見出し画像

子供のころの一大決心

駅のトイレを利用したことがある人なら、感じたことはあるかもしれない。

「右側は、女子トイレ。左側は男子トイレです。」
などの音声案内が聞こえてくるとき、
「多機能トイレ」が「滝のおトイレ」に聞こえないだろうか。

小学1年生くらいだっただろうか。
すごくビビりな僕は、「滝のおトイレ」が怖かった。

滝に飲み込まれてしまうかもしれない。
入ったら最後、2度と帰れないんじゃないか。

今思えば、そんな危険なものが公共の場ににあってたまるか。とは思うものの、当時の僕は疑うことも知らなかった。


小学3年生になった頃だろうか。
気になった僕は、覗くだけなら大丈夫だろうと、当時最大限の勇気を振り絞り、禁断の扉を開けた。

そこには、大きな部屋にトイレが一つ。
そして、おじいちゃんが一人。

「滝なんてなかった」
「鍵をかけ忘れたおじいちゃんがいた」

裏切りと驚きが同時に押し寄せ、
僕はそっと扉を閉めた。

これが、扉を開ける恐怖の種類が変わった、瞬間だった。

いいなと思ったら応援しよう!

あっちん
あなたのサポートが、世界を救う一歩になります。 大人になって、思考力が足りず困っている。 そんな人を救うために使わせていただきます!

この記事が参加している募集