なぜレジ前の大福を買ってしまうのか?行動経済学から考えるお金の価値基準。
物を高いとみるか、安いとみるかは、人の価値観次第です。
例えば趣味にフィギュアに30,000円かけたとして、本人から見れば"安い方だ"と思っても、他人からしたら"3万もするなんて高い!"と思う人もいるでしょう。
今回は、お金の価値基準を操作することによって人に物をカンタンに買ってもらうための考え方を学んでいきましょう。
レジ前のお菓子
コンビニのレジ前にお菓子が置いてあることに気づいている人は多いと思います。
チョコだったり、大福だったり。
これらはカウンター商材(しょうざい)と呼ばれ、コンビニで売れる重要なポジションです。
それらに共通するのは、価格が100円程度のものが多いということ。
いったいなぜでしょうか?
"ついで買い"させたいから?
レジに並んでいる時に目に入り、"ついで買い"を狙っているのでしょうか。
それだったら、もう少し高い単価のものを置いて、売り上げを上げた方が効率的な気がします。
350円のチョコの方が高く売れるはずです。
しかし、実はこの"価格が100円程度"がポイントで、
自分が今買ったものよりも安いものを提示し、支払いの心理的負担を減らす
と言う手法をとっているのです。
お金の価値は金額だけでは決まらない
例えば趣味のカメラを買ったとします。
夢の一眼レフ20万円!高かったけど満足!
ついでに記録用にSDカードも買おう。どうせなら容量がたくさん入る2万円のものにしよう。
散々悩んで、コツコツお金を貯めて買った念願のカメラを手に入れ、上機嫌になったのか、ついでに見つけたSDカードは一瞬でポンっと買ってしまいました。
多分、SDカードを買いに行っただけなら、2万円も出さなかったでしょう。スペックも十分検討し6千円くらいで済んだはずです。
ところが、「一眼レフ20万円」という基準があった後なので、「SDカード2万円」が安く感じてしまったのです。
お金を支払うときの基準となるもの
上記の「一眼レフ20万円」という、基準となるモノを行動経済学で「参照点」と呼びます。
何も買っていない時は参照点は0円。なので買い物は慎重にならざるを得ませんが
一度買い物をした後に、追加でした買い物は出費の悲しさが小さいから平気で買ってしまうのです。
これを応用したものには以下の様なものがあります。
・4,000万円で家を建てた後の、50万円の家具テーブル
・300万円の結婚式の、風船オプション5万円
風船を飛ばすだけのオプションに5万円!
普通に考えたら頼まないですよね。。
もっと身近なところだと、スタバなどのカウンターで「ついでに⚪︎⚪︎もいかがですか?」と聞かれることがあります。この⚪︎⚪︎の内容も、できるだけ安いものにすると心理的負担も減って、購入しやすくなるかも知れません。
「つい買ってしまった...」買い物の後悔を減らすには
何か買った後はテンションも高く、気分も良い状態です。ついでにポンポン買ってしまう恐れがあります。
無駄な買い物をしないためには、そういう時は一度外に出て"リセットする"のが良い方法です。
参照点もリセットすれば、自ずと冷静な目で見ることができます。
逆にお店側で"もっと買わせよう!"と思うなら店員さんからのさりげないプッシュがあると効果的。
例えば上記の一眼レフで言うと
・たくさん撮るには大容量のSDカードはいかがですか?
・カメラを入れるバッグも必要ですね。
・カメラ三脚はもうお持ちでしたか?
・カメラクリーナーは一つは持っていたほうが良いですよ
と言う具合です。
自分の業種でも、参照点を使ったマーケティング戦略を考えてみると良いかも知れません。
それでは今日はこの辺で。
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作り手視点から
売れる仕組みを考えます
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記事を書いた人:インサイトマーケティングラボ 地元 神奈川 川崎を拠点に札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡にて企業の経営伴走マーケティング支援事業、ブランディングデザイン事業を展開。コンサルティングディレクター:代表 山浦慶太