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ロシア国防省「汚職事件」~東部ウクライナ”復興事業”で利権漁りか?~イワノフ国防次官逮捕で”ショイグ派”打撃


【画像① 長くプーチン大統領の側近であり続けたセルゲイ・ショイグ国防相(右)も、自身の”右腕”であるチムール・イワノフ国防次官の収賄容疑での逮捕で危機に直面しているとの観測が日本以外の各国報道で伝えられている。】




◆ロシア国防省「汚職事件」~内外報道の落差~




4月23日、ロシア国防次官のチムール・イワノフ氏が収賄容疑で逮捕された。この問題について、我が国では背景の解説報道はほぼない。やや詳しいNHK報道(4月24日)でも概要で次のようなことしか伝えていない。



「ロシアでは、ショイグ国防相の側近でもある国防次官が収賄の疑いで逮捕されました。プーチン政権は、ウクライナ侵攻が長期化する中、国防省の綱紀粛正を図ろうとしているとみられます」


「ロシアのメディアによりますと、イワノフ氏は、ショイグ国防相の側近として知られ、2016年から国防次官に任命されて軍事施設の建設などを担当しました。…ウクライナの軍事侵攻では、ロシア軍が占拠したウクライナ東部マリウポリで建設作業などの責任者を務めていたということです」


「ロシアのメディアは『イワノフ氏は巨額の資産を保有し、最も裕福な官僚の一人』と伝えています。…ロシアがウクライナへの侵攻を進める中、ロシア国防省の幹部が汚職事件で逮捕されるのは異例です」


(参考)「ロシア国防次官 収賄の疑いで逮捕 国防省の綱紀粛正か」2024/4/24 NHK NEWS WEB

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240424/k10014432021000.html



◆ロシア政権内の”力関係の変化”に着目する海外報道~「ファイナンシャル・タイムズ」など




NHK報道でも、「ウクライナへの侵攻を進める中、ロシア国防省の幹部が汚職事件で逮捕されるのは異例」くらいは触れているが、海外では西側報道ではもっと踏み込んだ報道をしている。筆者のYouTube配信でも概要を取り上げたが、特に「ファイナンシャル・タイムズ」(英国)は「ショイグ国防相にダメージ」と、先の大統領選で再選されたばかりのプーチン氏の今後の組閣に絡めて事件の解説報道をしている。



(参考映像)「プーチンが国防省”粛清”ショイグ国防相”右腕”逮捕 ウクライナ戦線に影響」2024/5/1 古是三春_篠原常一郎

https://youtu.be/foYisNvvheA?si=7MDYD5lxnKqDvSZ1



<制服着用のまま逮捕・連行されたイワノフ国防次官>




「ロシアのチムール・イワノフ国防次官は、国防省の制服を着用し、セルゲイ・ショイグ国防相とともに会議に参加した数時間後、同じ制服を着たまま、汚職容疑で逮捕され、裁判所に連行された。…イワノフ氏は、その派手な生活で知られ、それはクレムリンも許容するところであったが、新しい内閣人事を控えた今、今回の事件は、長年にわたるメンターであるセルゲイ・ショイグ国防相にとっても大きなダメージになるだろう。…5月に就任式を控えるウラジーミル・プーチン大統領は就任後、新内閣の人事案を発表するとみられ、舞台裏での権力闘争が激化している」


【画像② 2011年以来、ショイグ国防相の側近として民間出身でありながら国防省高官にとりたてられたチムール・イワノフ国防次官(48)は、執務室を軍人の美徳である「質実剛健」とはかけ離れた雰囲気で飾り立てていた。ロシアの閣僚クラス内でも富裕ぶりが知られていた。】






<プリゴジン(ワグネル創設者)亡き後に幅を効かせはじめたショイグ派閥に翳りか>




「ショイグ派閥は当初、ウクライナでのロシア軍の攻勢、さらには最大のライバルであったエヴゲーニー・プリゴジン氏がいなくなったことによって、勢いを増しているとみられていた。…ロシア国防省に近い情報筋によれば、イワノフ氏の裁判所への連行が露出度の高い形で報道されたことは、ショイグ派閥に陰りが出てきたことを物語っているという」





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