鈴木宗男議員の訪ロ、現地はどう報道しているのか?…「行くなというのに行った」(政府)「事前に届け出せずに行った」(維新)、実際にどのような影響が?
◆「届け出せずに行ったのはルール違反、厳しい処分を」(日本維新の会・吉村洋文共同代表)というが、国民から選ばれた議員が地元の問題のために当該国に行くことが問題なのか、どうかが本質問題
鈴木宗男参院議員、やったなあと思う。ロシア訪問について、国会議員としては参院事務局に届け出をして手続きを踏んだが、所属政党の日本維新の会への届け出は「秘書が多忙で届けに行ったときは(党事務局が)無人だったので」遅れ、鈴木議員がロシアへ向かった後になったと言う…憶測するなら、「確信犯」だな(笑)
鈴木議員が10月2日から4日間にわたり、ロシアに渡航しロシア外務省の日本担当であるルデンコ外務次官やウクライナ担当で昨年11月まで駐日大使だったガルージン外務次官らと会談したことの内容自体ではなく、政府や党(維新)は「ロシアに行くべきでないと言っているのに行った」「手続きを怠った」ことについて非難している。せいぜい、現地でメディア・スプートニクのインタビューに答えて「ロシアの(ウクライナに対する)勝利はゆるぎない」と述べたことを問題にするくらいだ(そんなものは、もう1国だけ取り残されて、とっくに米英や西欧マスコミもやらなくなったウクライナ側のプロパガンダを垂れ流し続ける日本メディアだけ見て判断する者以外には、当たり前の認識だ)。
(参考映像)「【ノーカット版】『ロシアの勝利 ウクライナに屈することはない』 鈴木宗男議員 国営メディアにメッセージ 2分55秒動画(23/10/06 18:06)」2023/10/6 北海道ニュース UHB
https://youtu.be/dwHzxPTjzCE?si=vPrnD7daIBNqMHMb
鈴木宗男議員によれば、ロシアでは相手側に対して、「ともかく1にも2にも停戦。双方が銃を置くべきだ。停戦が何より重要であり、ロシアが主導的な立場で行うべきだ」と述べたと言う。さらに、北方領土の元島民墓参の再開や、海域での安全操業のための漁業交渉についての要請を行ったという。
鈴木氏の訪ロについて、松野博一官房長官は「どのような目的であれ、国民にロシアへの渡航をやめてもらうよう要請している」、所属する維新の吉村洋文共同代表は「(執行部に)届け出せずに行ったのはルール違反、厳しい処分を検討」として、否定的な評価を明らかにしている。これに対し鈴木氏は、「私は40年以上、ロシアの問題に取り組んでいる。外交も政治家も積み重ねで、昨日今日出てきた議員とはわけが違う」と反発する態度を示した。
鈴木氏は、自民党時代から対ロシア外交に自ら先頭に立って取り組み、2000年にプーチン大統領が第一期政権を始めたばかりの時に首相特使として訪ロし、大統領と直接会っている。そして、北方4島問題でも、返還と共に元島民のノービザ渡航の実現などにも尽くしてきただけに、ウクライナ戦争以後、同盟国である米国と共に対ロ制裁やウクライナのゼレンスキー政権支援に踏み出した日本とロシアとの関係悪化に座していられない思いであるのはよく理解できる。
さて、それでも「鈴木氏はロシアに乗せられて利用されている」「利敵行為だ」などと言う声もあがるのだろうが、果たして鈴木氏訪ロにどんな効果があったのか、それを判断する上で欠かせないのは、ロシア現地でそれがどう報じられているかを見ることだろう。今回は、ロシア担当のリサーチャーの力を借り、短時間のうちにロシアのメイン報道機関であるタス通信の報道を時系列でまとめて概略を翻訳した。
読者のみなさんの判断の材料として、提供したいと思う。
(参考映像)「【緊急特集】 突然のロシア訪問 鈴木宗男議員の行動の意味は?意義は?専門家は、元島民は?」2023/10/5 HTB北海道ニュース
https://youtu.be/gboKORle4mk?si=qWPBJd6ilt3t2ZVg
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