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ファッションリベラルアーツ思考 -衣服を哲学し、自由を着る-

Fashion(ファッション)という言葉は【つくること・なすこと】を意味するラテン語「Factio(ファクティオ)」に由来します。

「Fashion=流行」と訳されることがほとんどですが、その本質となる根源的な意味合いは【つくること・なすこと】。

では、ファッションは一体何を“形づくっている”のでしょうか。

今回の記事では、日本を代表するファッションブランド COMME des GARCONS(コムデギャルソン)の広告コピー

『選んで始まる。着て感じる。自由を着る。』
- Wear your freedom. Begin your choosing. Wear with feeling -

をきっかけとして、ファッションの本質に迫りながら、“ファッションリベラルアーツ”とは何かについて言及していきます。

ファッションリベラルアーツで“自由を着る”

SNSがファッショントレンドの中心地となった現在、様々な服装やアイテムがファッションとして容認され、評価されるようになりました。それはとても素晴らしいことです。

しかしその反面、SNSがメディアとしての求心力を強めるあまり、私たちのファッションに対する主体性が希薄になりつつあるようにも感じられます。

例えば、ファッションインフルエンサーがベストバイと題して紹介した商品が妙によく見えたり、人気インスタグラマーのコーディネートをそのままトレースしたような服装がおしゃれと賞賛されたり…。

「自分の着たい服」以上に「他人が既に評価した服」があたかもファッションの正解かのように扱われている現状には、いささか懐疑的にならざるを得ません。

タイトルやサムネイル、一枚の写真でつい反応してしまいたくなるような情報が、私たちの視野を狭くしているように思います。

ファッションの複雑な細部が削ぎ落とされ、部分的なわかりやすさが過度に誇張された、謂わば“加工された情報”は私たちのファッションに多様性をもたらすどころか、むしろ、価値観の固定を生じさせているようにすら感じられます。

同じ時代感・トレンドの中でも、それをどう解釈し、どのような服装を“つくる”かは、本来人それぞれのはずです。

そこで、当ブログでは“ファッションリベラルアーツ”を通じて、より自由にファッションを楽しむ人を1人でも増やしていきたい!と考えています。

ここからは“ファッションリベラルアーツ”とはどのような概念かを簡単にご説明します。

“ファッションリベラルアーツ”とは何か?

“ファッションリベラルアーツ”とは「ファッション」+「リベラルアーツ」を組み合わせた造語です。

「リベラルアーツ」とは、近年ビジネスなどの文脈でも注目される学問であり、一般的には「一般教養」や「自由になる技術」と訳されます。

古代ギリシアにルーツをもつ「リベラルアーツ」では実学だけでなく、様々な分野を横断し、総合的な教養を学ぶことで、固定概念による不自由さを取り払い、自由な思考を身につける試みがなされていました。

リベラルアーツの学問的な姿勢を示した図になります。哲学を中心として、それを取り囲むように様々な学問が位置しており、一般教養を横断的に学ぶことに重点を置いていることがわかります。

「リベラルアーツ」という言葉自体が「自由になる技術」と直訳されることからもわかるとおり、まさに“既成概念からの脱去”なのです。

つまり“ファッションリベラルアーツ”では、ファッションにおける歴史や社会学、哲学などの教養を通じて「ファッションをより自由に楽しむための感性や知性」を身につけることを目的としています。

ファッションはもっと自由だ。

「万人受けするファッションの作り方」「これだけ見ればおしゃれになれる動画」「コーディネート診断」「パーソナルカラー診断」「骨格ウェーブ診断」と称して個性を希釈するコンテンツは、どれもファッションを楽しむ上での補助線に過ぎません。

それらの情報にかまけて、自分の個性やセンスをなおざりにすることは“ファッション”からもっとも縁遠い行為です。

冒頭で紹介した
COMME des GARCONS(コムデギャルソン)の広告コピー

『選んで始まる。着て感じる。自由を着る。』
- Wear your freedom. Begin your choosing. Wear with feeling -

このメッセージはまさに“ファッション”そのものです。
自分の感性で服を選び、自分の体で着て、はじめて“自由なファッション”を体現できます。
誰かの感性で選ばれた服を、平面上(SNSや雑誌)で着用しているものを見て、何となく着るのでは、あまりに“ファッション”的ではありません。

『ファッションリベラルアーツを学び、衣服を哲学することで、感性を磨き自由を着る。』

繰り返しになりますが、ファッションリベラルアーツは“自由を着る”ための思考を身につける学問という位置付けです。

このブログでは、複雑な内容は複雑なままお届けすることもあります。
わかりにくいタイトルと内容でインプレッションが伸びないことは、わたしにとって問題ではありません。
その代わり、どこよりもファッションの本質を掘り下げて表現することで、読者の皆さんには新しい発見をお届けしたいです。

“ファッションリベラルアーツ”が、あなたの生活を豊かにするとわたしは信じています。


insomniaです。
本日もご覧いただきありがとうございます。

ファッションリベラルアーツ(ファッションを自由に楽しむための教養)】を通じて、知性と感性を磨くガイドブログ。
当ブログでは、ファッションの哲学性や社会学、歴史を深掘りして投稿。
1投稿=5分流し読みで、生活を豊かにする“ファッション教養”を身につけてください!

次の記事でお会いしましょう

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