特許、商標、著作権など知財にまつわるトピックスをお届けいた…
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2025年1月の記事一覧

AI生成物の著作権に関する文化庁の最新見解

AI生成物の著作権に関する文化庁の最新見解

AIが生成したイラストや文章は、誰の著作物でしょうか?
これが大きな問題になっています。
AIは人間ではないから、著作者にはなれません。では、これを指示した人間が著作者でしょうか?
現在のところ、指示した人間にも原則、著作権は認められません。
「原則」と言ったのは、例外もあるということです。

以下が現在入手できる最新の情報です。文化庁の最新の見解では、
 ①   指示・入力の分量
 ②   生成

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ニンテンドーの改造品で商標権の侵害

ニンテンドーの改造品で商標権の侵害

任天堂のゲーム機「Nintendo Switch」の基板を改造して、フリマアプリで販売したとして、運送業者の男性が商標法違反で逮捕されました。

なぜ基板を改造したことがなぜ商標法違反でしょうか?
海賊版のゲームソフトを動かせるように基板を改造し、登録商標「Nintendo Switch」と類似の商標を付けて販売したからです。
つまり、この男性は、正規品ではない製品に他人の登録商標を付し、これを販

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振り付けの丸パクリ

振り付けの丸パクリ

振り付師のTSUGU a.k.a Tg氏がダンス振り付けが目の前で無断使用された、というニュースが話題になっています。

振り付けには著作権はあるのでしょうか?
著作権法には「舞踊」は著作物として挙がっています(著10条1項)。
しかし、創作性のない舞踊は著作物としては認められません。
映画「Shall we ダンス?」の事件では、社交ダンスの振り付けは、著作物とは裁判所では認められませんでした。

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ホラーとなったミッキー

ホラーとなったミッキー

今年もこのブログをよろしくお願いします。

ちょうど1年前の年明けブログで著作権の切れたミッキーマウスのお話をしました。
今年も年初はこの話題です。
「蒸気船ウイリー」のミッキーマウスの著作権が2023年末に切れ、公有(パブリックドメイン)となり、ミッキーを使った映画が続々と制作されています。ところがホラーが多く、ミッキーのイメージを損なっています。
3月7日公開の「マッド・マウス ~ミッキーとミ

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