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【インターナショナルスクールと公文】インター生は公文に通うべき?
インターナショナルスクールで学んでいるG2(小2)とプリスクールに通っている2人の子どもを公文に通わせています。インターナショナルスクール生として感じたメリットをまとめました。
■インターナショナルスクールからみた公文
■インターナショナルスクール生が公文に通うメリット
ー総論:学習のペースを作り、保持出来る
ー算数:スクールのMathとは別物
ー国語:最大のメリットは「推薦図書の紹介」
■インターナショナルスクール生に公文はおすすめ
インターナショナルスクールで学んでいるG2(小2)とプリスクールに通っている2人の子どもの公文歴はそれぞれ3年と1年半。二人とも算数と国語の2教科を受講しています。
インターナショナルスクールからみた公文
「公文」wayは嫌い?
Officialに見解があるわけではないのですが、子どもたちが通っている学校の校長先生は
「公文を含む、日本の学習塾の勉強方法をあまり快く思っていない」
という話を聞いたことがあります。
インターナショナルスクールによって学びのPhilosophy(方針や哲学)が違うので一律ではないと思いますが、
「探究型の学習を進めているスクールからすると、詰め込み・暗記をよしとする日本の学習塾の方針と合わない」
ということだそう。
公文の学習方法は一見、
算数:計算を丸暗記してとにかく反復練習、数の仕組みや複数の解法を学ぶことはない
国語:抜粋・要約と漢字練習だけ
と捉えられかねないので、そのような考え方をされているのかもしれません。
インターナショナルスクールの他のお友達の公文事情
そのような子どもたちの学校の方針や先生の考え方、実際に子どもたちが学校で学んでいる方法を踏まえた上で、我が家は公文を継続し、家庭学習の中心に据えて進めているわけですが、
G2の子どものお友達で、公文を続けている子が少なくなってきていることも事実。キンダー(年長)の頃は、特に日本人の子は公文をやっている子もちらほらいましたが、「続けるのが大変で辞めた」という人が多く、今も続けているのはほんの数人です。
(これは日本の学校に通っていても同じかもしれないですね。受験塾に通い始めるタイミングでもありますね)
インターナショナルスクールに通う子どもにとって、「学校のMathの方が楽しい。公文の算数は計算ばっかりでつまらない」「漢字が難しくなってきて大変」という印象を持ちやすいように思います。
1教科につき1日5枚(10ページ)が基本の公文学習ですが、スクールの宿題もありますし、親としても公文マネジメントが苦しくなってくるのも、よくわかります。
インターナショナルスクール生が公文に通うメリット
そんな学校や周囲のご家族、子どもの意見を踏まえた上で、我が家は公文学習を家庭学習の中心に据えています。一般的な公文学習のメリットではなく、「インターナショナルスクール生」が通うメリットをお伝えします。
【総論】学習のペースを作り、保持出来る
インターナショナルスクールはとにかく休みが多いです。
夏休みは2ヶ月強(6月中旬から8月末)、冬休みは約1ヶ月、その他にも1週間単位の休みが多くあり、実際の登校日数は半年ほど・・・
もちろんその間にサマースクールや、課外活動に精を出すことが出来ますので忙しくはあるのですが、長い休み中はスクールに変わる「学習のペースメーカー」が欲しいところ。
我が家では休みだろうが週末だろうが、たとえお正月でも「公文は必須」のスタンスをとっているので、公文学習のおかげでスクールの休みの間も、しっかりと机に向かう習慣を保つことが出来ています。
旅行、サマースクールや課外活動で普段よりも忙しくなりがちな長期休みですが、公文は家庭で学習量(枚数)調整出来ますので、そのあたりも学習習慣を保つにはいいシステムだと感じています。少し小さめなプリントも旅先に持っていくにはピッタリです。
【算数】スクールのMathとは別物
インターナショナルスクールでのMathと、公文算数は「全く別の教科」として捉えるべき、と公文の先生からアドバイスをいただきました。
実際にG2の子どもがスクールで学んでいるMathのテキストでは、例えば、「78+24」の解き方を何通りも考えてそれを説明する、なんていうことが行われていまして、公文の「78+24」を瞬時に答える算数とはまるでコンセプトが異なります。
私としては、スクールのMathも、公文算数もそれぞれに素晴らしい部分があり、別物として両サイドから算数・数学の世界を楽しんでもらえれば、と思っていますし、公文算数で代数を先取りすることで以下のようなメリットを感じています。
①計算で時間を取らずに解法や説明の精査に時間を使える
これは実際に担任の先生から指摘していただいたことですが、公文算数で代数を鍛えているおかげで、Mathの問題を解くときに「計算で時間を使わずにそれ以外の、創意工夫や丁寧な説明を作るところに時間が使えている」。
子どもにとっても「自分は算数が得意!」という自信につながりやすいので、大きなメリットとなっています。
②MAPテストでハイスコアが出やすい
インターナショナルスクールの多くで、年に2回のMAPテストが行われます。
MAPテスト
Measures of Academic Progressテスト。アメリカの多くの学校、日本を含む世界各地のインターナショナルスクールで取り入れられている。
コンピューターを使用して読解力、言語力、数学の能力をみるもので、正答率に応じて問題の難易度が変わることが特色。正解が続くと問題は難しくなる。低学年から年に2回行われ、全米の平均的学力レベルに加えて学校平均との比較と個人の得点が提示される。
成績には関係しないとするスクールが多いようですが、テストと名のつく限りは親も子どもも結果が気になりますし、良いに越したことはありません。
公文算数で代数の先取りが出来ているので、MAPテストのMathは上位になりやすいですし、実際に問題の中で時間を取られず正確に計算できることが大きなアドバンテージになるようです。
【国語】最大のメリットは「推薦図書の紹介」
「抜き出し問題ばっかり」「漢字学習だけ」と思われがちな公文国語ですが、個人的には極めて優れた教材だと感じています。
特に私が感じているメリットは、問題文で「公文推薦図書」の一部を読むことが出来ること。
インターナショナルスクールに通っていると、「○○くんがこんな(日本語の)本を読んでいた、僕も読んでみたい」という機会がなく、「良質な日本語の本」に触れる機会、興味を持つきっかけが非常に少ないです。
公文の問題文は「公文推薦図書」から出典されていて、その一部の文章に沿って問題が出されているのですが、必ず最後に「これは公文推薦図書です。続きを読んでみましょう」という文言が提示されています。
インターナショナルスクール生に限らず、子どもの読書が「絵本」から「文庫本」へ移行するときには多少なりとも「壁」があると思いますが、我が家の子どもたちは、公文でその一部が紹介された本が読んでみたくて、普通に手を取ったら躊躇してしまいそうな、絵がほとんどない長い文庫本(「ズッコケ三人組」シリーズ)を読み始め、読み切ることで「壁」を越えることが出来ました。
毎日の学習の中で、良質で語彙に溢れた推薦図書の一部に触れることが出来ることの価値は、インターナショナルスクール生に取って、とても大きいと感じています。
公文は非認知能力を鍛える
非認知能力を鍛える場!
公文学習はよく「計算だけ」「漢字と抜書きだけ」と思われがちですが、私は「非認知能力の鍛錬の場」だと感じています。インターナショナルスクール生だから、というわけではありませんが、これも私が感じている公文のメリットです。
例えば公文の算数には、「解き方説明」は一切ありません。新しい計算でも、これまで学習した計算方法を駆使し、試行錯誤して新しい計算方法を見出していく必要があります。
また、公文学習を続けていくと、子どもにとっての調子や分野の難易度など、「波」があります。それでも毎日決まった学習量をこなす事で、自律的な学習、セルフモチベーションを獲得する訓練になると感じています。
公文のお教室は多くの生徒さんで賑わっていることが多いので、そのような衆人環境でも自らの学習に集中する力も養うことが出来ます。
何より私は、公文の先生に子どもの「挑戦する力」「胆力」を鍛えて頂いていると思っています。
これらは一例ですが、公文学習によって「非認知能力」を高めることが出来ると感じています。
お教室選びは大事!
このように、さまざまなメリットを感じてはいるものの、家庭学習のマネジメントや子どものモチベーション維持が大変なことも事実。
心折れそうになり「もう辞めた方が」と思うことも、一度や二度じゃありません。辞めていくお友達も多いし、家庭学習の習慣があまりないご家庭も多いです。
心折れそうな時にに気軽に相談させて頂けたり、励まして頂ける先生の存在は、我が家にとってとても大事。子どもたちの性格や学校のカリキュラムをよくわかってくださって、適切に叱咤激励してくださる公文の先生に出会えた事が、我が家が公文を継続できている、一番の理由だと感じています。
公文のお教室は全国にたくさんあります。教材や仕組みは一緒でも、先生によって方針も異なりますし、アドバイスの内容も異なることでしょう。
これから始める方は是非、周りの方の体験談を聞き、複数のお教室に体験に行かれることをお勧めします。
インターナショナルスクール生に公文はおすすめ
様々な学習塾がある中で、長い歴史と多くの教室を持つ公文。
特徴的な学習スタイルで賛否分かれるところではありますが、我が家では「家庭学習の中心」に据えることで、子どもたちのスクールの成績を支えるのみならず、非認知能力を高める一助にもなっていると感じています。
我が家の公文への取り組みと感じているメリットが、何かご参考になりましたら幸いです。