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~個性を生かす~高校演劇部での指導

今年から地元高校演劇部の演技指導に携わることになった
前回は「初めまして」から大会出場まで
その後、下級生が再演することになったところまで書いたのでその続きを記す

因みに前回まで

再演にあたって


舞台の再演は
どうしても初演の舞台を気にする
ことになる

これはプロの演劇人にとっても同様で
高校生ともなればなおさらだ

しかも、つい半年前に先輩が演じた舞台
自分自身もその舞台に出演していたりしていれば
自ずとその稽古に参加していた訳で
どうしてもその時の先輩の演技や
演出の言葉が再演する演者を縛る

今回再演するにあたって幸いなことは
演者の持ち味が全く異なる

これによって、指導する私にとっては
新たな解釈が広げらるので
それをどう生徒に理解してもらい
表現してもらうか
と言う事に注力した

本人達はつい前回の先輩方の芝居に引きづられ
そんな表現をしているが
一つ一つ丁寧に
「何を感じているか」を紐解き

さらに演者が変わることによって
どのような違いを見ている者が受け取っているか

を説明して

その人ならではの表現、感情、思考を探っていく

頑なに観ない

私自身何度も再演を経験しているし
演者によって変わる事も体感している

私の初演出は自転車キンクリートさんの
「法王庁の避妊法」だった

色々と試行錯誤したけど
唯一やらなかったのが本家の舞台を見ない事

兎に角影響を受け易い私は
本家の舞台を観てしまったら
絶対にそこを目指そうとするだろうし
そこをゴールにするだろうと思った

本番直前に本家の舞台中継があったけど
観たい気持ちを押さえ付けて観なかった

本番を観てくれた方からは
「舞台中継も観たけど、本家に劣らず、とても面白かったよ!」
と感想を頂いた

終わった後にそれを観て
「あー、観なくて良かった。やっぱり引きづられていたよねー」
と、胸を撫で下ろした

勿論色んな舞台を観て
自分の肥やしにするのは大事だけど

自分の性格を知って対策しておくのは
もっと大事だなと思う訳だ

そんな訳で観ないで済む時は
観ないと言う選択肢もありなんだが

自分が関わっていた作品が再演の場合
そんな事は勿論出来ないので
前の舞台をどう消化していくかが必要となる

個性を見出す

高校で再演の為の稽古が始まり
最初の本読みを聞かせてもらった時
明らかに初演のキャラクターをなぞっていた

それは仕方ないことなので一通り聞いた後
それぞれに役の解釈を聞いてみると
やっぱり自分で演じてみて違和感があるらしく
初演とは違うキーワードが出てくる

だから色んな質問をしてその役を再構築していく

何故、何故、何故?と

そうしていくうちに段々変わる

優等生だった子が仮面を被っているようだったり
ポジティブ思考のリア充が友人と仲直りしたかったり
ふてぶてしい子が超現実主義だったり

それは自分の感性を信じて
その人が持っている個性をちゃんと使って
嘘のないキャラクターとして生きることになる

そうすると相手役も変わり出す

自分と向き合うことで
役にも相手にも嘘なく向き合える

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斧研(おのとぎ)雅子(ライブインタラクション®️コーチ)
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